特定技能の在留期間と更新|何年働ける?1号5年・2号は上限なし
目次
特定技能で外国人を採用するとき、長期の人員計画のために押さえておきたいのが「結局、何年働いてもらえるのか」です。結論を先に言うと、特定技能1号は通算で最長5年(原則)、特定技能2号は更新の上限がなく長期就労が可能です。そして企業の実務でつまずきやすいのが「通算5年」の数え方——転職してもリセットされない・失業中や一時帰国の期間も含まれる・技能実習の期間は含まれない、という点です。国内在住の人材を採用するなら、在留カードに書かれた在留期限ではなく、通算5年のうちどれだけ残っているかが実際に働いてもらえる期間になります。
この記事の要点
- 1号は通算で最長5年(原則) — 更新を重ねても、特定技能1号として在留できるのは通算5年までです(2号評価試験等に8割以上で不合格だった人には、要件を満たせば通算6年の特例があります)。転職しても通算はリセットされず、失業中・一時帰国の期間も原則として含まれます。
- 在留カードの在留期限は「残り期間」ではない — 出入国在留管理庁は、雇用契約期間や在留期限が残っていても、通算5年に達した時点で以後の在留は原則認められないとしています。転職者の採用では残りの通算を選考中に確かめます。
- 技能実習の期間は含まれない — 通算5年は特定技能1号の許可日から数えます。技能実習を経た人も、特定技能1号として改めて最長5年働けます。
- 産休・育休・傷病休業は通算から除ける(届出が前提) — 2025年9月30日の改正で新設された取扱いです。休業が起きた時点で「受入れ困難に係る届出」を出していないと、後から通算を戻せません。
- 2号は更新の上限なし — 特定技能2号は、要件を満たす限り在留期間の更新を繰り返せ、通算の上限がありません。5年超の長期就労は2号への移行が主な道筋です。
本記事は一般的な情報提供です。在留期間や更新の取扱いは入管法令・運用要領で定められ、改正されることがあります(本記事は出入国在留管理庁の運用要領〔令和8年4月〕と、通算在留期間の取扱いを変更した2025年9月30日改正を反映しています)。最新の内容は出入国在留管理庁の案内で必ず確認してください。在留期間更新の申請手続き・書類作成は行政書士などの専門家の領域です。
特定技能1号は通算で最長5年
特定技能1号は、在留期間の更新を重ねながら働く在留資格ですが、通算で在留できる期間は原則として最長5年と定められています。更新を続けても、特定技能1号としては5年を超えて在留することはできません(後述する特例を除く)。[1]
現行の運用要領(令和8年4月)が関係規定として掲げる上陸基準省令の基準は、特定技能1号で在留したことがある人について、在留した期間が「(妊娠、出産、育児その他のやむを得ない事情により業務に従事することができなかった期間を除く。)通算して5年(当該在留資格をもって5年を超えて在留することについて相当の理由があると認められる場合にあっては、6年)に達していないこと」というものです。[2]
この2つの括弧書きは、どちらも2025年9月30日の改正で新設されたものです。改正前の条文は「通算して5年に達していないこと」だけでした。[3]5年が原則で、6年は個別に相当の理由が認められた場合の例外です。人員計画は5年を前提に立ててください。なお運用要領は、この「その他のやむを得ない事情」に病気・けが(労災を含む)による休業が当たるとしており、後述する休業の除外はここに接続します。[2]
1回の許可で付与される在留期間は2025年9月30日に拡大された
同じ改正で、1回の在留許可で付与される在留期間の範囲が広がりました。出入国在留管理庁の運用要領の新旧を、在留期間の付与だけ取り出すと次のとおりです。[3]
| 1回の許可で付与される在留期間 | 2025年9月30日の改正前 | 改正後 |
|---|---|---|
| 特定技能1号 | 1年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間 | 3年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間 |
| 特定技能2号 | 3年・1年又は6か月 | 3年・2年・1年又は6か月 |
出典=出入国在留管理庁「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正(令和7年9月30日)。実際に何年が付与されるかは個々の状況によります。長い期間が付与されれば、その分だけ更新手続きの頻度を抑えられる可能性があります。ただし出入国在留管理庁は、特定技能1号について「通算在留期間によっては、希望する在留期間が付与されない場合があります」としています。[1]通算5年の残りが1年しかない人に、3年の在留期間は付与されないと考えられます。
採用の計画では、「1号で受け入れた人材は、最長でも5年で在留期間の上限を迎える」ことを前提に、5年のなかでどう戦力化し、その後どうするか(2号への移行・帰国・資格取得)まで見据えておくと、現場の引き継ぎや採用の補充計画が立てやすくなります。
通算5年はどう数えるか(企業実務の要点)
通算5年は、特定技能1号の許可日を起算点に、本人ごとに数えます。就労していない期間も含まれ、転職や会社の変更ではリセットされません。企業実務で効いてくる分岐は次のとおりです。
起算点は「特定技能1号」の許可日
出入国在留管理庁のQ&Aは、通算在留期間は「特定技能1号」の上陸許可や変更許可を受けた日から計算されると説明しています。[4]それより前の在留資格(技能実習・留学など)の期間は起算に影響しません。
転職しても通算はリセットされない
