特定技能「宿泊」とは|対象になる施設・業務範囲・試験・2号
目次
「フロントや接客を任せたいが、うちの施設で受け入れられるのか」「客室清掃までさせてよいのか」——宿泊は訪日需要の回復で人手不足が続く一方、旅館業の営業の種別や風俗営業に関わる業務の制限という宿泊ならではの線引きがあり、そこを外すと在留資格の申請が通らないことがあります。宿泊で特定技能を受け入れる第一歩は、①自社の営業許可が「旅館・ホテル営業」か ②任せたい業務が主たる業務か関連業務か ③協議会にいつ入るかの3点を確かめることです。
この記事の要点
- 対象になるのは「旅館・ホテル営業」の許可を受けた施設だけ — 簡易宿所営業・下宿営業は運用要領で対象外と明記されています。
- 客室清掃・ベッドメイキングは「関連業務」として付随的になら任せられる — 専ら関連業務に従事させることはできません。接待は不可です。
- 協議会は入会金・年会費が不要な一方、審査は登録支援機関の申請がそろってから始まる — 入会通知書まで1か月程度。登録支援機関の選定から逆算します。
- 枠は1万4,800人に対して充足率14.9%だが、増え方は速い — 直近1年で1,365人増(在留者数の6割超に相当)。分野別の見通しは受け入れ停止と分野別の充足率が「増加の急な分野」として宿泊を挙げています。
本記事は一般的な情報提供です。宿泊分野の要件・対象業務の範囲は変動するため、最新の内容は出入国在留管理庁および国土交通省(観光庁)の公表資料で必ず確認してください。
特定技能「宿泊」で受け入れられる施設・受け入れられない施設
受け入れられるのは、旅館業法の「旅館・ホテル営業」の許可を受けて旅館業を営んでいる施設に限られます。国土交通省が定める宿泊分野の基準の告示は、その第2条第1号イで「旅館業法第3条第1項の旅館・ホテル営業の許可を受けていること」を挙げています。[1]
| 営業の形態(旅館業法の定義) | 特定技能「宿泊」での受け入れ | 根拠 |
|---|---|---|
| 旅館・ホテル営業=「施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの」(第2条第2項)の許可あり | 受け入れられる | 告示第2条第1号イ「旅館業法第3条第1項の旅館・ホテル営業の許可を受けていること」 |
| 簡易宿所営業=「宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、下宿営業以外のもの」(第2条第3項)の許可 | 受け入れられない | 運用要領の留意事項「簡易宿所営業・下宿営業は対象外となります」 |
| 下宿営業=「施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」(第2条第4項)の許可 | 受け入れられない | 同上 |
| 旅館業の許可がない(住宅宿泊事業の届出のみ など) | 受け入れられない | 条件が「旅館・ホテル営業の許可を受けていること」のため |
| 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第6項第4号に規定する施設に該当する | 受け入れられない | 運用要領「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条第6項第4号に規定する施設(ラブホテル等)に該当しないものでなければなりません」 |
観光庁の民泊制度ポータルサイトは、簡易宿所営業の例としてペンション・ユースホステルを挙げ、住宅宿泊事業の届出をせずに民泊サービスを行う場合は簡易宿所営業で許可を取得するのが一般的としています。[3]⚠️ ただし施設の呼び名では決まりません(カプセルホテル・ゲストハウス・民宿といった呼称は旅館業法上の区分ではなく、構造と実際の許可で決まります)。判定は営業許可証の種別欄で行ってください。
在留諸申請では旅館業許可証(旅館・ホテル営業許可書)が確認対象の書類になります。法務省・国土交通省の運用要領は「条例では書類の名称を『旅館業許可書』としている例が多くあります」とも注記しています。手元の許可証に記載された営業の種別が「旅館・ホテル営業」かどうかを、採用を検討する最初の段階で確認してください。
