特定技能の対象国は?二国間協力覚書17か国と国別手続き一覧
目次
「特定技能はどの国の人を採用できるのか」「ベトナムとインドネシアで、実務として何が違うのか」——この2つは、採用を決める前に確定させておかないと後戻りが発生する論点です。結論から言うと、国籍そのものの制限は原則ありません(例外は告示で除外された1か国のみ)。国によって違うのは、在留資格の要件ではなく送り出し国側の手続きと、自社の分野で試験が実施されているかどうかです。
この記事の要点
- 国籍の制限は原則ないが、例外が1つある — 上陸許可基準の本人側の要件により、法務大臣が告示で定める外国政府等が発行した旅券の所持が必要です。この告示が除外しているのはイラン・イスラム共和国のみです。
- 二国間協力覚書(MOC)の署名は受け入れの要件ではない — 署名国は17か国ですが、出入国在留管理庁は署名国でなくても受け入れできると明記しています。実際に中国は未署名のまま在留者数の上位に入っています。
- 国で違うのは送り出し国側の手続き — 出入国在留管理庁は、在留諸申請への影響という軸で署名国を3つのグループに整理しています。
- 国内在住者の採用でも、手続きは全部が消えるわけではない — カンボジアの登録証明書やフィリピンのMWO手続きは国内採用でも必要とされています。
本記事は一般的な情報提供です。対象国・送り出し国側の手続きは変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁の情報で必ず確認してください。送り出し国側の手続きの詳細は、各国の政府機関が定めるものです。
特定技能の対象国:国籍の制限は原則ないが、告示による例外が1つある
特定技能の在留資格に、「この国籍の人は対象、この国籍の人は対象外」という国別のリストはありません。採用できるかどうかは、本人が分野ごとの技能試験・日本語試験の要件を満たし、企業側が受け入れ要件を満たすかで決まります。
ただし、上陸許可基準(出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令)の本人側の要件に、国籍が関係する条項が1つあります。出入国在留管理庁の運用要領は、この要件を次のように説明しています。[1]
入管法における退去強制令書が発付されて送還されるべき外国人について、自国民の引取り義務を履行しない等、退去強制令書の円滑な執行に協力しない国・地域の外国人の受入れは認められません。
条文上は「退去強制令書の円滑な執行に協力するとして法務大臣が告示で定める外国政府又は地域の権限ある機関の発行した旅券を所持していること」という形になっています。ではその告示は何を定めているのか。平成31年法務省告示第85号は、対象を「イラン・イスラム共和国を除いた国の政府」と定めています。[2]
つまり、除外されている国は現時点でイラン1か国だけです(2026年8月6日確認)。告示は「特定の国を挙げて認める」列挙型ではなく「1か国を除く」除外型なので、トルコをはじめイラン以外の国は、この要件では除外されていません。この要件は特定技能1号・2号のどちらにも同じように置かれており、運用要領の【留意事項】でも協力しない国・地域として挙げられているのはイラン・イスラム共和国のみです。同要領はあわせて、この告示の対象外の国の人は国内での試験の受験資格も認められないとしています。
「特定技能に国籍の制限はない」と説明されることが多い論点ですが、実務上は上のとおり例外が1つあります。イラン国籍の候補者を検討している場合は、この点を最初に確認してください。
なお、本人側の要件は国籍に関するものだけではありません。上陸拒否事由に該当しないこと、退去強制歴がないことなど、国籍とは別の要件が複数あります。本人・企業双方の要件の全体像は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、申請時に必要な書類は特定技能の申請に必要な書類で整理しています。
在留資格の申請書類の作成や申請取次は行政書士などの専門家の領域です。個別の事案で要件を満たすかどうかの判断は、行政書士などの専門家と連携して進めてください。
二国間協力覚書(MOC)とは:署名17か国と、署名が要件ではない理由
二国間協力覚書(MOC)は、特定技能外国人の送出し・受入れを適正に行うために、日本と送出国との間で作成される政府間の文書です。出入国在留管理庁はその目的を「特定技能外国人の円滑かつ適正な送出し・受入れの確保等のため」と説明しており、悪質な仲介事業者の情報を相手国政府と共有し、対処を申し入れる枠組みとして図示しています。[3][4]
同庁が「署名状況(17か国)」として公表している国と署名日は次のとおりです。
特定技能の二国間協力覚書(MOC)署名国 17か国と署名日
2026年8月6日確認
| 署名日 | 国 |
|---|---|
| 2019年3月19日 | フィリピン |
| 2019年3月25日 | カンボジア |
| 2019年3月25日 | ネパール |
| 2019年3月28日 | ミャンマー |
| 2019年4月17日 | モンゴル |
| 2019年6月19日 | スリランカ |
| 2019年6月25日 | インドネシア |
| 2019年7月1日(文書交換) | ベトナム |
| 2019年8月27日 | バングラデシュ |
