特定技能の採用の流れ・手続き|申請から就労開始までの手順を解説
目次
特定技能の採用でつまずくのは、「何から始めればいいか」と「いつまでに動けば◯月に間に合うか」の2点です。結論を先に言うと、採用は6つのステップで進み、就労開始までの全体期間は国内在住者の採用でおおむね2〜4か月、海外から呼び寄せる場合で4〜8か月が一つの目安です(当サイトの整理。実測の審査日数を踏まえると、国内も3か月前後からが現実的です)。全体を律速するのは在留資格の審査と試験の日程——そして協議会加入などの前置き手続きも、着手が遅れた分だけそのまま全体を延ばします。それ以外の工程は候補者探しと並行して進められます。
この記事の要点
- 採用は6ステップで進む — 分野・要件の確認 → 人材の確保 → 雇用契約 → 支援計画の策定 → 在留資格の申請 → 入国・就労開始、という流れです。
- 着手は入社希望月から逆算する — 国内在住者の採用なら3〜4か月前、海外から呼び寄せるなら6〜8か月前が着手の目安です(当サイトの整理・月別のカレンダーは後述)。
- 律速は入管の審査と試験の日程 — 出入国在留管理庁の公表値で、結果(処分)までの実際の日数はおおむね50〜70日台。協議会への加入・書類準備・支援体制の決定は募集と並行して進められます(逆に、これらの着手が遅れるとそのまま全体が延びます=加入に2〜3か月かかる分野や建設は特に早く)。
- 書類作成・申請取次は行政書士などの専門家の領域 — 登録支援機関に委託できるのは支援の実施です。
特定技能の制度・要件は入管法令で定められ、改正されることがあります。本記事は採用の流れの概要です。実際の手続きは、出入国在留管理庁の最新の情報で確認してください。分野の追加状況や受け入れ停止・分野別の充足率は特定技能の受け入れ停止と分野別の充足率で整理しています。
全体像から把握したい場合は特定技能採用の完全ガイドを、費用は採用費用・相場をあわせてご覧ください。
採用ルートは大きく2つ
手続きの分岐は、在留資格の申請が「在留資格認定証明書交付申請」と「在留資格変更許可申請」のどちらになるかで決まります。海外から呼び寄せるなら前者、すでに日本にいる人を採用するなら後者です。ここで期間・費用・必要な工程がまとめて変わります。
- 国内在住者を採用する(在留資格変更許可申請) — すでに日本にいる特定技能外国人や、試験に合格した留学生などを採用します。在留資格の「変更」手続きで済むことが多く、比較的早く就労開始できます。
- 海外から呼び寄せる(在留資格認定証明書交付申請+査証) — 海外にいる人材を採用します。交付後に査証(ビザ)の手続きが必要で、送出機関の関与や渡航の準備も加わるため、期間・費用ともに大きくなりがちです。
いずれの場合も、人材は原則として特定技能の試験(技能試験+日本語試験)に合格しているか、技能実習2号を良好に修了していることが前提になります。この「どこから(国内/海外)」と「資格の取り方(試験合格/技能実習修了)」を掛け合わせると、実務上の採用パターンは次の4つに整理できます。
| 採用パターン | 在留資格の手続き | 試験の扱い |
|---|---|---|
| 国内在住 × 試験合格 | 在留資格変更許可申請 | 技能試験+日本語試験が必要 |
| 国内在住 × 技能実習2号を修了 | 在留資格変更許可申請 | 技能試験は関連する業務で免除・日本語試験も原則免除 |
| 海外から呼び寄せ × 試験合格 | 在留資格認定証明書交付申請+査証 | 技能試験+日本語試験が必要 |
| 海外から呼び寄せ × 技能実習2号を修了(帰国後) | 在留資格認定証明書交付申請+査証 | 技能試験は関連する業務で免除・日本語試験も原則免除 |
上の4分類は、出入国在留管理庁の制度情報をもとに当サイトが整理したものです。期間の軸では、上2つ(変更申請)が国内採用のおおむね2〜4か月、下2つ(認定証明書+査証)が海外採用のおおむね4〜8か月に対応します。技能実習2号を良好に修了した場合、技能試験は「修了した技能実習の職種・作業と、従事する業務との関連性が認められる分野」で免除され、日本語試験(参照枠A2.2相当以上)は原則として職種を問わず免除されます(ただし介護分野の介護日本語評価試験、自動車運送業〔タクシー・バス〕・鉄道分野の「日本語教育の参照枠」によるB1相当以上の要件など、免除されない例外があります)。免除の正確な範囲は特定技能の試験、技能実習からの移行については育成就労・技能実習からの移行をご覧ください。
どちらのルートを選ぶか(即戦力か長期戦力化か、定着の考え方)は特定技能は国内採用と海外採用どっち?定着・長期戦力化で選ぶ採用ルートで整理しています。
採用の流れ(6ステップ)
企業が踏むステップは6つです。まず全体像を、各ステップの目安期間とあわせて示します(期間は当サイトが一般的な進行を整理した目安で、書類の準備状況・繁忙期・本国側の手続きで前後します。各ステップの目安を単純に合計すると全体の目安を超えますが、②〜④などは並行・短縮できるためです)。
① 分野・受け入れ要件の確認
目安 〜1週間
② 人材の確保(募集・紹介・面接)
目安 2週間〜2か月
③ 雇用契約(特定技能雇用契約)の締結
目安 1〜2週間
④ 1号特定技能外国人支援計画の策定
目安 1〜2週間
⑤ 在留資格の申請(入管の審査)
国内の変更 1〜2か月・海外の認定 1〜3か月(処分までの実測 50〜70日台)
⑥ 入国・就労開始と各種届出
国内は在留カード受領後すぐ・海外は査証・渡航で+数週間