⚠️ 許可の名義と雇用主が一致するかも先に確かめます。 告示の条件は「特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関」に課されるもの=雇用主となる法人が許可を受けていることが問われます。運営受託・フランチャイズ・施設ごとに別法人といった形で許可名義と雇用主が分かれている場合や、館内レストランを別法人が運営している場合は、どの法人が雇用主になるかで結論が変わります。一次資料に個別ケースの明文はないため、地方出入国在留管理局または観光庁へ事前に確認するのが確実です。
1施設あたりの受け入れ人数の上限はありません。 事業所単位の人数枠は、宿泊分野の分野別運用方針・運用要領・告示のいずれにも置かれていません(3文書を「上限」「人数」「事業所」で確認)。効いてくるのは分野全体の受入れ見込数だけです(後述。分野によっては事業所単位の枠がある例もあります=介護の受け入れ要件)。
なお受け入れ後に従事する事業所を変更した場合は、特定技能雇用契約変更の届出が必要で、変更後の施設の旅館業許可証を添付します。
任せられる業務と、任せられない業務
宿泊分野の業務は、主たる業務・関連業務・従事させられない業務の3つに分かれます。運用要領は、試験の合格で確認された技能を要する業務に主として従事させること、そのうえでこれらの業務に幅広く従事する必要があることを求めています(関連業務は付随的な範囲に限られます)。[1]
| 区分 | 具体例 | 従事のさせ方 |
|---|---|---|
| 主たる業務 | 宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客、レストランサービス等の宿泊サービスの提供 | 主として従事させ、かつこれらの業務に幅広く従事させる。ただし職場の状況に応じて、在留期間全体のうち一部の期間にフロント係へ配置するなど、特定の業務のみに従事させることも差し支えない |
| 関連業務 | 客室清掃、ベッドメイキング、館内販売 | その業務に従事する日本人が通常行うものに限り、付随的に従事させられる。専ら関連業務に従事させることは認められない |
| 従事させられない業務 | 風営法第2条第3項に規定する「接待」/同法第2条第6項第4号に規定する施設での就労 | 認められない。接待を行わせないための必要な措置を講じることも企業側の条件 |
関連業務の例示は、2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針で「客室清掃、ベッドメイキング、館内販売」に更新されています。⚠️ 一方、観光庁が現在もガイドラインとして掲載している運用要領(2024年2月15日一部改正版・方針の改定にまだ追随していません)の例示は「旅館、ホテルの施設内の土産物等売店における販売業務」「旅館、ホテルの施設内の備品の点検・交換業務」で、客室清掃は挙げられていません。[1]どちらの版でも「付随的なら可・専らは不可」という扱いは変わらないので、客室清掃を任せてよいかの判断は「主たる業務が主であること」を説明できるかで決まります。
⚠️ その「付随的」の割合基準は、一次資料にありません。 分野別運用方針・運用要領・告示のいずれにも、1日あたり何割まで・週何時間までといった数値の基準は置かれていません。「何割までなら大丈夫か」を探しても公的な答えは出てこないので、主たる業務が主であることを職務記述書と実際のシフトで説明できる状態にしておくのが実務上の備えになります。
求人票・職務記述書に落とすときの業務例
法令の言葉(フロント・企画広報・接客・レストランサービス)のままでは求人票が書けません。出入国在留管理庁は、ホテル・旅館で外国人が就労する場合の資料で、各業務の中身を次のように例示しています。[4]
| 業務 | 出入国在留管理庁が挙げる例 |
|---|---|
| フロント業務 | チェックイン/アウト、周辺の観光地情報の案内、ホテル発着ツアーの手配 等 |
| 企画・広報業務 | キャンペーン・特別プランの立案、館内案内チラシの作成、HP・SNS等による情報発信 等 |
| 接客業務 | 旅館やホテル内での案内、宿泊客からの問い合わせ対応 等 |
| レストランサービス業務 | 注文への応対やサービス(配膳・片付け)、料理の下ごしらえ・盛りつけ等の業務 等 |