| 2019年12月17日 | ウズベキスタン |
| 2019年12月23日 | パキスタン |
| 2020年2月4日 | タイ |
| 2021年1月18日 | インド |
| 2022年5月26日 | マレーシア |
| 2022年7月28日 | ラオス |
| 2023年7月6日 | キルギス |
| 2024年8月8日 | タジキスタン |
出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」の二国間取決め『署名状況(17か国)』。和暦は西暦に換算。
⚠️ マレーシアの署名日について、JITCOは2022年5月27日と掲載しています。本記事は一次資料である出入国在留管理庁の「署名状況」に従い、2022年5月26日(令和4年5月26日)を採用しました。
覚書の一部は継続期間の更新が行われています。出入国在留管理庁のページによれば、ネパールとミャンマーは2024年4月1日から5年間、インドネシアは2026年6月25日から6か月間、それぞれ継続期間が更新済みです。ベトナムについては2024年3月25日に、覚書の別添1「特定技能外国人表」の様式変更が両国間で合意されています。[3]
覚書の署名は、受け入れの要件ではない
覚書を結んでいない国の人材は採用できない、という理解は誤りです。出入国在留管理庁は覚書のページ自体に、「MOCを作成した国でなければ、特定技能外国人の受入れができないものではありません」と注記しています。[3]同庁のQ&Aでも「二国間取決めを作成した国の国籍であることを受入れの要件としていないことから、これを作成していない国の外国人であっても受け入れることはできます」と回答されています。[5]
これは実績でも確かめられます。中国は覚書に署名していませんが、出入国在留管理庁の国籍・地域別の在留者数では22,105人で5位(2025年12月末時点・特定技能1号と2号の合計)に入っています。[4]覚書の有無と、実際に採用が進んでいるかどうかは別の話です。
覚書がない国から採用するときの実務
覚書がない国の人材は、制度上は採用できます。実務上の制約は別のところにあります。技能試験と日本語試験の海外実施国は覚書の署名国が中心で、中国はそこに含まれていません。[4]そのため中国籍の方の採用は、すでに日本に在留している方を採用し、国内試験の合格者を探す流れが中心になります。国内・海外の使い分けは国内採用と海外採用の違いで整理しています。自国に試験がない場合の経路は、後述の3つの経路で詳しく扱います。
送り出し国側の手続きは3つのグループに分かれる
送り出し国側の手続きは国ごとにばらばらに見えますが、出入国在留管理庁は在留諸申請への影響という軸で3つに整理しています。この分け方で見ると、自社の申請に直接効くのはどこかがはっきりします。[3]
グループ①:在留諸申請の際に独自の提出書類がある国(3か国)
カンボジア・タイ・ベトナムの3か国です。相手国が発行する書類を、在留資格認定証明書交付申請または在留資格変更許可申請の際に日本側へ提出します。書類が揃わなければ申請が進まないため、採用計画の早い段階で着手します。
- カンボジア — 登録証明書。2019年8月5日から運用されています。カンボジア労働職業訓練省(MoLVT)が発行し、発行に要する期間は2〜3営業日とされています。同省の発行手数料はありませんが、認定送出機関が事務手数料を求めるとのことです。[6]
- タイ — 駐日タイ王国大使館労働担当官事務所の認証を受けた雇用契約書。2020年7月27日から運用されています。⚠️ ここは2層に分けて読んでください。認証そのものは幅広く必要で、同庁のタイ手続解説では、海外から新規に受け入れる場合(送出機関を使う・使わないの両方)も、日本に在留する方を受け入れる場合も、認証を受ける必要があるとされています。一方、その認証済みの雇用契約書を入管へ添付する必要があるのは、技能実習2号または3号から特定技能1号への在留資格変更許可申請をする場合です。認証が要らないという意味ではありません。[7]
- ベトナム — 推薦者表(特定技能外国人表)。2021年2月15日から運用されています。海外から呼び寄せる認定証明書交付申請ではDOLAB(ベトナム内務省海外労働管理局)の承認、日本国内での変更許可申請では駐日ベトナム大使館の承認を、あらかじめ受ける必要があります。海外から新規に受け入れる場合は、その前段として受入機関と認定送出機関が「労働者提供契約」を締結し、認定送出機関を通じてDOLABへ承認申請を行い、DOLABの承認を得る必要があるとされています。[8]
ベトナムについては、2024年6月27日以降、日本に在留しているベトナム国籍の方からの在留資格変更許可申請の取扱いが変わっています。同庁によれば、推薦者表の提出が必要なのは「技能実習2号または3号の修了者(修了見込みを含む)」と「日本国内で少なくとも2年間の課程を修了した留学生(修了見込みを含む)」です。それ以外の方は推薦者表の提出が不要ですが、「留学」の在留資格でこの2つに当てはまらない場合は、現在の課程を修了または修了見込みであることを証明する書類(卒業証明書等)の提出が求められます。すでに特定技能で在留中の方の転職や在留期間更新では、推薦者表の提出は必要ありません。
グループ②:提出書類は不要だが、相手国側に送出手続が定められている国(9か国)