通算5年は受け入れ企業ごとではなく、外国人本人ごとに数えます。別の会社へ転職しても、前の職場で特定技能1号として在留した期間と合算され、通算がリセットされることはありません。国内在住の特定技能人材を採用するときに、自社で働いてもらえるのは残りの期間だけになる理由がここにあります(確かめ方は後述します)。
失業・離職中の期間も通算に含まれる
通算5年には、特定技能1号として就労していた期間だけでなく、次の期間も含まれます。出入国在留管理庁の運用要領が留意事項として挙げているものです。[2]
- 失業中の期間 — 離職して次の職場を探している間も、通算のカウントは進みます。
- 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請中の特例期間 — 申請の結果を待っている期間も通算に含まれます。転職に伴う変更申請の期間も同じです。
- 特定技能1号への移行準備のための「特定活動」で在留していた期間(特例措置) — 移行準備期間も通算に含まれます。
転職の間が空くほど、実際に働ける期間は短くなります。なお「特定活動」でも、新型コロナウイルス感染症の影響で受け入れ機関の経営が悪化した際に雇用を維持するため技能を身に付ける目的で認められた「特定活動」は、逆に通算に含まれません。[2]同じ在留資格名でも、移行準備のものとは扱いが分かれます。
一時帰国(出国期間)も原則含まれる
特定技能1号の在留資格を持ったまま、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けて一時帰国している期間も、通算5年に含まれるのが原則です。出入国在留管理庁のQ&Aも、特定技能1号の在留資格を有している限り、再入国許可を受けて出国中であっても通算に含まれるとしています。[4]長期の一時帰国を認める場合は、その分も5年のカウントが進むことを踏まえておきます。
例外は2つあります。1つは、再入国許可で出国したものの、新型コロナウイルス感染症の上陸拒否措置などのやむを得ない事情により再入国できなかった期間です。この期間は通算に含まれませんが、扱いを受けるには申立書(参考様式第1-28号)と疎明資料を添えた申請が必要です。[5]
もう1つは休業中の出国です。運用要領は、通算に含まれる再入国出国期間から「産前産後休業期間・育児休業期間及び病気・怪我による休業期間における出国期間を除く」と定めています。[2]産休・育休や療養で休んでいる間の一時帰国は、原則含まれる一時帰国とは扱いが分かれます。
なお、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けずに出国すると、在留資格そのものが失われます。出入国在留管理庁のQ&Aは通算に含まれる出国を「特定技能1号の在留資格を有している限り」と条件づけているため、在留資格を失った後の期間は特定技能1号として在留した期間には当たらないと読めます。[4]ただし、それまでに使った期間が消えるわけではありません。運用要領は通算について「過去に在留資格『特定技能1号』で在留していた期間も含まれます」と明記しています。[2]残り期間を残して帰国した人を、後日あらためて特定技能1号で受け入れる場合は、以前の在留期間と合算した残りが働いてもらえる期間になります(帰国中はカウントが止まる=繁閑に合わせて期間を分けて使う形も、制度の文言上は排除されていません)。
企業側の手当ても発生します。運用要領は、再入国許可を受けずに出国すること、または再入国許可を受けて出国したものの許可期限内に再入国しないことが判明した場合を、受入れ困難に係る届出の対象に挙げています(自己都合退職の場合を除く)。[2]一時帰国が予定どおりに終わらなかったと分かった時点で、後述の休業と同じく事由が生じた日から14日以内の届出が必要になります。
技能実習の期間は含まれない
通算5年は特定技能1号として在留した期間を数えるため、その前に技能実習で在留していた期間は含まれません。技能実習3年を修了して特定技能1号へ移行した人なら、両制度を通して8年になります(3号まで修了していればさらに長くなります)。技能実習を経た人も、特定技能1号として改めて最長5年働けます。技能実習の期間の数え方や制度の違いは特定技能・技能実習・育成就労の違いで整理しています。
ここまでの内容を整理すると、通算5年のカウントは次のように分かれます。[5]産休・育休・傷病休業を通算から除く扱いには企業側の届出が前提になるため、後の節で詳しく扱います。
転職者の採用では「残り何年働けるか」を選考中に確定させる
国内在住の特定技能人材を採用するとき、入社後に働いてもらえる期間は、通算5年から本人がすでに使った期間を引いた残りです。この残りは在留カードを見ても分かりません。選考の段階で本人に確認し、必要なら公的記録で裏を取ります(国内採用と海外採用の使い分けは特定技能は国内採用と海外採用どっち?で整理しています)。
在留カードの在留期限は「残り期間」ではない
在留カードに記載された在留期間の満了日は、今回の許可の期限であって、通算5年の到達日ではありません。
出入国在留管理庁の運用要領は、この点を次のように述べています。残余の特定技能雇用契約期間や在留期限にかかわらず、特定技能1号での通算在留期間が5年に達した時点で、以後の在留は原則認められない。[2]在留カードの満了日まで1年半あっても、その前に通算5年に達すれば、そこで特定技能1号としての在留は終わります。逆算すると、2号などへの在留資格変更か帰国の準備は、在留カードの満了日ではなく通算5年の到達日までに終えておく必要があります。