| 旅館やホテル内における販売、備品の点検・交換 等 | =特定技能1号では関連業務として従事可 |
⚠️ 「調理」の線引きはここで決まります。 同資料は料理の下ごしらえ・盛りつけをレストランサービス業務の例に挙げており、この範囲は宿泊分野で任せられます。一方、厨房内での食材仕込み・調理・盛付けは、同庁の飲食店向け資料で外食業分野の「調理業務」として整理されています。[5]⇒ この2つの資料を並べると、下ごしらえ・盛りつけの手伝いは宿泊分野の範囲、厨房での調理そのものは外食業分野の業務、と整理できます(分野の一次資料に「何割から分野が変わる」という閾値はありません。宿泊分野の運用要領が求めているのは、試験で確認された技能を要する主たる業務に主として従事させることです)。ただし外食業分野は2026年4月から在留資格認定証明書の交付停止措置が続いています(外食業の受け入れ停止・分野の解説は特定技能「外食」とは)。調理要員を外国人材でまかなう計画は、この停止の状況を踏まえて立ててください。
⚠️ ベルボーイ・ポーター(荷物の運搬)は、宿泊分野の業務区分の例としては挙げられていません。 上の入管庁資料に「荷物の運搬」は出てきますが、それは技人国の人が一時的に従事する例としての記載です。特定技能1号で任せるなら、宿泊サービスの提供に係る業務として接客に付随する範囲か、日本人が通常行う関連業務として付随的にか、のどちらかで整理することになります。いずれにしても専ら荷物運搬だけを担わせることはできません(関連業務の扱いと同じ)。
⚠️ 「直営レストランのホール専属で、在留期間ずっと」という使い方はできません。 運用要領が求めているのは4つの業務に幅広く従事させることで、特定の業務だけに絞れるのは「在留期間全体のうち一部の期間」に限られます。[1]繁忙期にレストランへ厚く配置するといった運用は可能ですが、通年でレストランサービスだけを担わせる前提の採用は、宿泊分野では組めないと考えてください。
清掃を専門に請け負う事業として人を採るなら、それはビルクリーニング分野の領域です(ビルクリーニングで特定技能を採用するには)。
いま技人国で採っている業務は、特定技能に置き換わるのか
同じ資料は、技術・人文知識・国際業務(技人国)と特定技能1号(宿泊)で従事できる業務の可否も示しています。[4]
| 業務 | 技術・人文知識・国際業務 | 特定技能1号(宿泊) |
|---|---|---|
| フロント業務 | ○ | ○ |
| 企画・広報業務 | ○ | ○ |
| 接客業務 | ✕ | ○ |
| レストランサービス業務 | ✕ | ○ |
| 館内の販売、備品の点検・交換 等 | ✕ | ○(関連業務として) |
技人国はフロントと企画・広報しか担えません。 接客・レストランサービス・館内販売まで任せたいなら特定技能(宿泊)が必要、という関係です(同資料は、通訳として宿泊客に応対する場合、採用当初の実務研修期間の一環、フロント業務中に急遽荷物の運搬を行わざるを得なくなった場合などの一時的な従事は入管法上許容される、とも注記しています)。⚠️ 現場の実態はまだ技人国が主流で、切り替えの局面にあることは後述の観光庁の実態調査の数字が示しています。
夜勤や複数施設をまたぐ勤務については、宿泊分野の一次資料に固有の制限はありません(分野別運用方針・運用要領・告示で確認)。労働基準法など一般の労働法令の範囲で判断します。勤務する事業所の定め方は雇用条件書の記載事項です(特定技能の雇用契約)=事業所を変えたら上記の届出が必要になります。
2026年5月22日施行の基準改正で増えたこと
2026年4月22日公布・5月22日施行の国土交通省告示第577号で、受け入れ企業の条件に「1号特定技能外国人及び2号特定技能外国人に、接待を行わせないための必要な措置を講じていること」が加わりました。[6]従来からあった「接待を行わせないこととしていること」に加えて、その履行を担保する措置まで求められる形です。ここでいう「接待」は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 第2条第3項が「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすこと」と定義しています。[7]配膳や案内のような通常の接客サービスとは別の概念で、宴会場・ラウンジでの接客が該当するかは、この定義に当てはめて判断します。宴会場・バー・ラウンジを併設する施設は、配置ルールや従業員への周知の記録を整えておくと説明しやすくなります。