全体では、国内在住者の採用でおおむね2〜4か月、海外から呼び寄せる場合で4〜8か月が一つの目安です(当サイトの整理。実測の審査日数では国内も3か月前後〜が現実的=後述の最短側の目安)。
ステップ1:自社の分野・受け入れ要件の確認
ステップ2:人材の確保
採用ルートを決め、人材を探します。主な手段と、費用・期間への効き方は次のとおりです。
人材を探す手段 費用の目安 期間への効き方 人材紹介会社を使う 紹介手数料 20〜60万円程度(採用時に一度) 候補者が母集団として用意されているため、面接までが早い 求人媒体に出す 掲載料(媒体・期間による) 応募の集まり方に左右され、読めない幅が大きい 自社で募集する(リファラル・SNS) 実質的な追加費用は小さい 在職者のつながり次第。候補がいなければ着手できない スカウト型サービス(ダイレクトリクルーティング) 利用料(サービスによる) 自社から候補者へ直接声をかける。かけた工数と母集団の質に左右される ハローワークに求人を出す 無料 公的窓口。建設分野では国内人材確保の取組を示すハローワーク等での求人が受入計画の認定条件に含まれる 紹介手数料の相場は人材紹介手数料の相場で、自社で採用するか紹介を使うかの判断は自社採用と委託の比較も参考にしてください。
なお、候補者が試験の合格を控えている場合は、多くの試験の実施要領で不合格の場合は試験日の翌日から起算して45日間、同じ試験を受け直せないとされているため、約1か月半の空白が採用スケジュールに乗ります。加えて外食業分野の1号技能測定試験は2026年3月27日から停止中で(再開の目処は示されていません)、外食業は2026年4月からは在留資格認定証明書の交付停止措置も続いています(状況=外食業の受け入れ停止の解説)。分野別の試験日程・再受験のルールは特定技能の試験をご覧ください。
国内在住者を採用する場合は、在留カードの確認を行います。出入国在留管理庁は、雇用契約などの場での身分確認に使える在留カード等読取アプリケーション(ICチップの情報と券面を見比べて偽変造の有無を確認する・本人の同意を得て提示を受ける)と、在留カード等番号失効情報照会(カード番号が失効していないかを確認する。結果はカード自体の有効性を証明するものではないため、読取アプリとの併用が案内されています)を提供しています。[1]厚生労働省も、外国人雇用状況の届出の際に在留カード等の提示を受けて届出事項を確認するよう求めており、出入国在留管理庁の審査Q&Aも雇用にあたって在留資格を確認するよう案内しています。[2]⚠️ 2026年6月14日以降の新様式カードは券面に在留期間の記載がなく、読取アプリでも在留期間などは2026年9月目途の改修版まで表示されません(確認方法=特定技能の申請に必要な書類一覧)。また、留学生からの切り替えでは、在学中の資格外活動は包括許可で週28時間以内(教育機関の長期休業期間は1日8時間以内)が原則です。[2]変更許可は「在留の状況」等を総合的に勘案して判断されるため、[3]許可の範囲を超えた就労歴は審査に影響し得ます(当サイトの整理)。
ステップ3:雇用契約(特定技能雇用契約)の締結
採用が決まったら、特定技能雇用契約を結びます。報酬額が日本人と同等以上であること、フルタイムであることなど、制度上の基準を満たす内容にする必要があります。条件面の整理は、後続の在留資格審査にも影響します。雇用契約の基準と、雇用条件書(参考様式)に書く記載事項は特定技能の雇用契約・雇用条件書で詳しく解説しています。
ステップ4:1号特定技能外国人支援計画の策定
特定技能1号では、外国人材が安定して働き生活できるよう「1号特定技能外国人支援計画」を作成します。定めるのは、①事前ガイダンス ②出入国する際の送迎 ③住居の確保・生活に必要な契約の支援 ④生活オリエンテーション ⑤公的手続等への同行 ⑥日本語学習の機会の提供 ⑦相談・苦情への対応 ⑧日本人との交流促進 ⑨転職支援 ⑩定期的な面談・行政機関への通報という義務的支援10項目の実施内容です(各項目の実施基準・頻度は同記事で解説しています)。このうち①事前ガイダンスは、在留資格認定証明書の交付申請前(変更を伴う場合は変更申請前)に実施するものとされており、支援は在留資格の申請より前から始まります。
この支援は自社で行うこともできますが、要件を満たすのが難しい場合は登録支援機関に全部を委託できます(ただし、出入国在留管理庁への定期届出・随時届出など、委託しても企業自身に残る義務があります=後述)。自社で行うか委託するかの判断は自社支援か委託かの比較、機関の役割は登録支援機関とは?をご覧ください。
ステップ5:在留資格の申請
人材の状況に応じて、次の申請を行います。
・国内にいる人 … 在留資格変更許可申請
・海外にいる人 … 在留資格認定証明書交付申請 → 交付後に在外公館で査証(ビザ)申請 → 入国
審査には一定の期間がかかるため、スケジュールには余裕を持たせます。なお、在留資格の申請書類の作成や申請取次は、行政書士(や弁護士)などの専門家の領域です。登録支援機関の業務には含まれないため、必要に応じて行政書士などの専門家と連携して進めます(当サイトは代行を行いません)。ステップ6:入国・就労開始と入国後の手続き
在留資格が認められたら、入国・就労を開始します。入社時には社会保険・雇用保険の加入手続きも行います(日本人と同様に適用されることが受け入れの前提です=特定技能の雇用契約・雇用条件書)。就労開始後も、生活オリエンテーションの実施や、受け入れに関する各種届出(定期届出など)が必要です。支援を登録支援機関に委託している場合は、これらの実施を支援機関がサポートします。この「届出」は提出先の異なる2つの制度に分かれます(後述)。採用後の定着まで見据えるなら、特定技能外国人の定着支援もあわせてご確認ください。