在留カードから読み取れるのは、表面の「在留資格」が特定技能1号か2号か、「在留期間(満了日)」がいつか、までです。裏面の「在留期間更新等許可申請欄」には、更新・変更を申請中であることが記載されます(オンライン申請の場合を除く)。[6]表面の在留期間が過ぎているように見えるときは、裏面も確認します。
在留期間更新許可申請書には「申請時における特定技能1号での通算在留期間(過去の在留歴を含む。)」を年月で書く欄があり、更新のたびに申告することになっています。[7]採用時に把握しておく数字は、入社後の更新申請でそのまま必要になります。
通算を公的記録で確かめる方法は本人の開示請求
出入国在留管理庁は、特定技能1号での通算在留期間を把握する方法として、申請人の出入国記録を用いて計算する方法を案内しています。開示請求の際は、請求書の余白に「通算在留期間の確認のため」と明記するよう求めています。[5]
この手続きの実務条件は次のとおりです。[8]
- 請求できるのは本人・法定代理人・任意代理人に限られる — 受け入れ企業が自社の判断で取り寄せることはできません。本人に案内し、本人が請求する形になります。
- 手数料は1件当たり300円分の収入印紙(消印はしない)。ほかに本人確認書類が必要です。
- 開示決定等は、法律により請求があった日から30日以内とされています。ただし実際の期間は案件ごとに異なり、出入国在留管理庁は請求が多数に上っていて時間がかかるとして、余裕を持った手続きを求めています。
この記録には限界があります。出入国在留管理庁は、出入国記録は出入国歴・付与された在留資格・許可年月日等を記載したものであり、通算在留期間の算定結果を記載したものではないと明記しています。さらに、地方出入国在留管理局の開示請求窓口や電話では、通算在留期間の算定を含む出入国記録の問い合わせを一切受け付けていない、としています。[5]開示された記録から通算を計算するのは、請求した本人の側の作業です。計算の結果が5年の境目に近いときは、行政書士などの専門家に相談する領域になります。
本人に依頼するときは3点を伝えます。目的(何年働けるかを確認するため。請求書の余白に「通算在留期間の確認のため」と書く)、返ってくるもの(記録であって残り年数の答えではない)、費用と期間(300円・30日以内)です。
採用選考で確認すること
在留カードの提示だけで終わらせず、次の項目を本人に確認しておくと、入社後に働いてもらえる期間を前提にした育成・配置の計画が立てられます。
- 特定技能1号として最初に許可を受けた日 — 上陸許可か在留資格変更許可を受けた日が通算の起算点です。
- これまでの受け入れ機関と在籍期間、離職していた期間 — 失業中の期間も通算に含まれるため、在籍期間の合計だけでは足りません。
- 一時帰国の有無と期間 — 再入国許可による出国期間も原則として通算に含まれます。
- 産前産後休業・育児休業・傷病休業の有無 — 通算から除ける可能性がありますが、後述のとおり前職での届出と、前職が持つタイムカード・出勤簿などの疎明資料が前提です。届出が出ているか、書類を受け取れるかを、本人経由で内定前に確認しておきます。後から取りに行くのは難しくなります。
- 在留カード表面の在留期間満了日と、裏面の申請中の記載 — 満了日は通算の残りとは別物です。
- 従事してきた業務区分 — 自社が受け入れたい業務区分と一致するかを確認します。政府基本方針は転職が認められる場合を「同一の業務区分内又は試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間」としており、受け入れ機関や分野を変更する場合は在留資格変更許可申請が必要です。[4]
在留歴の申告に不確かなところが残るなら、内定・入社の時期を決める前に、本人から出入国記録の開示請求を出してもらうのが確実です。開示決定等に30日以内という期間がかかるため、逆算して早めに着手します。
確かめた残り期間を、どの判断に使うか
残りが分かったら、3つの判断に落とします。第一に、受け入れの初期費用を回収できる期間か。紹介手数料・支援委託費・住居の準備は入社時に集中するため、残り1年と残り4年では同じ採用でも意味が変わります(費用の内訳は特定技能の維持費・ランニングコストを参照)。第二に、残り期間に更新が何回来るか。更新のたびに書類の準備と窓口対応が発生します。第三に、2号への移行を狙うなら、その準備が残り期間に収まるか。後述のとおり2号は試験等の合格が前提で、6年の特例も受け入れ機関側の指導体制を要件にしています。残り1年の人に2号移行を前提とした育成計画を立てても、時間が足りません。
就労を開始できるのは在留資格変更の許可が下りてから
受け入れ機関や分野が変わる転職では、在留資格変更許可申請が必要です。[4]申請中も後述の特例期間で在留は続きますが、そこで認められるのは「従前の活動」です。[6]自社での就労開始日は、許可が下りる時点を前提に見込みます。特定技能1号の在留資格変更許可申請にかかる日数は公表されており(後述)、内定から入社までのリードタイムは、この日数を見て置きます。
産休・育休・傷病休業は通算から除ける——ただし休業時の届出が前提
2025年9月30日の運用要領改正で、産前産後休業・育児休業・病気やけがによる休業の期間を、通算5年に含めない取扱いが設けられました。ただしこの取扱いは自動では適用されません。休業が起きた時点での届出と、通算5年の満了前の申請の2つが揃って初めて認められます。
この扱いは新しいものです。2025年9月30日より前の運用要領は、産前産後休暇・育児休暇等による休暇期間と労災による休暇期間を、通算に「含まれる」側に挙げていました。[3]それ以前に書かれた解説では、休業期間も通算に含まれると説明されていることがあります。
除外の対象になる休業