フィリピン・ネパール・インドネシア・ミャンマー・モンゴル・バングラデシュ・パキスタン・ラオス・キルギスの9か国です。これらは日本側の在留諸申請で証明書類を出す必要はありませんが、相手国の国内規定に基づく手続きを経ないと出国できない、といった形で採用の進行に影響します。出入国在留管理庁は「あくまで相手国側の送出しのための手続であって、日本側の在留諸申請上の手続ではありません」と位置づけたうえで、参考として各国の手続きを掲載しています。
この9か国のうち、ミャンマーは海外からの新規受け入れで送出機関の関与が前提とされています。同庁のミャンマー手続解説によれば、ミャンマー政府の認定を受けた現地の送出機関を通じた人材の紹介や雇用契約の締結が求められ、送出機関が求人を行う際は受入機関から提出された求人票をミャンマー労働・入国管理・人口省(MOLIP)に提出して許可・承認を得る必要があるとされています。[9]モンゴルのGOLWS(労働・社会保障省労働福祉サービス庁)は、同庁の解説で「モンゴル政府が認定する唯一の送出機関」と説明されており、受入機関または職業紹介事業者との双務契約の締結が求められます。[10]キルギスで認定送出機関を使う場合は、受入機関と認定送出機関との間で人材募集に係る契約を締結する流れです。[11]パキスタンは、特定技能で在留中の方が再入国許可制度を使って一時帰国した際にも、移民保護事務所で外国で労働するための登録が必要とされています。[12]
所要期間が公表されているものもあります。フィリピンのMWOでの審査は、書類に不備がなければ標準処理期間15営業日内とされています。[13]ネパールは健康診断・出国前オリエンテーション(2〜3日間)・海外労働保険と海外労働者社会福祉基金への加入・海外労働許可証の取得という一連の出国前手続きがあり、同庁の解説はこれらの所要日数を概ね10日間程度としています。[14]インドネシアの駐日大使館による検証手続きは費用が無料で3日程度[15]、バングラデシュは駐日大使館による要求書(Demand Letter)の認証が申請から交付まで約3営業日・費用は無料、本人が取得するエミグレーション・クリアランス・カードが申請から発行まで約2営業日とされています。[16]パキスタンの駐日大使館の承認は2日間程度です。[12]
グループ③:上の2つの節に記載がない国(5か国)
スリランカ・ウズベキスタン・インド・マレーシア・タジキスタンの5か国です。同庁は、記載がない国について「今後提出書類や送出手続等がある場合には、その内容が判明次第、本ホームページにて御案内いたします」としたうえで、現時点で当該手続が相手国で整備中であっても、記載がない限りは入管法令に従って在留諸申請を行うことができる(送出手続を行ったことを証明する書類を提出する必要はない)と明示しています。同庁のQ&Aにも同趣旨の回答があります。[5]
⚠️ ただし、この5か国のうちスリランカ・ウズベキスタン・インドについては、同じページの「各国における手続について」に手続の解説PDFとフローチャートが用意されています。たとえばスリランカは海外雇用局(SLBFE)へのオンラインの海外労働登録と2日間程度の出国前オリエンテーション、インドは任意のeMigrate登録、ウズベキスタンは日本側の手続きのみ、という案内です。同ページには各国の問い合わせ先一覧(Excel)も掲載されているので、採用したい国が決まったら該当国の解説PDFを開いてください。[3]マレーシアとタジキスタンは、各国別の解説自体がまだ掲載されていません。
つまり、覚書を署名した17か国のうち、送り出し国側の手続きが同庁ページで案内されているのは15か国です。
国内在住者の採用でも、国別の手続きは残る
すでに日本にいる人材を採用すれば送り出し国側の手続きが一律に不要になる、とは言えません。出入国在留管理庁の各国別の解説には、国内採用でも手続きが残る例が挙げられています。
- カンボジア — 日本に在留するカンボジア国籍の方と雇用契約を結ぶ場合、認定送出機関を通さず直接採用することは可能とされています。ただし登録証明書の発行申請は、直接採用した場合であっても認定送出機関を通じて行う必要があるとのことです。[6]
- フィリピン — MWOへの書類提出・審査とDMWへの使用者登録は、新規入国の場合と日本に在留する方を受け入れる場合の両方に共通の手続として案内されています。[13]
- タイ — 日本に在留するタイ国籍の方を受け入れる場合も、駐日タイ王国大使館労働担当官事務所での雇用契約書の認証が必要とされています。[7]入管への添付が要るのは技能実習2号・3号からの変更許可申請のときです。
- スリランカ — 送り出し国側の手続きは出国前ではなく変更後にあります。同庁の解説では、日本で「特定技能」への在留資格変更を行った方が、SLBFEに対してオンラインで海外労働登録を行うとされています。[17]
- インドネシア — 雇用契約書の原本を駐日インドネシア大使館へ提出して確認を受けるほか、雇用契約後にSISKOP2MIへ登録し、移住労働者証(E-PMI)を取得したうえで駐日大使館で海外労働者登録を行うとされています。[15]
- ベトナム — 推薦者表は国内の変更許可申請でも必要になる場合があります(技能実習2号・3号の修了者と、国内で2年以上の課程を修了した留学生の2類型。詳細はグループ①)。