直列に積むと数か月延びる:並行できる工程と、全体を律速する工程
6ステップは番号順に並んでいますが、全部を直列に進める必要はありません。候補者が決まる前から企業側で着手できる工程が多い一方、候補者が決まらないと動かせない手続きや、決まっても短縮できない工程があります。
| 工程 | 候補者が決まる前に着手できるか | 期間への効き方 |
|---|---|---|
| 分野・受け入れ要件の確認 | できる | 早いほど後工程の手戻りが減る |
| 分野別協議会への加入 | できる(企業側の手続き) | 所要は分野により大きく異なる(食品産業特定技能協議会は2〜3か月程度)。申請の前に終わっていないと申請を出せない |
| 建設分野の前提準備(CCUS事業者登録・JAC等への加入) | できる(受入計画の認定申請そのものは雇用契約の締結後) | 認定申請は雇用開始日の概ね6か月前から受付=前提の登録・加入(会員証の発行に数か月〜半年の団体もある)はそれより前に済ませる |
| 支援体制の決定・登録支援機関の選定 | できる | 決まらないと支援計画の策定が止まる |
| 会社側の書類(登記事項証明書・労働保険/社会保険関係) | できる | 不備は審査中の追加資料の求めにつながる |
| オンライン申請の利用申出 | できる | 承認まで1週間〜2週間程度(出入国在留管理庁) |
| 市区町村への協力確認書 | できない(初めての受け入れでは雇用契約の締結後に提出) | 雇用契約から在留資格の申請までの間に、事業所所在地と住居地の市区町村へ提出を終える |
| 住居の確保 | 下見・候補の絞り込みは進められる | 遅れると交付・許可後の就労開始が後ろ倒しになる |
| 在留資格の審査 | できない(雇用契約・支援計画が固まってから) | 全体を律速する。実測でおおむね50〜70日台 |
| 技能試験・日本語試験の合格 | できない(候補者側の予定) | 不合格だと同じ試験を45日間受け直せず、約1か月半の空白 |
並行できる工程を前倒ししても、全体期間が律速工程(在留資格の審査・試験日程)より短くなることはありません。それでも前倒しが重要なのは、「できる」の工程を候補者決定後に直列で積み上げると、協議会の加入審査や建設の前提準備(CCUS登録・JAC等への加入)だけで数か月が上乗せになるためです。前倒しは期間を「縮める」ためではなく、「延ばさない」ために必須です。委託の判断や選び方は登録支援機関とは?・登録支援機関の選び方をご確認ください。
採用にかかる期間の目安
特定技能の採用期間は、「採用活動そのものの期間」と「在留資格手続き(入管の審査)の期間」を分けて考えると見通しが立ちます。後者は申請の種類ごとに標準処理期間が公表されているため、ここを軸にスケジュールを組みます。
在留資格手続き(入管審査)の標準処理期間
出入国在留管理庁は、申請の種類ごとに審査の標準処理期間を公表しています。
| 申請の種類 | 主なルート | 標準処理期間 |
|---|---|---|
| 在留資格変更許可申請 | 国内在住者を採用 | 1か月〜2か月 |
| 在留資格認定証明書交付申請 | 海外から呼び寄せ | 1か月〜3か月 |
実際の処理日数はおおむね50〜70日台で推移している
この幅の「下限」でスケジュールを組まないのが実務のポイントです。出入国在留管理庁は、申請種類ごとの実際の処理日数(処分までの日数)も毎月公表しています。特定技能1号の公表値を抜粋すると、次のように推移しています。
| 対象期間(特定技能1号・許可分) | 認定証明書交付(処分)までの日数 | 在留資格変更の処分(告知)までの日数 | 在留資格変更の審査終了までの日数 |
|---|---|---|---|
| 令和7年4月(2025年4月) | 56.9日 | 60.4日 | 36.0日 |
| 令和7年7月(2025年7月) | 65.0日 | 62.8日 | 45.0日 |
| 令和7年10月(2025年10月) | 71.6日 | 60.6日 | 39.4日 |
| 令和8年1月(2026年1月) | 73.5日 | 63.8日 | 39.5日 |
| 令和8年4月(2026年4月)※ | 58.6日 | 62.0日 | 39.8日 |
| 令和8年5月(2026年5月)※ | 68.6日 | 64.7日 | 44.9日 |
※令和8年4月許可分以降の特定技能1号の値は、令和8年3月27日付「特定技能『外食業分野』における受入れ上限の運用について」に基づく措置により、外食業分野に係る申請を除外して算出されています。それ以前の月とは算出対象が異なるため、単純に比較できません。[8][9]
読み取れるのは、どの月も標準処理期間の下限(1か月)では終わっていないということです。抜粋した6か月分では認定証明書交付が56.9〜73.5日、在留資格変更の処分までが60.4〜64.7日と、標準処理期間の上限寄りの水準が続いています。表は四半期ごとの抜粋に直近2か月分を加えたもので、載せていない月には認定証明書交付が75.1日(令和7年11月許可分)に達した月もあります。変更の「審査終了まで」は36〜45日程度で、処分までとの差は審査終了から結果の告知(入管への出頭)までの待ち期間です=入社日の基準になるのは告知・在留カードの受領の側です。変更申請では、結果の告知まで「2か月強+書類準備期間」を見込むのが安全です(月により変動します。処理日数には追加資料の提出を求めた場合にその資料が提出されるまでの日数を含み、不許可処分・申請取下げ等は含まれません。確認日2026年8月5日)。