出入国在留管理庁が示す対象は次のとおりです。[5]
- 産前産後休業・育児休業の期間 — 労働基準法に基づく産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)・産後8週間の休業と、育児・介護休業法に基づく育児休業期間(子が1歳に達するまで。保育所などに入所できない場合に限り1歳6か月まで、再延長で2歳まで)のうち、1号特定技能外国人としての活動が行えない期間。
- 病気・けが(労災を含む)による休業期間 — 原則1年以下(労災に起因する休業の場合は3年以下)で、連続した1か月を超える休業が対象。体調不良で数日間自宅療養する場合や、断続的な通院で業務が行えない場合は対象外です。
取り損なう典型は「休業時の届出漏れ」
出入国在留管理庁の運用要領は、これらの休業期間を通算に含めない取扱いを受けるためには、休業の原因となった事由が発生した際に遅滞なく「受入れ困難に係る届出」を行っていることが必要である、と留意事項に明記しています。[2]
届出の期限は、事由が生じた日から14日以内です。出入国在留管理庁電子届出システムを利用するか、機関の住所を管轄する地方出入国在留管理局へ書類を提出します。運用要領は、受入れ困難の事由発生日の例として「特定技能外国人が雇用後に1か月以上活動ができない事情(産前産後休業、育児休業、病気・けが(労災を含む)による休業等)が生じた場合」を挙げています。提出するのは受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)で、届出事由が1か月以上の活動未実施である場合は1か月以上の活動未実施期間が生じた際の状況説明書(参考様式第5-14号)を添付します。[2]
休業の届出は、それ自体は受け入れ機関の義務として淡々と処理される事務です。しかし届出を怠ると、数か月後・数年後に、本人が通算5年を延ばす機会そのものを失います。産休・育休で1年近く休んだ人が、その1年を取り戻せないまま5年を迎える、という形で表に出ます。休業が1か月を超えそうだと分かった時点で、14日以内の届出を実施し、記録を残しておくのが実務の要点です。受け入れ機関の届出義務の全体像は特定技能で外国人を受け入れる企業の要件で整理しています。
除外を受けるための申請と疎明資料
届出を済ませたうえで、5年の通算在留期間が満了する前(概ね3か月前)に、疎明資料を添えて在留諸申請(在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請のいずれか)を行います。疎明資料から休業期間が確認でき、その在留を適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可される、という建て付けです。[5]
⚠️ ここでいう「概ね3か月前」は、通算5年が満了する日を基準にした期限です。後述する更新の受付開始(「概ね3か月前から」)は在留期間の満了日が基準で、別の時計が動いています。休業の除外・6年の特例・再入国できなかった期間の除外は、いずれも通算5年の側の時計で期限を数えます。
出入国在留管理庁が挙げる疎明資料は、休業の種類で異なります。産前産後休業・育児休業では、休業期間に関する申立書(参考様式第1-30号)、母子健康手帳の写し、休業を取得したことを疎明する資料、休業期間中のタイムカードまたは出勤簿の写し。病気・けがによる休業では、同じ申立書に加えて、医師の診断書や治療・入院の事実を証明する資料、労災の場合は労災保険の支給決定通知書の写し、休業期間中のタイムカードまたは出勤簿の写し、給与明細書の写しなどです。[5]産前産後休業に引き続いて育児休業に入った場合は、通算5年を満了する時期に両方の書類を合わせて提出して申請します。[2]
タイムカード・出勤簿・給与明細は、いずれも企業側にしかない書類です。休業から数年後に必要になることを見越して、該当する従業員の休業記録は保管しておきます。
除外の要件・疎明資料の範囲は運用要領の改正で変わります。使う前に出入国在留管理庁の最新の案内で確認してください。
特定技能2号は更新の上限がない
特定技能2号は、要件を満たす限り在留期間の更新を何度でも繰り返せ、通算在留期間の上限がありません。1号のような5年の壁がないため、実質的に長期の就労が可能です。
在留期間の軸だけで1号と2号を並べると、違いは次のようになります。
| 在留期間の論点 | 特定技能1号 | 特定技能2号 |
|---|---|---|
| 1回の許可で付与される在留期間 | 3年を超えない範囲内で法務大臣が個々に指定する期間 | 3年・2年・1年又は6か月 |
| 更新の上限 | 通算5年(原則)の範囲内 | 回数の上限なし |
| 通算在留期間の上限 | 原則5年(要件を満たす場合は6年の特例あり) | 上限なし |
| 家族の帯同 | 原則として認められない | 配偶者・子の帯同が認められる |
| 永住ガイドラインの「就労資格で5年以上」への算入 | 算入されない(除外が明記) | 除外に挙げられていない |
出典=出入国在留管理庁「在留資格『特定技能』」(在留期間)[1]・同「特定技能外国人受入れに関する運用要領」令和8年4月(通算の上限・家族の帯同)[2]・同「永住許可に関するガイドライン」令和8年2月24日改訂(就労資格5年への算入)[9]。業務範囲・試験・対象分野の違いは別記事で解説しています。
長期の戦力として定着してもらいたい場合、2号への移行は有力な選択肢になります。家族帯同の可否・例外・家族の就労は特定技能で家族の帯同はできる?で詳しく解説しています。
もっとも、5年で足りるのか、2号まで見据えた採用にするのかは、自社の分野と採用ルートによって変わります。