同じ改正で、協力の相手も「国土交通省が行う調査又は指導」から「国土交通大臣又はその委託を受けた者が行う調査又は指導」に改められました。施行の際に在留資格認定証明書の交付を受けている人・申請中の人などについては、なお従前の例によるとする経過措置が置かれています。
宿泊分野の試験——受験の実務と、2025年度の合格率
特定技能1号で受け入れるには、本人が原則として技能試験と日本語試験の両方に合格している必要があります(技能実習2号を良好に修了した人には後述の免除があります)。
- 技能試験 — 「宿泊分野特定技能1号評価試験」。実施主体は一般社団法人宿泊業技能試験センターで、申込はプロメトリックのウェブサイトから行います。[8]
- 日本語能力水準 — 「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上と認められるもの(2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針)。[9]
⚠️ N4合格の候補者が使えなくなったわけではありません。 方針の表記がA2.2相当以上へ変わった一方、宿泊分野の運用要領(現行)は「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」、そのほか「日本語教育の参照枠」のA2相当以上と書いたままで[1]、試験実施機関の案内もN4以上の表記です。⇒ 要件の呼び方が方針側で先に変わり、運用要領と現場の案内がまだ追随していない状態です。補強として、国土交通省 関東運輸局の資料(令和8年3月6日)も参照枠のA2.2相当をJLPT N4・JFT-Basicに対応づけています[10](⚠️ こちらは自動車運送業分野の説明資料で、全分野共通の法令上の換算表ではありません)。手元の証明書がどの水準に当たるかは特定技能の日本語試験の対応表で確かめてください。
宿泊職種・接客・衛生管理作業の技能実習2号を良好に修了した人は、技能試験が免除されます。 また職種・作業の種類にかかわらず、技能実習2号を良好に修了した人は日本語試験が免除されます。[1]免除の正確な範囲・受験料・合格基準は特定技能の試験が分野別にまとめています。
受験の実務(1号)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出題範囲 | フロント業務・広報/企画業務・接客業務・レストランサービス業務・安全衛生その他基礎知識の5カテゴリー |
| 問題数・試験時間 | 学科30問・実技6問(いずれも3択)/60分 |
| 実施方式 | 実施要領は「CBT方式又はペーパーテスト方式」。現行のプロメトリックの案内はCBT |
| 受験資格 | 試験日において満17歳以上(インドネシア国籍は満18歳以上)・日本国籍を有する人は受験不可。日本国内で受験する場合は在留資格を有する人が対象 |
| 開催国 | インド・インドネシア・日本・ネパール・フィリピン・スリランカ・ミャンマー・ベトナム・タイの9か国 |
| 実施の頻度 | 実施要領は「国内試験は、毎月実施する」「国外試験は、数年間、同じ実施国において前年同月に実施する」 |
| 再受験 | 試験日の翌日から45日間は同じ試験を予約できない |
| 予約・キャンセル | 試験日の59日前から3営業日前23:59まで予約・変更が可能(試験日が土日・祝日の場合は4営業日前まで)。キャンセルはできず、受験料は返金されない |
| 合否 | 実施要領は「試験実施日から30日以内」に合否をメール通知。学科・実技それぞれの正答率65%以上で合格 |
| 学習用教材 | 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会が1号・2号の学習用テキストを公開(1号は英語版・インドネシア語版あり)。⚠️ 2号は試験センターの2号ページが「現時点におきましてテキストのご用意はございません」としており、案内が食い違っています |