- モンゴル — GOLWSへ雇用契約等の登録を行う必要があり、登録が完了すると証明書が交付されます。同庁の解説は、登録から証明書の交付までを概ね3営業日としています。[10]
- ラオス — ラオスの法令によれば、日本に在留するラオス国籍の方が「技能実習」から「特定技能」へ在留資格を変更する場合、一度ラオスに帰国する必要があるとのことです。
- ミャンマー — 雇用契約を締結した日本在留のミャンマー国籍の方は、在日本ミャンマー大使館でパスポートの(更新)申請を行う必要があるとのことです。[3]
- ネパール — 国内在住者を採用する場合、手続きは一時帰国時に発生します。再入国許可(みなし再入国許可を含む)で出国してネパールに一時帰国した際、雇用管理局から海外労働許可証を取得し、出国時に提示することが必要とされています(海外から新規に受け入れる場合の出国前手続き一式はグループ②のとおりです)。
なお、カンボジアとミャンマーは、国内在留者との雇用契約の締結自体は認定送出機関を通さず直接行えるとされています。[9]海外からの新規受け入れとの違いはここです。
国内採用か海外採用かで期間と費用の見通しは変わりますが、その差は国ごとに確認してください。ルート別の比較は国内採用と海外採用の違い、全体の流れは特定技能の採用の流れにあります。
インドネシアは2つのルートに分かれる
インドネシアは直接採用パターンとインドネシアの職業紹介事業者(P3MI)を利用するパターンの2つに分かれ、序盤の手続きが違います。[15]
- 直接採用パターン — インドネシア政府が管理する労働市場情報システム(IPKOL)への求人登録を、インドネシア側が強く希望しているとされています。登録や求人・求職に費用はかからないとのことです。
- P3MI利用パターン — 日本側の職業紹介事業者がP3MIと提携契約を結んだうえで、必要書類を駐日インドネシア大使館に提出して確認を受けます。この検証手続きは費用が無料で3日程度とされています。
- ⚠️ P3MIを利用する場合でも、申請人との面接は必ず受入機関が行う必要があるとされています。同庁の解説は、P3MIの同席は可能としつつ、P3MIが独自の基準で申請人をどの受入機関と面接させるかを選考したり、受入機関に申請人の情報を提供したりすることはできないと明記しています。
- 在留資格認定証明書の交付申請から先(SISKOP2MIへの登録、査証申請、E-PMIの取得)は両ルート共通です。ただしP3MI利用パターンでは、交付された認定証明書を日本の職業紹介事業者やP3MIを介して本人へ郵送することも可能とされています。
フィリピンは工数の読み方に注意
フィリピンは手続きの数が多く、企業側の動きが必要な場面が他国より多いため、個別に挙げておきます。[13]
- 募集取決め(Recruitment Agreement)の締結と公証 — 認定送出機関を通じた人材紹介が求められ、送出機関との間で募集取決めを締結します。この取決めは日本の公証役場での公証を経たものが求められるとされています。
- ⚠️ MWOでの英語の面接は代理できません — 受入機関の代表者または委任された従業員がMWOに赴き、労働担当官による英語での面接を受ける必要があるとされています。同庁の解説は、この面接をコンサルティング業者(行政書士を含む)や登録支援機関が代わって受けることは認められていないと明記しています(通訳の同席は妨げられていません)。手続きの代行で済ませられない工数として見込んでください。
- すでにDMWに登録済みなら一部は不要 — 受入機関が特定技能所属機関として既にDMWに登録されている場合、募集取決めの締結とDMWへの登録手続きは不要とされています。ただし例外が2つあり、①登録された雇用契約書から変更された契約条件で新たに受け入れる場合と②求人数を増やす必要がある場合は、求人・求職票の承認手続きが必要とされています(必要になるのはこの承認手続きだけで、募集取決めの締結まで戻るわけではありません)。
- 一時帰国にもOECが要ります — 在留資格変更が許可された後、特定技能の在留資格を保有したまま再入国許可(みなし再入国許可を含む)制度を利用してフィリピンに一時帰国する場合、DMWにOECの発行を申請・取得し、出国審査で提示する必要があるとされています。
- 在留資格認定証明書の3か月の有効期限と競合します — 同庁の解説は、フィリピンから新たに受け入れる場合の認定証明書の有効期限が交付日から3か月であることを挙げ、フィリピン側の手続きに必要と見込まれる期間も考慮して期限切れにならないよう注意を促しています。
国別の採用実務 早見表(覚書17か国)
採用したい国が決まったら、確認すべきは4点です。在留諸申請の際に独自の提出書類があるか、相手国側にどんな送出手続があるか、認定送出機関を通す必要があるか、そして日本にどれくらいの人が在留しているか。覚書17か国について、この4点を横に並べます。
表の読み方を先に4点示します。「送り出し国側の手続き」欄の丸数字は、上の3グループ(①在留諸申請で独自の提出書類がある/②提出書類は不要だが相手国側に送出手続がある/③その2つの節に記載がない)に対応します。「認定送出機関の利用」欄は出入国在留管理庁の案内に書かれている内容だけを反映しています。隣の認定送出機関数はJITCOの公表値で、出所が違うため列を分けています。[18]「公表の内訳外」は、同庁が国籍・地域別に人数を公表しているのが上位8か国(ベトナム・インドネシア・ミャンマー・フィリピン・中国・ネパール・カンボジア・タイ)までで、残りは「その他」8,795人にまとめられているためです。在留者数の列は特定技能1号と2号の合計で、1号だけの内訳・構成比・都道府県別は特定技能の統計データに掲載しています。