特定技能1号の5年後——企業が取れる3つの選択肢
1号の通算5年が近づいたとき、企業と本人が取れる選択肢は大きく3つです。いずれも5年の満了直前では間に合わないため、逆算して準備します。
- 特定技能2号へ移行する — 2号の対象分野では、熟練した技能を確認する試験等に合格することで2号へ移行できます。出入国在留管理庁のQ&Aも、1号を経れば自動的に2号へ移行できるわけではないと明記しています。[4]移行できれば通算の上限から外れます。特定技能2号には通算在留期間の上限がないためです。[5]2号の対象分野(対象外の分野もあります)・移行の要件・試験は特定技能1号・2号の違いと2号でできることをご覧ください(対象分野は制度改正で変わるため、最新は出入国在留管理庁の運用方針で確認してください)。
- 他の在留資格へ移行する — 介護分野には2号がないため、介護福祉士の資格を取得して在留資格「介護」へ移行する道筋になります。国家試験の受験資格には実務経験などの年数がかかるため、5年の早い段階から準備を始めないと間に合いません(介護の詳細は特定技能 介護の受け入れ)。それ以外にも、本人の学歴・職務内容によっては別の就労系在留資格への変更が検討されることがありますが、要件は特定技能とはまったく別で個別性が高いため、行政書士などの専門家に相談する領域です。
- 帰国する — 移行の道筋がない場合は、5年の満了で帰国となります。その前提で、業務の引き継ぎと採用の補充を計画的に進めます。なお、前掲の上陸基準省令が「通算して5年に達していないこと」を基準としている以上、通算5年を使い切った人を、いったん帰国させたうえで後日ふたたび特定技能1号として受け入れることは原則できないと考えられます(6年の特例に当たる場合を除く)。「また呼び戻せばよい」という前提で計画を立てないでください(残り期間を残して帰国した場合の再受け入れは一時帰国の節のとおりです)。また、通算5年に達した後に出国準備のための在留が当然に認められるという公式の案内は確認できないため、在留期限と通算の到達日までに、就労の終了と帰国の段取りを終えられるよう逆算しておきます。
6年の特例は「8割以上を取ったのに不合格」の場合の救済
2025年9月30日の改正で、特定技能2号評価試験等に不合格となった1号特定技能外国人のうち一定の要件を満たす人について、通算在留期間が6年となる取扱いが設けられました。出入国在留管理庁の運用要領が示す要件は次のとおりです。[2]
- 分野別運用方針に定める2号への移行に必要なすべての試験等について、合格基準点の8割以上の得点を取得していること(どの試験等が対象かは分野ごとに決まっています=後掲の表)。
- 本人が、合格に向けて精励し受験すること、合格したら速やかに「特定技能2号」または「介護」への在留資格変更許可申請を行うこと、合格できなかった場合は速やかに帰国することを誓約していること。
- 在留諸申請の時点で出国している場合は、出国日から1年以内に本邦に入国すること。
- 受け入れ機関(特定技能所属機関)が、引き続き雇用する意思と、合格に向けた指導・研修・支援等を行う体制を有すること。
延びるのは特定技能1号としての在留期間で、許可されるのは最長1年間です。[2]1号のまま在留が続くため、2号に移行したときの扱い(家族の帯同など)にはなりません。使うには、通算5年の満了前(概ね3か月前)に、通算在留期間を超える在留に関する申立書(参考様式第1-31号)と試験結果通知書の写しを添えて申請します。[5]
介護分野もこの特例の対象です。 現行の運用要領は「特定技能2号評価試験等」の定義に介護福祉士国家試験を含めており、誓約の内容も「特定技能2号」または「介護」への変更申請と書かれています。[2]介護分野には2号がありませんが、介護福祉士国家試験で8割以上の得点を取りながら不合格だった人は、在留資格「介護」への移行を目指して最長1年の延長を受けられる建て付けです。ただし疎明資料として、厚生労働省社会・援護局長が発行する「パート合格(合格パートの受験免除)による介護分野で本邦に在留する1号特定技能外国人の通算在留期間の延長に係る結果確認通知書」が指定されています。[5]次の表の1行目がこの分野です。
出入国在留管理庁は、分野ごとの対象を「(1)の全ての試験・検定」または「(2)の検定」のいずれかで8割以上、という形で示しています。(1)に2つ挙がっている分野は、その両方で8割以上が必要です。対象・対象外は分野ではなく試験・検定の単位で決まっており、8割以上の得点を証明できる結果通知書の発行時期も試験ごとに異なります。同庁が自動車整備士技能検定2級と航空従事者技能証明について現在のところ6年の対象になる予定はないとしているのも、自動車整備分野・航空分野の2号評価試験そのものを対象外としたものではありません。
| 分野 | (1) 次のすべてで8割以上 | (2) または次の検定で8割以上 |
|---|---|---|
| 介護 | 介護福祉士国家試験 | — |
| ビルクリーニング | 分野別の2号評価試験(結果通知書の発行日が2025年7月31日以降) | 技能検定1級(発行日が2026年3月31日以降) |
| 工業製品製造業 | 製造分野の2号評価試験(受験日が2025年11月3日以前は再発行分)およびビジネス・キャリア検定3級(生産管理プランニングまたは生産管理オペレーション) | 技能検定1級(機械保全のみ対象・他の職種は検討中) |
| 建設 | 分野別の2号評価試験(受験日が2025年12月1日以降) | 技能検定1級(検討中) |
| 造船・舶用工業 | 分野別の2号試験(受験日が2026年4月以降) | 技能検定1級(検討中) |