出入国在留管理庁は各月の公表資料に「例年、4月の就職時期に向けて、申請が増加するため、就労資格について、審査期間が長期化する傾向にあります」と注記しています。[9]4月の就労開始を狙う採用は、申請がこの時期に重なるため、下の逆算カレンダーの目安からさらに前倒ししておくと安全です。
申請そのものをどこへ・どう出すか(提出先の官署、窓口とオンライン、会社の誰が出しに行けるか)は特定技能の申請に必要な書類一覧で整理しています。
もうひとつ、就労開始日は新しい在留カードの受け取りまで含めて設計します。出入国在留管理庁は、変更許可などの許可時に交付される在留カードを、旅券への証印に代わる「許可の要式行為」=「許可証」としての性格を持つと説明しています。[10]上の処理日数(処分まで)には、審査終了から結果の告知までの待ち期間が含まれています。オンライン申請で郵送を選ぶ場合は、審査終了のメール→手数料納付書など必要書類の送付→新しい在留カードの郵送、の順で進み、到着までの固定日数は示されていません(カード作成時点でメール通知・令和8年5月時点で「一定の日数がかかっています」との案内)。[4]出入国在留管理庁は、早く受け取りたい場合は窓口での受領を勧めています(郵送を選べないケースの一覧=特定技能の申請に必要な書類一覧)。
申請より前に動き出す手続きと、その所要期間
在留資格の申請より前に完了・進行していることが求められる手続きがあり、これが着手月を決める実質的な制約になります。所要期間は分野で大きく違います。
- 分野別協議会への加入 — 建設を除く16分野の運用要領(別冊)が「在留諸申請の前に」加入することを求めています。令和6年6月15日以降は、初めての受け入れでも申請時に加入を示す書類の提出が求められます(かつて一部分野で認められた「受入れ後4か月以内」の加入は旧ルールです)。加入審査に要する期間は分野により大きく異なり、たとえば農林水産省の食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)は、必要書類の送付後、加入証の発行までに2〜3か月程度かかると案内しています。[11]なお、ビルクリーニング分野では厚生労働省が、入会手続きは受入れ企業自身が行うもので、登録支援機関による代行は認めていないと明示しています=加入の実務は分野によって運用が異なります。公式の目安があるだけでも、約10営業日(林業)から2〜3か月まで分野で幅があります。自社の分野の所要期間は、その協議会・登録法人の窓口で必ず確認してください。加入審査を待つ間も、人材の確保・雇用契約・支援計画の準備は並行して進められます(上の「並行できる工程」の表)。全17分野の協議会名・所管省庁・加入までの目安は分野別協議会の一覧にまとめています。
- 市区町村への協力確認書 — 初めて受け入れる場合は雇用契約の締結後・在留資格の申請の前に、事業所の所在地と住居地の市区町村へ提出します(一度提出すれば、同じ事業所での2人目以降の申請では再提出不要。記載事項が変わったときはあらためて提出します。詳細は義務的支援10項目)。
- 建設分野の受入計画の認定 — 建設分野では、企業側に建設特定技能受入計画の国土交通大臣による認定が求められます。国土交通省は「建設特定技能受入計画認定申請から認定までは1か月半〜2か月程度(補正期間を除く)を見込んでいます」「地方によっては、更に数か月かかることがあります」と案内しています。[5]⚠️ 受入計画の申請には雇用契約書など採用する本人が決まってからの書類が必要な一方、前提となるCCUS(建設キャリアアップシステム)の事業者登録やJAC等への加入は候補者決定前から進められ、会員証の発行に数か月〜半年かかる団体もあります。受入計画の認定申請は雇用開始日の概ね6か月前から受け付けられます(技能実習からの移行は実習計画の修了期日の6か月前から)。この申請を早い時期に出すには、前提のCCUS登録・JAC等への加入をそれより前=半年以上前に済ませておく必要があります。受入計画は「申請後・認定前」でも在留諸申請自体は出せますが、在留諸申請の許可・交付を受けるには認定証の写しの提出が必要です(国土交通省は在留諸申請を「就労の開始を希望する日より2〜3か月前を目安に申請してください」と案内していますが、本記事の実測〔処分まで50〜70日台〕を踏まえると、この目安の後ろ側=3か月前で見るのが安全です)。建設分野固有の段取りの全体像は特定技能「建設」の採用で解説しています。
申請の前に完了させておくものの一覧と、建設分野の要件の中身(協議会の構成員となるのは分野所管省庁の登録を受けた登録法人で、企業に求められるのは受入計画の認定と建設業者団体への加入。いずれの団体にも加入していない場合は企業自身が登録法人の構成員となる道があります)は、特定技能で企業に求められる受け入れ要件で整理しています。[12]
入社してほしい月からの逆算カレンダー
着手の目安は、国内在住者の採用で就労開始希望月の3〜4か月前、海外から呼び寄せる場合で6〜8か月前です(上の処理日数を上限寄りで見込んだ場合)。「◯月に働き始めてほしい」から逆算して月別に並べると次のとおりです。
| 就労を開始してほしい月 | 国内在住者を採用する場合の着手月 | 海外から呼び寄せる場合の着手月 |
|---|---|---|