覚書17か国の採用実務(提出書類・送出手続・認定送出機関・在留者数)
手続き=2026年8月6日確認/在留者数=2025年12月末時点・速報値
| 国 | 在留諸申請で出す独自の書類 | 送り出し国側の手続き | 認定送出機関の利用(入管庁の案内) | 認定送出機関数(JITCO・2026年8月6日確認) | 在留者数(2025年12月末・1号+2号) |
|---|---|---|---|---|---|
| ベトナム | ①推薦者表(特定技能外国人表) | ①労働者提供契約のDOLAB承認と、DOLABまたは駐日大使館による推薦者表の承認 | 必須(労働者提供契約の締結) | 426 | 164,352人 |
| インドネシア | なし | ②直接採用ならIPKOLへの求人登録(インドネシア側が強く希望)/P3MI利用なら駐日大使館の検証。以降は共通でSISKOP2MI登録とE-PMI取得 | 任意(P3MIの利用は任意) | - | 86,955人 |
| ミャンマー | なし | ②求人票のMOLIPへの提出と許可・承認、本人は海外労働身分証明カード(OWIC)の申請 | 海外新規は認定送出機関を通じた紹介・雇用契約が求められる(国内在留者は直接可) | 382 | 44,523人 |
| フィリピン | なし | ②MWOへの書類提出・審査と英語面接、DMWへの使用者登録/本人はOEC取得 | 認定送出機関を通じた紹介が求められる | 338 | 35,862人 |
| ネパール | なし | ②健康診断・出国前オリエンテーション・保険と基金・海外労働許可証(概ね10日間程度) | 入管庁の案内に必須・任意の明記なし | - | 12,387人 |
| カンボジア | ①登録証明書 | ①登録証明書の取得(MoLVT・2〜3営業日) | 認定送出機関を通じた紹介が求められる(国内在留者との契約は直接可・証明書申請は送出機関経由) | 102 | 8,500人 |
| タイ | ①認証を受けた雇用契約書(入管への添付は技能実習2号・3号を修了した後の変更申請時) | ①駐日大使館労働担当官事務所での認証(新規・国内とも必要)と海外労働・出国許可 | 任意(使う場合は政府認定の機関) | 152 | 6,817人 |
| モンゴル | なし | ②GOLWSとの双務契約と候補者表からの選定/国内在留者はGOLWSへの雇用契約等の登録と証明書交付(概ね3営業日) | 必須(GOLWS=政府認定の唯一の送出機関を経由) | - | 公表の内訳外 |
| スリランカ | なし | ③海外労働登録(SLBFE・国内での変更後も必要)と出国前オリエンテーション | 任意 | - | 公表の内訳外 |
| バングラデシュ | なし | ②大使館への要求書の認証とBMETのカード取得(約2営業日) | 任意(使う場合は政府認定の機関) | 85 | 公表の内訳外 |
| ウズベキスタン | なし | ③相手国側の特有の手続きは案内されていない | 任意 | - | 公表の内訳外 |
| パキスタン | なし | ②大使館の承認(2日間程度)と移民保護事務所への登録(一時帰国時も必要) | 任意 | - | 公表の内訳外 |
| インド | なし | ③eMigrate登録(任意) | 任意 | - | 公表の内訳外 |
| マレーシア | なし | ③各国別の解説が未掲載 | 入管庁の案内に記載なし | 未発表 | 公表の内訳外 |
| ラオス | なし | ②認定送出機関経由で送出許可証を取得 | 必須(同国の認定送出機関を通す) | 26 | 公表の内訳外 |
| キルギス | なし | ②認定送出機関を使う場合は人材募集契約の締結と雇用センターへの登録 | 任意 | 5 | 公表の内訳外 |
| タジキスタン | なし | ③各国別の解説が未掲載 | 入管庁の案内に記載なし | - | 公表の内訳外 |
出典:提出書類・送出手続・認定送出機関の要否=出入国在留管理庁「特定技能に関する二国間の協力覚書/各国別の手続き」および同庁の各国別「手続の解説」。認定送出機関数=国際人材協力機構(JITCO)「送出し国・送出機関とは」の公表値。在留者数=出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」の国籍・地域別特定技能在留外国人数(令和7年12月末・特定技能1号と2号の合計)。
海外から採るなら、自社の分野で試験が実施されているかを先に見る
覚書を署名している国でも、自社の分野の技能試験がその国で実施されているとは限りません。出入国在留管理庁は分野ごとの試験実施国を公表しており、その数は分野によって大きく違います。[4]
技能試験の海外実施国(分野別・令和7年12月末時点)
2025年12月末時点・速報値
| 分野 | 海外実施国 | 国数 |
|---|---|---|
| 自動車運送業 | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン、マレーシア、ラオス | 14 |