| 自動車整備 | 分野別の2号評価試験(発行日が2026年1月以降、または受験日が2026年4月以降) | 自動車整備士技能検定2級(対象外) |
| 航空 | 分野別の2号評価試験(空港グランドハンドリングのみ対象・発行日が2025年12月14日以降。航空機整備は現在対象外) | 航空従事者技能証明(対象外) |
| 宿泊 | 分野別の2号評価試験(発行日が2026年4月30日以降) | — |
| 農業 | 2号農業技能測定試験(受験日が2025年6月以前は再発行分) | — |
| 漁業 | 2号漁業技能測定試験(受験日が2025年8月7日以降)および日本語能力試験N3以上 | — |
| 飲食料品製造業 | 分野別の2号技能測定試験(発行日が2025年6月30日以降) | — |
| 外食業 | 分野別の2号技能測定試験(発行日が2025年6月30日以降)および日本語能力試験N3以上 | — |
出典=出入国在留管理庁「通算在留期間」(2026年8月5日時点)。[5]同庁は「試験実施機関の準備が整い次第随時公表する」としており、対象は増えます。なお、ビルクリーニングと機械保全以外の技能検定1級については、8割以上の得点を証明する書類の発行対応が受験地の都道府県ごとに異なるとされています。自社の分野・業務区分で実際に使えるかは、申請前に同庁の案内で確認してください。
永住を見据えるなら:1号の5年は「就労資格5年」に算入されない
長期定着を人材本人と話す場面では、永住許可との関係が論点になります。出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)は、原則として引き続き10年以上日本に在留していることを求めたうえで、「この期間のうち、就労資格(在留資格『技能実習』及び『特定技能1号』を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する」としています。[9]
特定技能1号での在留は、この5年のカウントから明示的に除かれています。特定技能2号は除外に挙げられていません。1号で5年働いたあと2号へ移行した人にとって、永住の要件で意味を持つのは移行後の期間になる、という整理です。
年数のほかに、在留期間の長さ自体も要件に入っています。同ガイドラインは「現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること」を挙げたうえで、注記で「令和9年3月31日までの間、在留期間『3年』を有する場合は…『最長の在留期間をもって在留している』ものとして取り扱う」という経過措置を置いています。[9]ただし永住許可は素行・生計・公的義務の履行などを含む個別の判断であり、年数だけで決まるものではありません。
更新はいつ動き出すか——特例期間と審査日数から逆算する
更新の準備は、在留期間の満了の3〜4か月前から動き出すのが目安です。受付は在留期間が6か月以上の人で満了の概ね3か月前から始まり、特定技能1号の更新は申請から許可の受け取りまで公表値で1か月半ほどかかっているためです。逆算に効くのは、①受付が始まる時期、②実際にかかる日数、③申請中に在留期限が来たときの扱い、の3つです。
受付が始まる時期は在留期間の長さで変わる
出入国在留管理庁の案内は、申請期間を在留期間の満了する日以前とし、そのうえで「6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する概ね3か月前から」という条件を付けています。[10]
文言どおりに読むと、「概ね3か月前から」という始期の制限がかかるのは在留期間が6か月以上の人で、6か月未満の在留期間が付与されている人には「満了する日以前」という原則だけが残ることになります。ただし実際に何か月前から受け付けられるかは案内に書かれていないため、申請先(住居地を管轄する地方出入国在留管理官署)に確認するのが確実です。入院・長期の出張など特別な事情が認められる場合は3か月以上前から受け付けられることもあり、この場合も事前の問い合わせが必要です。
審査にかかる実日数は公表されている
出入国在留管理庁は在留審査処理期間を月ごとに公表しています。令和8年5月許可分の特定技能に関する日数は次のとおりです。[11]
| 手続(特定技能1号・令和8年5月許可分) | 審査終了までの日数 | 処分(許可の告知)までの日数 |
|---|---|---|
| 在留期間更新許可申請 | 32.6日 | 45.8日 |
| 在留資格変更許可申請(転職などで所属機関が変わるとき) | 44.9日 | 64.7日 |
出典=出入国在留管理庁「在留審査処理期間」令和8年5月許可分。変更許可申請の数値は、外食業分野の受入れ上限に関する措置を受けて同分野の申請を除外して算出されたもの。
同庁の注記によれば、この日数は申請の受理から許可に至るまでの期間で、追加資料の提出を求めた場合は、その資料が提出されるまでの日数が含まれます(不許可・申請取下げは含まれません)。また、更新・変更の処分日は許可の告知時=入管の窓口へ受け取りに行く日であるため、「処分までの日数」には審査終了から実際に受け取るまでの期間が入っています。
同じ出入国在留管理庁の案内では、在留期間更新許可申請の標準処理期間は「2週間〜1か月」と示されています。[10]目安として示された期間と実際の処理日数の公表値には開きがあるため、公表されている実日数のほうで逆算するのが安全です。加えて同庁は、例年4月の就職時期に向けて申請が増加するため、就労資格の審査期間が長期化する傾向にあると注記しています。[11]
満了日を過ぎても就労できる「特例期間」