| 1月 | 前年9〜10月 | 前年5〜7月 |
| 2月 | 前年10〜11月 | 前年6〜8月 |
| 3月 | 前年11〜12月 | 前年7〜9月 |
| 4月 | 前年12月〜1月 | 前年8〜10月 |
| 5月 | 1〜2月 | 前年9〜11月 |
| 6月 | 2〜3月 | 前年10〜12月 |
| 7月 | 3〜4月 | 前年11月〜1月 |
| 8月 | 4〜5月 | 前年12月〜2月 |
| 9月 | 5〜6月 | 1〜3月 |
| 10月 | 6〜7月 | 2〜4月 |
| 11月 | 7〜8月 | 3〜5月 |
| 12月 | 8〜9月 | 4〜6月 |
上の表は、当サイトが一般的な進行の目安(国内3〜4か月前・海外6〜8か月前)を月別に整理したもので、編集部整理の目安です。特定の期間での採用完了を保証するものではなく、書類の準備状況・本国側の手続き・試験の合格状況・住居の準備により前後します。4月の就労開始を狙う場合は、上記の注記のとおり申請が集中しやすい時期に重なるため、さらに1か月前倒ししておくと安全です。また、協議会の加入審査に2〜3か月程度かかる分野(飲食料品製造業など)では、上の目安からさらにその分早く(国内採用なら就労開始希望月の5〜7か月前から)、建設分野では前提のCCUS登録・JAC等への加入込みで半年以上前から動き出す必要があります。海外ルートの着手を安全側の6〜8か月前としているのは、査証・渡航・送出国側の手続きの振れ幅が大きいためです(全体期間の幅は4〜8か月)。
最短側の目安も添えます。試験に合格済みの国内在住者を採用し、協議会加入など企業側の準備が先に済んでいる場合でも、在留資格変更は結果の告知(処分)まで実測でおおむね2か月前後かかるため、全体目安「2〜4か月」の下限側は現在の審査水準では出にくく、着手から就労開始までおおむね3か月前後が実務的な下限です(当サイトの整理)。
技能実習2号から移行する場合は、技能試験・日本語試験が免除される扱いがあり、在留資格変更を中心に国内採用と同じ2〜4か月程度が目安ですが、移行できる時期(実習の修了時期)に合わせた調整が必要です。とくに自社で技能実習2号として在籍中の人材の移行は、募集の工程が不要なぶん最短側になります。制度の違いは技能実習・育成就労との違いで整理しています。就労開始後に何年働けるか(在留期間の上限・更新)は特定技能の在留期間と更新、家族帯同の可否は特定技能の家族帯同をご覧ください。
期間が延びやすい要因
- 書類の不備・追加資料の求め — 申請後に追加書類を求められると、その日数も上の処理日数に含まれる形で審査が延びます。不交付・不許可となった場合の進み方(不服申立ての手続はなく、整え直して再申請)は不交付・不許可になったらどうするかをご覧ください。
- 4月の就労開始に向けた申請の集中 — 出入国在留管理庁が公表資料で長期化の傾向を注記している時期です。
- 海外側の手続き — 査証申請、送出機関の手続き、健康診断、渡航準備など、日本の審査以外の工程。
- 試験の再受験 — 不合格後45日間は同じ試験を受け直せず、日程が後ろへずれます(ステップ2参照)。
- 支援体制の準備不足 — 支援計画や登録支援機関の選定が固まっていないと、申請の準備段階で時間がかかります。
手続きの実務:書類・入国準備・採用後の届出
ステップ5までに用意が進む書類の全体像
出入国在留管理庁の提出書類一覧は、申請の種類ごとに3つのグループ(表)で構成されています。[13]ステップ3・4で作る契約書や支援計画書がそのまま提出物になるため、どのグループに何が入るかを先に把握しておくと準備の順番を決めやすくなります。
- ① 申請人に関する書類(第1表) — 申請書・写真・健康診断個人票のほか、企業が作成する特定技能雇用契約書の写し・雇用条件書の写し・報酬に関する説明書・1号特定技能外国人支援計画書もこの表に含まれます(「本人が用意する書類」だけではありません)。
- ② 所属機関に関する書類(第2表) — 受け入れ企業の実在・経営状況・法令遵守を示すもの。特定技能所属機関概要書、登記事項証明書、労働保険・社会保険関係の書類などです。
- ③ 分野別の書類(第3表) — 分野ごとの誓約書、協議会の構成員であることを示す書類、技能試験・日本語試験の合格証明。
様式番号と提出物の全点、どの一覧表ファイルを使うかは特定技能の申請に必要な書類一覧で、会社の誰が申請を出しに行けるかは在留資格の申請はどこへ・誰が・どう出すかで整理しています。なお、2人目以降・継続の採用では、2回目以降の申請で所属機関側の書類の多くを省略できる扱いがあります(特定技能で企業に求められる受け入れ要件の「2回目以降は書類の提出を省略できる」を参照)。複数人を同時に申請する場合は、申請書に添える申請人名簿の様式があり、[13]オンライン申請にも複数人の情報を一括入力できるテンプレートがあります。ただし出入国在留管理庁は、一括で提出しても「個別の申請として別々に受理」され、申請内容等の確認に時間を要する場合には個別に審査を行うため「全体としての審査期間に変わりはありません」と案内しています=一括提出は入力・提出の効率化であり、審査期間の扱いは変わらないと見ておくのが安全です。[14]
入国前後に企業が整える生活基盤(入国準備チェックリスト)
在留資格が認められてから就労開始までの間に、企業(または委託先の登録支援機関)は、外国人が来日直後から生活できる基盤を整えます。住居の確保や生活に必要な契約に関する支援は、1号特定技能外国人支援計画の「義務的支援」に含まれるため、登録支援機関に委託していればその実施を任せられます(在留資格の申請書類の作成・申請取次とは異なり、これらは支援機関の業務範囲です)。