[11][12][8](出題範囲・問題数・学習用教材は試験センター、受験資格・開催国・予約規定はプロメトリック、実施方式・実施頻度・合否は観光庁の実施要領が出所)
合格証明書は内定後にしか出ない——企業がやること
在留諸申請で必要になる合格証明書は、内定が決まってから、企業と本人の双方が申請して発行される仕組みです。宿泊業技能試験センターが公開している流れは次のとおりです。[13]
合格発表(受験日から30日以内)
センターから本人へ合否通知メールが届きます。⚠️ プロメトリックのマイページに表示される合格通知書は、同センターによれば試験合格の証明には使えません。企業申請
合格者が内定企業へ合格証明書の申請を依頼し、企業が受付フォーム→申請フォームの順に申請します。本人申請
本人のメールアドレスに届く申請フォームから、受付IDを入力して申請します。発行手数料の振込
発行手数料は12,100円。企業・本人のどちらからでも振り込めます。発行
入金確認後、5営業日以内を目途にPDFで企業宛てに発行されます。証明書は本人に帰属するため、在留手続きの完了後に本人へ渡します。
⇒ 選考の段階で合格証明書を提出させることはできません。 受験結果の共有を求めるにとどめ、証明書の発行は内定後の工程としてスケジュールに組み込んでください。⚠️ 合格証明書の有効期限は2026年4月30日の受験分から10年→5年へ短縮されました(2026年4月29日受験分までの合格者は従来どおり10年で発行)。[14]有効期限は合格通知日から起算するため[11]、直近の合格者ではすぐに問題になりませんが、2026年4月30日以降に受験した人については、合格から採用までを寝かせられる期間が従来の半分になります。
2025年度の受験者・合格者・合格率(1号)
一般社団法人宿泊業技能試験センターは、開催国別の受験者数・合格者数・合格率を公表しています。2025年度(2025年4月〜2026年3月)の宿泊分野特定技能1号評価試験は次のとおりです。[15]
| 開催国 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 日本 | 6,081人 | 3,790人 | 62.3% |
| インドネシア | 1,608人 | 1,111人 | 69.1% |
| ミャンマー | 1,003人 | 842人 | 83.9% |
| ネパール | 382人 | 244人 | 63.9% |
| ベトナム | 200人 | 161人 | 80.5% |
| インド | 138人 | 90人 | 65.2% |
| フィリピン | 117人 | 88人 | 75.2% |
| タイ | 62人 | 59人 | 95.2% |
| スリランカ | 59人 | 33人 | 55.9% |
| 合計 | 9,650人 | 6,418人 | 66.5% |
読み取れることが3つあります。第一に、受験の6割超は日本国内です(6,081人÷9,650人=63.0%・編集部算出)。国内在住者への求人を軸に考えられる分野です。第二に、合格率は開催国で20ポイント以上の幅があります(ミャンマー83.9%とスリランカ55.9%。タイ95.2%が最高ですが受験62人と少なく、率は振れやすいので母数と併せて読んでください)。第三に、1回で受かる前提を置かないほうが安全です——実施要領は技能試験の水準を「実務経験2年以上の者が7割合格できる水準」と定めており[11]、上の66.5%は経験の有無を問わない全受験者の実績なので単純比較はできませんが、不合格だと45日間は同じ試験を受け直せません。
⚠️ この66.5%は試験実施機関が公表した2025年度の集計です。特定技能の試験には令和6年度の宿泊分野の合格率(79.3%)を載せていますが、こちらは出入国在留管理庁が公表する試験実施状況報告書の月次・受験地別の行をトモハタで合算した値です(同報告書に年度計の行がないため)。年度も集計の作り方も違う数字なので、並べて比較しないでください。
受け入れ企業に求められる要件——協議会・直接雇用・記録
施設の条件(旅館・ホテル営業の許可、風営法関係)に加えて、宿泊分野には次の条件が課されます。[9]