在留期限までに申請を済ませていれば、審査中に在留期限が来ても就労は止まりません。出入国在留管理庁は、在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請を行った場合に処分が在留期間の満了日までになされないとき、「当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から二月が経過する日が終了する時のいずれか早い時までの間は、引き続き従前の在留資格をもって我が国に在留でき、従前の活動を行うことができます」としています。[6]従前の活動を行えるため、この間も従来どおり働いてもらえます。これは在留期間の満了日までに申請を行っていた場合の説明で、上限は満了後2か月です。申請中かどうかは、前述のとおり在留カード裏面で確認できます。
「処分がされる時」までなので、不許可の処分がされればその時点で特例期間は終わります。以後は就労させられません。不許可となった後の在留の取扱いは個別の事情によるため、その時点で管轄の官署に確認してください。
在留期限の管理は、意図しない不法就労を防ぐための基本でもあります。外国人に不法就労活動をさせた場合の不法就労助長罪は、現行の法定刑が3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です。育成就労制度を創設する改正法により、これを5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金へ引き上げることが決まっています(同改正法は公布の日から原則3年以内に施行)。[12]
逆算のスケジュール
更新の準備は次の順で進めます。
在留期限と通算5年の到達日を別々に一覧化する
複数人を受け入れているなら、人ごとに3点を台帳で持ちます。①在留カードの在留期間満了日 ②特定技能1号の最初の許可日(=通算の起算日)と、そこから数えた通算5年の到達日 ③1か月を超える休業と、その届出を出した日。①と②は一致しません。③は数年後に通算の除外を申請するときの根拠になります。
満了の3〜4か月前に書類の準備を始める
本人の住民税・年金・健康保険の納付書類は、市区町村や年金事務所で取得する時間がかかります。追加資料を求められた場合、その提出までの日数も審査日数に含まれます。
受付開始とともに申請する
在留期間が6か月以上なら満了の概ね3か月前から。6か月未満の人は前述のとおり管轄の官署に事前確認します。
審査中に在留期限が来ても、特例期間の範囲で就労を継続する
処分がされる時か、満了日から2か月が経過する日のいずれか早い時まで、従前の活動を行えます。申請済みであることを在留カード裏面で確認しておきます。
許可の受け取り日を業務予定に入れる
更新・変更の処分は窓口での告知です。審査終了から受け取りまでの日程が、公表値の「処分までの日数」に含まれています。
更新は当然には認められない
更新は、要件(雇用契約の適切な履行、税・社会保険の納付など)を満たしていることが前提です。要件を満たさない場合、希望する在留期間が認められないことがあります。
企業側も書類の準備に関わります。出入国在留管理庁の提出書類一覧では、在留期間更新許可申請について所属機関に関する書類(第2表)は不要と明記されていますが、[1]雇用契約書・雇用条件書の写しの用意や、申請人本人の住民税・年金・健康保険の納付書類の段取りは企業側の関与なしに進みません。必要書類の全体像は特定技能の申請に必要な書類一覧で整理しています。更新には手数料もかかります(金額や毎年かかる費用の全体像は特定技能の維持費・ランニングコストを参照)。
在留期間更新の申請取次・申請書類の有償作成は、行政書士(や弁護士)などの専門家の領域です。登録支援機関に更新手続きを任せられる、と読める説明を見かけることがありますが、これは誤解です。登録支援機関の業務は支援計画の策定と支援の実施であって、申請取次・書類作成は含まれません。必要に応じて行政書士などの専門家と連携して進めます。自社の職員が更新申請を出しに行くには、あらかじめ地方出入国在留管理局長から申請等取次者としての承認を受けている必要があります(会社の誰が出しに行けるのか)。
まとめ
特定技能で働ける期間は、1号が通算で原則最長5年、2号は更新の上限がなく長期就労が可能です。通算5年は特定技能1号の許可日から数え、転職してもリセットされず、失業中や一時帰国の期間も含まれます(技能実習の期間は含まれません)。転職者を採用するなら、在留カードの満了日ではなく通算5年の残りを選考中に確かめます(出入国在留管理庁は確認手段として本人による出入国記録の開示請求を案内しています)。産休・育休・傷病休業を通算から除く取扱いは、休業の事由が起きた際に遅滞なく受入れ困難に係る届出を出していること(届出自体の期限は事由発生から14日以内)が前提です。5年を超えて働いてもらうには、2号への移行(試験等での技能確認が必要)が主な道筋で、2号のない介護分野は在留資格「介護」への移行になります。更新は、公表されている審査の実日数と、満了後最長2か月の特例期間から逆算して動き出します。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、1号・2号の違いは特定技能1号・2号の違いと2号でできること、採用の流れは特定技能の採用の流れをご覧ください。
「自社の分野で2号への移行ができるか」「5年を見据えてどう採用計画を立てるか」を相談したい場合は、条件に合う登録支援機関・人材紹介会社を無料でご紹介します(提携先のサービスをご紹介しています。申請書類の作成が必要な場合は行政書士などの専門家と連携します)。
よくあるご質問
- 特定技能1号は何年働けますか?