| 介護 | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン | 13 |
| 建設 | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン | 13 |
| 農業 | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン | 13 |
| ビルクリーニング | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、ウズベキスタン、パキスタン、マレーシア、キルギス | 13 |
| 外食業 | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド | 9 |
| 宿泊 | フィリピン、インドネシア、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド | 8 |
| 工業製品製造業 | フィリピン、インドネシア、ネパール、ミャンマー、タイ、ベトナム、インド | 7 |
| 航空 | フィリピン、インドネシア、ネパール、モンゴル、スリランカ | 5 |
| 自動車整備 | フィリピン、インドネシア、ベトナム、スリランカ | 4 |
| 飲食料品製造業 | フィリピン、インドネシア、ミャンマー、ベトナム | 4 |
| 造船・舶用工業 | フィリピン | 1 |
| 漁業 | インドネシア | 1 |
| 木材産業 | インドネシア | 1 |
| 鉄道 | 海外実施なし(国内のみ) | 0 |
| 林業 | 海外実施なし(国内のみ) | 0 |
| 日本語基礎テスト(JFT-Basic) | フィリピン、カンボジア、インドネシア、ネパール、モンゴル、ミャンマー、タイ、ベトナム、スリランカ、インド、ウズベキスタン、バングラデシュ、パキスタン | 13 |
出典:出入国在留管理庁「外国人労働者に関する制度概要」の技能試験及び日本語試験の実施状況(令和7年12月末現在・速報値)。国名は同資料の記載順。いずれの分野も国内での実施があり、表は海外の実施国のみを示す。
上の表に載っているのは、この資料の時点で試験が実施されていた16分野です。2026年1月に追加されたリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野は、この資料には掲載されていません。受入れ可能な分野の全体像は特定技能の対象分野一覧が正です(分野数の見え方が資料によって違う理由も同ページで整理しています)。
自社の分野の行を見て、狙っている国が入っていなければ、海外での受験ルートはありません。
自国で実施されていない場合の2つの経路
自国に試験がなくても、行き止まりではありません。経路は2つあります。
- 近隣国で受験する — 出入国在留管理庁のQ&Aは、試験実施国以外の国籍を有する方が近隣国で実施される試験を受験することを妨げるものではない、としています。[5]国籍と受験地は一致していなくて構いません。
- 日本国内に在留している人を採用する — 留学生や技能実習修了者など、すでに在留資格を持って日本にいる人が国内試験を受けるルートです。運用要領は、国内試験を受験できるのは在留資格を持って日本に在留している外国人で、「短期滞在」の在留資格の人も含まれる(不法残留者などは含まれない)としています。[1]
⚠️ 2つ目のルートには注意点があります。運用要領は、在留資格変更が「原則として相当の理由があるとは認められない」と判断される具体例として「短期滞在」の在留資格を有する者を挙げています。[1]短期滞在で来日して受験すること自体はできても、その在留資格のまま特定技能へ変更できる前提では計画を組めません。一般的には、いったん出国したうえで在留資格認定証明書の交付を受けて入国する流れになります(この接続方法自体は運用要領に明記されているものではないため、個別の事案は専門家に確認してください)。
国を先に決めるより、自社の分野で試験がどこで実施されているかを先に見てから国を絞るほうが、実務では手戻りが少なくなります。分野ごとの試験の詳細は特定技能の試験、日本語要件は日本語試験の要件で解説しています。
どの国から来ているか(在留者数の傾向)
国籍・地域別の在留者数は、2025年12月末時点でベトナムが164,352人で最多、以下インドネシア86,955人、ミャンマー44,523人、フィリピン35,862人、中国22,105人と続きます(特定技能1号と2号の合計)。[4]
ただし、この順位は分野ごとに入れ替わります。全体の順位をそのまま自社の分野に当てはめると見誤るため、分野別・国籍別の内訳と、分野をクロスした集計は特定技能の統計データで確認してください。同ページには特定技能1号だけの構成比、都道府県別、半期ごとの推移も掲載しています。
どの国を選ぶか:4つの軸
自社に合う国は、「自社の分野で試験が実施されているか」「必要な手続きに使える時間があるか」の2点をまず満たす国に絞り、そのうえで人数と実習からの移行を見て決めます。
この記事の3つのデータ(試験実施の広さ・手続きの重さ・在留者数)を突き合わせると、条件別の目安はこう置けます。⚠️ どれも「候補になりやすい」までの目安で、実際の可否と期間は個別に確認してください。