- 宿泊分野特定技能協議会の構成員になること — 加入の期限は当該特定技能外国人に係る在留諸申請の前です。観光庁は、2024年6月15日以降は初めて特定技能外国人を受け入れる場合であっても、在留申請の際に構成員であることを明らかにする書類の提出が必要としています(それ以前にあった「入国後4か月以内に加入する旨の誓約書」で申請する方法は使えません)。分野横断の比較は特定技能の対象分野一覧の協議会の表にまとめています。
- 登録支援機関に全部委託するなら、その機関も協議会の構成員であること — 候補を絞る段階で加入済みかを確認しておくと、契約後の手戻りを避けられます(選び方は登録支援機関の選び方、契約前の確認は契約前チェックリスト)。
- 雇用形態は直接雇用に限る — 労働者派遣は認められません。派遣した場合・派遣された人を受け入れた場合は、以後5年間、特定技能外国人の受け入れができなくなります。[1]
- 求めに応じて実務経験を証明する書面を交付すること — 特定技能外国人から求められたら、自社での実務経験を証明する書面を交付します。交付しない場合は基準に適合せず、受け入れができなくなります。
- 協議会・国土交通省(又はその委託を受けた者)の調査・指導に協力すること(2026年5月22日施行の告示改正で、告示上の表記は「国土交通大臣又はその委託を受けた者」に改められています)
報酬を日本人と同等以上にすることや支援体制の整備など、分野を問わず共通で課される条件は特定技能で企業に求められる受け入れ要件、支援計画で実施する10項目の中身は義務的支援の10項目、在留資格の申請で用意する書類は特定技能の必要書類、採用後の定着の工夫は特定技能外国人の定着支援で解説しています。なお、在留資格の申請書類の作成や申請取次は行政書士などの専門家の領域です。必要に応じて行政書士などの専門家と連携して進めます。
協議会への入会手続き——費用・申請先・審査が始まる条件
宿泊分野特定技能協議会の入会は、観光庁が次のように案内しています。[16]
| 項目 | 観光庁の案内 |
|---|---|
| 費用 | 入会金や年会費等は不要 |
| 申請先 | e-Gov電子申請サイト(すべてオンライン・郵送での受付なし)。手続の探し方は[手続検索]→[手続名称から探す]で「所属機関」もしくは「支援機関」 |
| 構成員であることの証明 | 入会申請後に観光庁が発行する入会通知書 |
| 入会通知書の発行までの目安 | 申請日から1か月程度(申請が混み合うと延びることがある) |
| 審査が始まる条件 | 「所属機関」「登録支援機関」の両者の申請が完了してから開始(自社支援の場合は登録支援機関の記入箇所に「自社支援」と記載) |
| 通知書の発行タイミング | 入会時のみ。連絡先等の変更は変更届出が必要で、変更・退会の届出に通知書は原則発行されない |
| 問い合わせ先 | 事務局コールセンター 03-4330-2737(10時〜16時・土日祝日・年末年始を除く) |
段取りで効くのは「審査が始まる条件」です。支援を委託するなら、委託先の登録支援機関が決まって申請を出すまで協議会の審査が始まりません。 順番は登録支援機関の選定→両者で入会申請→入会通知書→在留諸申請になります(自社支援なら登録支援機関の欄に「自社支援」と記載して単独で申請できるので、この待ちは発生しません)。在留資格の審査を含めた全体の所要期間(国内在住者の採用でおおむね2〜4か月、海外から呼び寄せる場合で4〜8か月)と月別の逆算は特定技能の採用の流れにまとめています。
在留諸申請で提出する宿泊分野固有の書類は、旅館業許可証のほかに協議会の構成員であることの証明書と宿泊分野における特定技能外国人の受入れに関する誓約書(所属機関=分野参考様式第10-1号/登録支援機関=同第10-2号)です。[1]
宿泊業の受け入れの実態(観光庁の実態調査)
宿泊業の外国人雇用は、まだ技人国が主流です。 観光庁は2025年2〜3月に、宿泊事業者366件・宿泊施設で働く外国人従業員98件・宿泊分野特定技能評価試験の合格者963件へのWEB調査を実施し、報告書を公表しています(事業者・従業員は2月5日〜24日、合格者は2月27日〜3月3日)。[17]
- 宿泊施設が現在雇用している外国人の在留資格は「技術・人文知識・国際業務」66.5%が最多で、「特定技能(宿泊)」は24.4%(外国人を雇用している施設・N=197・複数回答)。