- 在留期間の更新を重ねて、通算で最長5年です(原則)。通算5年は『特定技能1号』の在留を許可された日から数えるため、その前の技能実習などの期間は含まれず、技能実習を経た人も特定技能1号として改めて最長5年働けます。
- 特定技能2号に在留期間の上限はありますか?
- ありません。特定技能2号は在留期間(3年・2年・1年・6か月のいずれか)の更新を、要件を満たす限り繰り返すことができ、通算の上限はありません。実質的に長期の就労が可能で、配偶者・子の家族帯同も認められます。
- 特定技能外国人が転職すると、通算5年はリセットされますか?
- リセットされません。通算5年は受け入れ企業ごとではなく本人ごとに数えるため、転職しても前の職場で特定技能1号として在留した期間と合算されます。失業中の期間や、転職に伴う在留資格変更許可申請中の特例期間も通算に含まれます。転職者(国内在住の特定技能人材)を採用する場合は、入社後に働いてもらえる残り期間を把握しておくことが重要です。
- 転職者の「残りの在留期間」はどうやって確認できますか?
- 在留カードの在留期間(満了日)は今回の許可の期限であって、通算5年の残りではありません。出入国在留管理庁は、通算在留期間を把握する方法として本人の出入国記録を用いて計算する方法を案内しています。開示請求ができるのは本人・法定代理人・任意代理人に限られ、手数料は1件当たり300円分の収入印紙、開示決定等は法律上、請求があった日から30日以内とされています。開示されるのは出入国歴・在留資格・許可年月日などで、通算の算定結果そのものではありません。採用選考では、特定技能1号の最初の許可日・これまでの在籍先と期間・休業や離職の有無を本人に確認したうえで、必要なら開示請求を案内します。
- 在留期限までに更新の許可が下りない場合、働いてもらえますか?
- 在留期間更新許可申請または在留資格変更許可申請を在留期限までに行っていれば、出入国在留管理庁のいう「特例期間」により、処分がされる時か在留期間の満了日から2か月が経過する日のいずれか早い時までは、引き続き従前の在留資格で在留でき、従前の活動を行うことができます。申請中であることは在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に記載されます(オンライン申請の場合を除く)。期限までに申請していない場合はこの扱いを受けられないため、在留期限の管理が前提です。
- 在留期間の更新はいつから申請できますか?
- 出入国在留管理庁の案内では、在留期間の満了する日以前とされ、『6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する概ね3か月前から』という条件が付いています。この始期の制限は在留期間が6か月以上の人にかかるもので、6か月未満の場合の受付運用は管轄の官署に確認するのが確実です。申請先は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署です。審査には時間がかかり、書類の不備があるとさらに延びるため、期限に余裕を持って準備します。なお、申請書類の有償作成・申請取次は行政書士などの専門家の領域です。
- 特定技能1号は家族を帯同できますか?
- 原則として認められません。家族の帯同が認められるのは特定技能2号です(在留資格『家族滞在』)。出入国在留管理庁の運用要領は例外にも触れており、日本で特定技能1号の方同士の間に生まれた子どもなど、特に人道上の配慮が必要な場合には、例外的に在留資格『特定活動』での在留が認められることがあるとしています。
- 特定技能で働いた期間は永住許可の年数に算入されますか?
- 出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)は、原則として引き続き10年以上日本に在留し、そのうち就労資格または居住資格で引き続き5年以上在留していることを求めたうえで、この就労資格から『技能実習』と『特定技能1号』を除くと明記しています。つまり特定技能1号での在留は、この5年のカウントには算入されません。特定技能2号は除外されていません。永住許可の判断は個別の事情によるため、具体的な見通しは行政書士などの専門家に相談する領域です。
- 5年を超えて特定技能の外国人に働いてもらうには?
- 特定技能2号へ移行する方法があります。2号は熟練した技能を確認する試験等への合格が必要で、自動的には移行できません。2号の対象分野は制度改正で変わるため、自社の分野に2号があるかは出入国在留管理庁の最新の運用方針で確認してください。介護分野には2号がないため、介護福祉士資格を取得して在留資格『介護』へ移行する道筋になります。
出典・参考(一次情報)
- 在留資格「特定技能」(出入国在留管理庁)
- 特定技能外国人受入れに関する運用要領(令和8年4月・確認日2026年8月5日)(出入国在留管理庁)
- 「特定技能外国人受入れに関する運用要領」の一部改正について(令和7年9月30日・新旧対照表)(出入国在留管理庁)
- 特定技能制度に関するQ&A(出入国在留管理庁)
- 通算在留期間(特定技能)(出入国在留管理庁)
- 特例期間とは?(出入国在留管理庁)
- 在留期間更新許可申請書【記載例】(特定技能)(出入国在留管理庁)
- 出入(帰)国記録の開示請求について(出入国在留管理庁)
- 永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)(出入国在留管理庁)
- 在留期間更新許可申請(申請期間「在留期間の満了する日以前(6か月以上の在留期間を有する者にあっては在留期間の満了する概ね3か月前から)」・標準処理期間「2週間〜1か月」・確認日2026年8月5日)(出入国在留管理庁)
- 在留審査処理期間(本記事の数値は令和8年5月許可分)(出入国在留管理庁)
- 改正法の概要(育成就労制度の創設等)(出入国在留管理庁)