- 母集団の大きさを優先するなら — 在留者数の多いベトナム・インドネシア・ミャンマー・フィリピンが候補になりやすい一方、この4か国はいずれもグループ①か②で、送り出し国側の手続きに時間がかかります。フィリピンはMWO審査だけで標準15営業日、ネパールは出国前手続き一式で概ね10日間程度です。
- 手続きの軽さを優先するなら — 相手国側の特有の手続きが案内されていないウズベキスタン、任意のeMigrate登録だけのインドが、17か国のなかでは軽い部類です。ただし在留者数は公表の内訳外の規模で、候補者の母集団は小さくなります。
- 国内在住者の採用が中心なら — 在留者数の多い国ほど候補は見つけやすくなります。ただしカンボジア・フィリピン・タイ・スリランカ・モンゴル・インドネシアのように、国内採用でも相手国側の手続きが残る国があります(スリランカは変更後のSLBFE登録が要るため「軽い国」ではありません)。
- 急いでいるなら — 国内在住者の採用に寄せるのが現実的です。ただし分野によっては海外実施国が1か国しかなく(造船・舶用工業=フィリピン、漁業と木材産業=インドネシア)、鉄道と林業は国内実施のみのため、その場合は国の選択肢自体がほぼありません。
具体的には次の4つの軸で絞り込みます。
- 業種で見る — 自社の分野で受け入れ実績の多い国から探すと、試験合格者や経験者を見つけやすくなります。分野別の試験実施国は上の表を、対象の業種は特定技能の対象分野一覧で確認できます。
- 採用ルートで見る — 海外から新規に呼び寄せるか、すでに日本にいる人材を採用するかで、必要な手続きと期間が変わります。ただし国内採用でも国別の手続きが残る場合があります(上の節を参照)。
- 人数・時期で見る — 早見表の認定送出機関数は、その国の送り出し体制の規模感を見る参考になります(JITCOの公表値です)。ただし機関数がそのまま採用のしやすさを示すものではないため、実際の進めやすさは個別に確認してください。
- 技能実習からの移行を見込むか — 自社や関連先で技能実習を受け入れている場合、同じ国からの移行を前提にすると試験免除で進むことがあります(制度の違いは特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
「どの国が優れているか」を一律に断定することはできません。また、送り出し国側の運用は相手国の政策や情勢によって変わることがあります。採用を検討する時点で、出入国在留管理庁の各国別ページと各国の問い合わせ先で最新の状況を確認してください。
費用・進め方は国によって大きくは変わらない
採用にかかる費用と全体の進め方は、国籍によって大きく変わるものではなく、共通の枠組みで考えられます。
- 費用 — 人材紹介手数料(人材紹介手数料の相場)、在留資格の申請費用、渡航費、登録支援機関への支援委託費が中心です。総額の考え方は特定技能の採用費用・相場で整理しています。
- 進め方 — 全体の流れは特定技能の採用の流れで解説しています。生活支援の体制づくりは登録支援機関の選び方を参考にしてください。
人材の紹介を受けるときは、職業安定法の観点にも注意が必要です。出入国在留管理庁は、受入機関だけでなく、受入機関が利用する職業紹介事業者や認定送出機関も職業安定法に抵触しないことが求められるとして、厚生労働省の資料を案内しています。[3]
同庁の各国別の解説は、この点をより具体的に書いています。パキスタン・キルギス・ラオスの解説には、求職者の人選を行う行為はあっせんに当たるため、これを行うには日本国内の職業紹介事業者の許可を得る必要があると明記されています。[12][11][19]認定送出機関の利用が必須のラオスのような国こそ、この点が効きます。[12][11]現地の送出機関や相手国の雇用センターが人選まで行う建て付けなら、その担い手が日本の許可を持っているかを確認してください。タイの解説には、日本企業が現地を訪れて直接求人活動を行うことはタイの法令上禁止されているとも書かれています。[7]相手国側の法令に反する採り方をしないことも、受入機関側の確認事項です。
在留資格の申請書類の作成や申請取次は行政書士などの専門家の領域です。必要に応じて行政書士などの専門家と連携して進めます。
まとめ
国を決める前に確認する順序は3つです。①国籍の制限は原則ないか(告示の除外はイラン1か国)、②その国の送り出し手続きにどれだけ時間がかかるか(早見表のグループと所要日数)、③自社の分野の技能試験がその国で実施されているか。覚書の署名国かどうかは、この3つのいずれでもありません。
国内在住者の採用でも手続きが全部消えるわけではない点と、分野によっては海外の実施国が1か国しかない点が、計画を狂わせやすい2つの落とし穴です。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、企業側の要件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件をご覧ください。
「自社の業種だと、どの国の人材が条件に合うか」「どのルートで採用を進めるべきか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています)。
よくあるご質問
- 特定技能の対象国はどこですか?国籍の制限はありますか?