海外から呼び寄せる場合の入国直前の流れ
在留資格認定証明書が交付されたら、企業がその証明書を本人へ送り、本人が在外公館(日本大使館・領事館)で査証(ビザ)を申請します。査証申請から入国までにかかる期間は在外公館や時期によって幅があり、あわせて渡航の準備も進めます。送出国側の手続き(送出機関の関与・費用の公的ルール)は国によって異なり、費用面は特定技能の採用費用・相場で送出国別に、国ごとの送り出し手続きは特定技能の対象国と国別の手続きで整理しています。注意したいのは、出入国在留管理庁の取扱いで、2022年8月1日以降に作成された認定証明書は作成日から3か月間有効とされている点です。この期間内に査証の取得・渡航を済ませるようスケジュールを組みます。[15]
住居の確保
義務的支援として、賃貸借契約の連帯保証人になる・社宅を提供する・住居探しに同行するといった形で住居を確保します。確保する居室の広さには目安があり、運用要領上、1人当たり7.5㎡以上(約4.5畳に相当)が求められます(複数人で住む場合は、居室全体の面積を居住人数で割った値で判断します)。ただし、技能実習2号などから特定技能1号へ移行し、技能実習生として住んでいた社宅等に引き続き住む場合は、寝室が1人当たり4.5㎡以上あれば足りるとされています。[16]
来日直後に必要な生活の手続き(チェックリスト)
来日後すぐに必要になる各種手続きも、義務的支援として企業・支援機関が書類の提供・窓口の案内・必要に応じた同行などで補助します。
- 銀行口座の開設 — 報酬の口座振込に必要です。
- 携帯電話の契約
- ライフライン(電気・ガス・水道)の開通
- 市区町村での住民登録などの公的手続き
空港への出迎え・住居までの送迎、そして生活オリエンテーション(ゴミ出しや公共交通、医療機関、緊急時の連絡先などの案内)も義務的支援に含まれ、就労開始後の定着に直結します。義務的支援10項目の全体像は義務的支援10項目、入社後の定着まで見据えた支援は特定技能外国人の定着支援で解説しています。
入国後の届出は2系統:入管とハローワーク
就労開始後に必要な届出は、出入国在留管理庁への届出とハローワークへの届出の2つの制度に分かれています。混同しやすいので、ここで整理しておきます。
- 出入国在留管理庁への届出 — 特定技能所属機関として受け入れ状況などを届け出る定期届出(2025年4月から年1回)や、雇用契約・支援内容の変更時に生じる随時届出(事由が生じた日から14日以内)です。これは受入れ機関自身の義務で、登録支援機関に丸投げすることはできません。詳しくは特定技能の維持費・ランニングコストで解説しています。
- ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」 — こちらは特定技能に限らず、外国人を雇用するすべての事業主に課された別制度の義務です(労働施策総合推進法に基づく届出)。外国人を雇い入れたとき・離職したときに、氏名・在留資格・在留期間などをハローワークへ届け出ます。雇用保険の被保険者になる場合は資格取得届・資格喪失届と一体で提出し、被保険者でない場合も所定の様式で別途届け出ます。提出期限は、被保険者は雇入れが翌月10日まで・離職が翌日から起算して10日以内、被保険者でない場合は雇入れ・離職とも翌月末日までです。怠ったり虚偽の届出をしたりすると、30万円以下の罰金の対象になります。[17]
「外国人雇用状況の届出」は特定技能の制度そのものではなく、外国人を雇用する事業主全般に課された労働関係法令上の届出義務です。届出の様式・提出方法・期限は改正されることがあるため、提出前に厚生労働省・ハローワークの最新の案内で確認してください。
いずれの届出も企業(受入れ機関・事業主)自身の義務であり、登録支援機関の業務(支援計画の策定・各種支援の実施)や当サイトの代行対象には含まれません。実務の進め方に不安がある場合は、社会保険労務士など労働関係の専門家と連携して進めることもできます。
費用もあわせて確認を
費用は採用の各ステップで段階的に発生します。どのステップで何の費用がかかるかを時系列で押さえておくと、総額の見通しが立てやすくなります。
| 採用のステップ | そのステップで発生・確定する費用 | 金額の目安(1名あたり) |
|---|---|---|
| ステップ1:分野・受け入れ要件の確認 | 直接の費用は発生しません(社内での確認作業) | — |
| ステップ2:人材の確保 | 人材紹介手数料(採用時に一度)/海外採用では送出機関の費用 | 紹介手数料 20〜60万円程度/送出機関の費用 給与1〜3か月分程度 |
| ステップ3:雇用契約の締結 | 直接の費用は発生しません(雇用条件書の整備を社労士に依頼する場合の報酬は別途) | — |
| ステップ4:支援計画の策定 | 登録支援機関と委託契約を結ぶ場合、支援委託費の額がこのステップで決まる(支払いの発生は就労開始後・毎月) | 月15,000〜30,000円程度 |
| ステップ5:在留資格の申請 | 行政書士などの専門家に申請書類の作成・申請取次を依頼する場合の報酬/国に納める申請手数料 | 専門家報酬 5〜15万円程度(国内の変更5〜10万円・海外の認定5〜15万円)/申請手数料は認定証明書交付申請が無料、変更・更新は許可時に窓口6,000円(オンライン5,500円) |