- 一方、今後新たに雇用したい在留資格は「特定技能(宿泊)」55.0%が最多(雇用意向のある施設・N=271・複数回答)で、技人国42.1%を上回ります。採用の競合は今後この面に集まる想定で動くのが現実的です。
- 特定技能外国人を雇用する際の課題は「特定技能のことはわからない」23.7%が最多、次いで住居の手配などの生活支援22.5%、在留期間5年が短い20.1%(N=249・複数回答)。制度理解と生活支援の体制が、そのまま先行の差になります(特定技能1号の在留期間は通算5年が上限=特定技能の在留期間)。
- 試験合格者963件の受験国は、日本が41.7%で最多、次いでミャンマー31.7%。⚠️ 2025年度の受験実績(上の表)では日本に次ぐのはインドネシア1,608人で、ミャンマーは1,003人の3位でした。ただしこの調査の回答者は合格年が2024年の人が69.5%を占め、2025年度の受験実績とは母集団も時期も違うため、構成比を直接比べることはできません。
- ⚠️ 合格しても宿泊で働いているとは限りません——同じ963件のうち、特定技能(宿泊)で働いているのは17.0%だけで、最も多いのは「自分の国で働いている」23.4%でした。この963件は合格年が2024年の人が69.5%を占める回答者標本で、上の2025年度の実績とは母集団も時期も違いますが、合格者数がそのまま国内の候補者プールの大きさにはならないことは押さえておく価値があります。
なお同調査は「特定技能試験合格者に対する求人情報の周知が必要」と結論しており、観光庁は宿泊業技能試験センターのサイトを合格者向けの求人情報の掲載先として案内しています。[16]合格者に届く募集チャネルを持てるかが、この分野では効きます。
宿泊の特定技能2号——要件と、実際に通っている人数
宿泊は特定技能2号がある分野です。2号の要件は、2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針で次のように定められています。[9]
- 技能水準 — 宿泊分野特定技能2号評価試験に合格すること。
- 実務経験 — 宿泊施設において複数の従業員を指導しながら、フロント・企画広報・接客・レストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務に従事した実務経験。運用要領はこれを2年以上としています。[1]
- 日本語能力水準 — 「日本語教育の参照枠」のB1相当以上と認められるもの。
2号の受験申込では、企業側の作業が先に発生します。 実務経験は受験時に確認され、試験実施機関が用意する実務経験証明書を勤務先が記入・署名して申込フォームにアップロードし、書類確認を経てプロメトリック申込用の申請番号を受け取る、という順になります。受験料は15,000円(税込)、方式はCBT[18]、出題は学科50問・実技20問(いずれも4択)です。[8]上に挙げた実務経験を証明する書面の交付がここで効いてきます。1号のうちから、誰をいつどの業務でリーダー役に就けたかを記録に残しておくと、2号を目指す段になって書面を出しやすくなります。
2号の道筋は制度設計の時点で狭く作られています。 2号評価試験の実施要領は、水準を「実務経験7年以上の者が3割合格できる水準」と定めています(合格は学科・実技それぞれ正答率65%以上)。[19]実績もこれに沿っていて、2025年度の受験は134人・合格52人(合格率38.8%)、受験者のうち133人は日本国内でした。[15]同じ年度の1号評価試験の合格者6,418人と比べると桁が2つ違います。「2号があるから長期就労できる」と一般化せず、リーダー経験を積ませる配置と日本語学習の支援を自社で設計して初めて現実的な道筋になると見ておくと、計画が狂いにくくなります。1号と2号の制度上の違いは特定技能1号と2号の違いで解説しています。
この「自社で設計する」部分には公式の骨格が用意されつつあります。分野別運用方針は、国土交通省が関係業界と協働して宿泊分野の育成・キャリア形成プログラムを策定するとし、①資格取得 ②日本語能力 ③マネジメント経験の3点を含む内容にするとしています。[9]自社の育成計画をこの3軸で組んでおくと、公表後の擦り合わせが楽になります。
採用ルート——技能実習修了者の受け入れと、2027年度からの育成就労
宿泊で特定技能外国人を採用する現在の主なルートは3つです。