- 特定技能に国籍そのものの制限は原則ありません。ただし上陸許可基準には、法務大臣が告示で定める外国政府等が発行した旅券を所持していること、という本人側の要件があります。この告示(平成31年法務省告示第85号)は「イラン・イスラム共和国を除いた国の政府」と定めているため、イラン国籍の方は事実上この要件を満たせません。それ以外の国籍であれば、分野ごとの試験・日本語要件と企業側の受け入れ要件を満たすかどうかで決まります。
- 二国間協力覚書(MOC)を結んでいる国はどこですか?
- 出入国在留管理庁が公表している署名国は17か国です。署名日の早い順に、フィリピン・カンボジア・ネパール・ミャンマー・モンゴル・スリランカ・インドネシア・ベトナム・バングラデシュ・ウズベキスタン・パキスタン・タイ・インド・マレーシア・ラオス・キルギス・タジキスタンです(2026年8月6日確認)。
- 覚書を結んでいない国からも特定技能で採用できますか?
- できます。出入国在留管理庁は、覚書を作成した国でなければ受け入れができないものではない、と同庁のページに明記しています。実際に中国は覚書を締結していませんが、国籍・地域別の在留者数では2025年12月末時点で5位に入っています。ただし中国は技能試験・日本語試験の海外実施国に含まれていないため、実務上は日本国内に在留している方を採用し、国内試験の合格者を探す流れが中心になります。
- 国によって採用の手続きはどう違いますか?
- 在留資格としての要件は分野ごとに定まり、国籍では変わりません。違うのは送り出し国側の手続きで、出入国在留管理庁の整理では3つに分かれます。カンボジア・タイ・ベトナムは在留諸申請の際に独自の提出書類があり、フィリピン・ネパール・インドネシアなど9か国は提出書類は不要でも相手国側の送出手続が定められています。残りの5か国は同庁の該当節に記載がなく、記載がない限りは入管法令に従って在留諸申請ができるとされています。
- 日本にすでに在留している人を採用すれば、送り出し国側の手続きは不要になりますか?
- 国によります。出入国在留管理庁の各国別の解説では、カンボジアは日本の受入機関が直接採用した場合でも認定送出機関を通じた登録証明書の申請が必要とされ、フィリピンのMWO・DMWへの手続きは新規入国と国内採用の両方に共通の手続きとされています。タイは日本に在留する方を受け入れる場合も駐日大使館労働担当官事務所での雇用契約書の認証が必要で、スリランカは在留資格変更の後にSLBFEへの海外労働登録が求められます。国内在住者の採用でも、国ごとに手続きが残る前提で確認してください。
- 認定送出機関は必ず使わなければいけませんか?
- 国によって異なります。出入国在留管理庁の資料では、ベトナムは認定送出機関との「労働者提供契約」の締結とDOLABの承認が求められ、ラオスは同国の認定送出機関を通じて受け入れる必要があるとされています。カンボジア・フィリピン・ミャンマーも認定送出機関を通じた人材の紹介や雇用契約の締結が求められ、モンゴルはGOLWSが同国政府の認定する唯一の送出機関とされています。ただしミャンマーとカンボジアは、日本に在留している方との雇用契約の締結自体は送出機関を通さず直接行えるとされています(カンボジアは登録証明書の申請だけ送出機関経由です)。一方でタイ・バングラデシュ・パキスタン・キルギス・スリランカ・ウズベキスタン・インドは利用が任意(使う場合は政府認定の機関に限る国あり)、インドネシアの職業紹介事業者(P3MI)の利用も任意とされています。
- 自国で特定技能の試験が実施されていない場合はどうなりますか?
- 近隣国での受験が可能です。出入国在留管理庁のQ&Aは、試験実施国以外の国籍を有する方が近隣国で実施される試験を受験することを妨げるものではない、としています。このほか、日本国内に在留資格を持って在留している方は国内試験を受験できます(「短期滞在」の在留資格の方も含まれます)。ただし「短期滞在」から「特定技能」への在留資格変更は、運用要領で原則として相当の理由が認められない例に挙げられています。
出典・参考(一次情報)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和7年4月)(出入国在留管理庁)
- 法務省告示第85号(平成31年4月1日/退去強制令書の円滑な執行に協力する外国政府等を定める件)(法務省)
- 特定技能に関する二国間の協力覚書/特定技能に関する各国別の手続き(出入国在留管理庁)
- 外国人労働者に関する制度概要(二国間取決めの署名状況・国籍地域別の在留者数・技能試験および日本語試験の実施国)(出入国在留管理庁)
- 特定技能制度に関するQ&A(出入国在留管理庁)
- カンボジア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- タイ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- ベトナム国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- ミャンマー国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- モンゴル国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- キルギス国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- パキスタン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- フィリピン国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- ネパール国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- インドネシア国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- バングラデシュ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- スリランカ国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)
- 在留資格「特定技能」送出し国・送出機関とは(認定送出機関数)(国際人材協力機構(JITCO))
- ラオス国籍の方々を特定技能外国人として受け入れるまでの手続の流れ(出入国在留管理庁)