| ステップ6:入国・就労開始 | 住居の初期費用(住居確保を支援する場合)/海外採用では渡航費 | 住居は物件・地域による/渡航費 4〜10万円程度 |
初期費用の合計は、費目の組み合わせで幅がありますが、国内在住者の採用でおおむね30〜60万円程度、海外からの呼び寄せでは50〜100万円程度が、よくある構成での目安です(当サイトの整理=各費目の最小・最大の単純な合算ではありません。表の金額は、国に納める申請手数料〔公定額〕を除きいずれも市場の目安です)。費用の本体は、初期は専門家報酬・紹介手数料、就労開始後は月額の支援委託費の側で、申請手数料(額の根拠=出入国在留管理庁の手数料案内[18])の比重は小さいことがわかります(下のNoteの政令案どおり改定されれば、手数料の比重は上がります)。各費目の詳細と根拠、採用ルート別の総額モデルは特定技能の採用費用・相場で解説しています。
在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請の手数料は、2026年10月1日の施行が予定されている政令案で改定が見込まれています。出入国在留管理庁が2026年7月3日に意見公募資料として公表した「在留許可手数料の額について(案)」では、許可される在留期間の長さに応じて窓口10,000円〜75,000円(オンライン申請はこれと同額〜10,000円低い額)とする案が示されています。この政令はまだ公布されていませんので、申請前に出入国在留管理庁の案内で最新の額を確認してください(在留資格認定証明書交付申請はこの案の対象に含まれていません)。[19]
採用後に毎年かかり続ける維持費は特定技能の維持費・ランニングコストを、人材紹介手数料の料金体系は特定技能の人材紹介手数料の相場、費用負担を軽減できる外国人雇用の助成金・補助金もあわせてご覧ください。
まとめ
特定技能の採用は、①分野・要件の確認 → ②人材の確保 → ③雇用契約 → ④支援計画の策定 → ⑤在留資格の申請 → ⑥入国・就労開始という6ステップで進み、全体期間は国内在住者の採用でおおむね2〜4か月、海外から呼び寄せる場合で4〜8か月が目安です(当サイトの整理・実測の審査日数では国内も3か月前後〜が現実的)。着手は入社希望月の3〜4か月前(国内)・6〜8か月前(海外)から。全体を律速するのは入管の審査と試験の日程で、協議会への加入・書類準備・支援体制の決定は募集と並行して進められます(着手が遅れた前置き手続きは、そのまま全体を延ばします)。在留資格の申請書類の作成・申請取次は行政書士などの専門家の領域であり、支援計画の策定・支援の実施は登録支援機関に委託できます。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、受け入れ企業の要件は受け入れ要件で確認できます。費用・要件・支援機関まわりの細かな疑問はよくある質問(FAQ)にまとめています。
よくあるご質問
- 特定技能の採用にはどのくらいの期間がかかりますか?
- 在留資格手続きの標準処理期間は、国内在住者の採用(在留資格変更許可申請)で1か月〜2か月、海外からの呼び寄せ(在留資格認定証明書交付申請)で1か月〜3か月です。採用活動を含めた全体では、国内採用でおおむね2〜4か月、海外採用で4〜8か月程度が一つの目安です(標準処理期間は出入国在留管理庁の公表値、全体の目安は当サイトの整理)。なお実際の審査日数は標準処理期間の上限寄りで推移しているため、国内採用でも下限の2か月で収まるケースは出にくく、3か月前後からが現実的です。
- 採用のどの工程が一番時間がかかりますか?
- 在留資格の審査と、試験の日程です。出入国在留管理庁が毎月公表している実際の処理日数(特定技能1号・処分までの日数)は、令和7年4月許可分から令和8年5月許可分までの公表値でおおむね50〜70日台で推移しており(本文の表はこのうち6か月分を抜粋)、標準処理期間の下限で終わった月はありません。試験は、不合格だと同じ試験を45日間受け直せないため約1か月半の空白が生じます。一方で、分野別協議会への加入、登録支援機関の選定、会社側の書類準備、住居の下見・候補の絞り込みなどは候補者探しと並行して進められます。これらを直列に積み上げると全体が数か月単位で延びるため、並行できる工程は募集と同時に着手するのが実務のポイントです。
- 分野別協議会への加入はどのくらいかかりますか?
- 分野によって大きく異なります。たとえば農林水産省が所管する食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)は、必要書類の送付後、加入証の発行までに2〜3か月程度かかると案内しています。建設を除く16分野では在留諸申請の前に加入を済ませておくことが求められるため、加入手続きは候補者探しと並行して早めに着手する必要があります。所要期間は分野ごとの協議会・登録法人によって違うので、自社の分野の窓口で必ず確認してください。
- 国内採用と海外採用で手続きはどう違いますか?
- 国内在住者は在留資格の「変更」手続きで済むことが多く、比較的早く就労を開始できます。海外から呼び寄せる場合は在留資格認定証明書の交付申請に加え、在外公館での査証(ビザ)申請・渡航準備が必要で、期間・費用ともに大きくなる傾向があります。なお在留資格認定証明書は、2022年8月1日以降に作成されたものは作成日から3か月間有効です(出入国在留管理庁)。この期間内に査証の取得と入国を済ませる必要があります。
- 在留資格の申請書類は、企業や登録支援機関が作成・代行できますか?
- 在留資格の申請書類の作成や申請取次は、行政書士(や弁護士)など有資格者の領域です。登録支援機関の業務(支援計画の策定・各種支援の実施)には含まれません。書類作成・申請取次が必要な場合は、行政書士などの専門家と連携して進めます。当サイトも代行は行いません。
- 在留資格の審査は標準処理期間どおりに終わりますか?
- 長くなることを見込んでおくのが安全です。出入国在留管理庁が毎月公表している実際の処理日数(特定技能1号・処分までの日数)では、本記事で抜粋した令和7年4月〜令和8年5月の6か月分の公表値で、認定証明書交付が56.9〜73.5日、在留資格変更が60.4〜64.7日と、いずれも標準処理期間の下限(1か月)を大きく超えています。標準処理期間の下限ではなく上限+書類準備期間でスケジュールを組んでください。なお出入国在留管理庁は「例年、4月の就職時期に向けて、申請が増加するため、就労資格について、審査期間が長期化する傾向にあります」と注記しており、4月の就労開始を狙う申請はさらに前倒しするのが安全です(令和8年4月許可分以降の特定技能1号の値は外食業分野の申請を除いて算出・確認日2026年8月5日)。
- 分野別協議会には加入が必要ですか?いつまでに加入しますか?
- 特定技能で外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、受け入れる分野の協議会の構成員となることが受入れ可能な17分野すべてで義務づけられています。建設を除く16分野では在留資格の申請の前に加入を済ませておくことが求められ、令和6年6月15日以降は初めて受け入れる場合でも「協議会の構成員であることの証明書」など加入を示す書類の提出が必要です(一部の分野で認められていた「受入れ後4か月以内」の加入はそれ以前の旧ルールです)。建設分野・工業製品製造業分野では、分野所管省庁の登録を受けた法人(登録法人)への加入が求められます。建設分野では協議会の構成員となるのは登録法人で、企業は登録法人の構成員である建設業者団体に加入することで参画します(いずれの団体にも加入していない場合は、企業自身が登録法人の構成員となります)。
- 特定技能外国人の住居には広さの基準がありますか?
- あります。1号特定技能外国人の住居確保支援では、確保する居室の広さの目安として1人当たり7.5㎡以上(約4.5畳に相当)が運用要領で求められています(複数人で住む場合は居室全体を居住人数で割った面積で判断)。ただし、技能実習2号などから特定技能1号へ移行し、技能実習生として住んでいた社宅等に引き続き住む場合は、寝室が1人当たり4.5㎡以上あれば足りるとされています。住居の確保や銀行口座・携帯電話・ライフラインなど生活に必要な契約の支援は義務的支援に含まれ、登録支援機関に委託していればその実施を任せられます。
- 特定技能の外国人を雇用したら、ハローワークへの届出も必要ですか?
- 必要です。出入国在留管理庁への届出(受入れ機関としての定期届出・随時届出)とは別に、ハローワークへの「外国人雇用状況の届出」があります。これは特定技能に限らず外国人を雇用するすべての事業主に課された労働施策総合推進法に基づく義務で、雇い入れ時・離職時に氏名・在留資格・在留期間などを届け出ます。雇用保険の被保険者は資格取得届・資格喪失届と一体で、それ以外は所定の様式で提出し、怠ったり虚偽の届出をしたりすると30万円以下の罰金の対象になります。
出典・参考(一次情報)
- 在留カード等読取アプリケーション/在留カード等番号失効情報照会 サポートページ(出入国在留管理庁)
- 出入国審査・在留審査Q&A(Q65 留学生の資格外活動・Q67 雇用時の確認)(出入国在留管理庁)
- 在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン(出入国在留管理庁)
- 在留申請オンラインシステム よくある質問(利用申出・在留カード等の郵送受領)(出入国在留管理庁)
- 建設特定技能受入計画の認定申請(国土交通省)
- 在留資格変更許可申請(標準処理期間)(出入国在留管理庁)
- 在留資格認定証明書交付申請(標準処理期間)(出入国在留管理庁)
- 在留審査処理期間(日数)令和8年5月許可分(出入国在留管理庁)
- 在留審査処理期間(各月の公表値)(出入国在留管理庁)
- 在留カードとは?(許可時に交付=許可の要式行為・許可証としての性格)(出入国在留管理庁)
- 食品産業特定技能協議会(飲食料品製造業分野・外食業分野)(農林水産省)
- 特定技能制度に関するQ&A(分野別協議会)(出入国在留管理庁)
- 在留資格「特定技能」(提出書類一覧を含む)(出入国在留管理庁)
- 在留申請オンラインシステム 各種様式(一括申請用テンプレート=個別の申請として受理・審査期間の案内)(出入国在留管理庁)
- 在留資格認定証明書の有効期間に係る新たな取扱いについて(出入国在留管理庁)
- 1号特定技能外国人支援に関する運用要領(住居確保・生活契約の支援)(出入国在留管理庁)
- 「外国人雇用状況の届出」について(厚生労働省)
- 在留手続等に関する手数料(2025年4月1日改定)(出入国在留管理庁)
- 在留許可手数料の額について(案)(意見公募資料・令和8年〔2026年〕7月3日公表・施行予定 令和8年10月1日)(出入国在留管理庁)