- 試験合格者を採用 — 国内・海外で宿泊分野特定技能1号評価試験に合格した人材を採用します。上の表のとおり受験の6割超は国内なので、国内在住者への求人が中心になります。
- 宿泊分野の技能実習からの移行 — 宿泊職種・接客・衛生管理作業の技能実習2号を良好に修了していれば技能試験が免除され、移行がスムーズです(特定技能・技能実習・育成就労の違い)。
- 国内在住の特定技能外国人の採用 — すでに日本にいる人を採用すると、渡航費などの初期費用を抑えやすくなります(国内採用と海外採用の違い)。
⚠️ 候補者の合格証明書に旧い試験名が書かれていることがあります。 運用要領は、令和5年6月9日の閣議決定より前にあった「宿泊業技能測定試験」の合格者を、宿泊分野特定技能1号評価試験に合格したものとみなす経過措置を置いています。[1]試験名が違うだけで要件を満たしていない、と早合点しないでください。
これに加えて、宿泊は育成就労(技能実習の後継制度)の対象分野でもあります。2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針は、宿泊分野の育成就労外国人の受入れ見込数を令和9年度(2027年度)からの2年間で5,200人と定めました。水準は段階設計になっています。[9]
| 時点 | 求められる水準(宿泊分野) |
|---|---|
| 就労を開始するまで | 「日本語教育の参照枠」のA1相当以上、又は認定日本語教育機関等での相当する日本語講習の受講 |
| 開始後1年経過時まで | 宿泊分野育成就労評価試験(初級)の合格+参照枠A1相当以上 |
| 本人の意向による転籍 | 宿泊分野育成就労評価試験(初級)の合格+参照枠A2.1相当以上(転籍制限期間は1年) |
| 育成就労を終えるまで | 宿泊分野特定技能1号評価試験の合格+参照枠A2.2相当以上(=特定技能1号の水準に接続) |
⚠️ 育成就労なら施設の条件が緩い、ということはありません。 同方針は育成就労実施者にも旅館・ホテル営業の許可・風営法関係の同じ条件を課しています。ただし協議会は特定技能とは別建てで、実施者に求められるのは「構成員になること」ではなく育成就労の協議会への必要な協力です。分野横断の枠と制度の中身は育成就労の対象分野・育成就労とは、育成就労から特定技能1号へ切り替える段の要件・流れは育成就労から特定技能への移行で整理しています。
宿泊の枠はどれくらい残っているか
特定技能1号の受入れ見込数には分野ごとに上限があり、宿泊は令和6年度から令和10年度末までの5年間で1万4,800人です(2026年1月23日閣議決定)。⚠️ この枠は引き下げられています——令和6年版の分野別運用方針は「最大で2万3,000人」でしたが、2026年1月23日の閣議決定で1号は1万4,800人になりました。同方針は宿泊分野全体の受入れ見込数を2万人とし、その内訳が1号14,800人+育成就労5,200人という建て付けです。旧値の2万3,000人を載せたままの解説を見かけますが、現行の枠はこちらです。これに対する在留者数は2,207人・充足率14.9%(2026年3月末・速報値)で、直近1年の増加は1,365人でした。[20]⚠️ 数字の上では余裕がありますが、増え方は速い分野です——1年の増加1,365人は在留者数2,207人の6割に当たります。特定技能の受け入れ停止と分野別の充足率は、この比率の高さから宿泊を「増加が急で楽観できない分野」として扱っています。
人手不足の側の数字も大きいままです。同じ分野別運用方針によれば、宿泊分野の職種の有効求人倍率は4.71倍(令和6年度)で、令和10年度には64万1,000人程度の就業者が必要になる一方、8万1,000人程度の人手不足が見込まれています。生産性向上や国内人材確保の取組で6万1,000人程度が緩和されても、なお2万人程度の不足が残るという見通しです。[9]
賃金の水準も同方針に記載があります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、宿泊分野の賃金(きまって支給する現金給与額)の平均は令和4年の月270.5千円から令和6年には月291.8千円へ上がりました。特定技能外国人の報酬は日本人と同等以上であることが求められるため、この水準は自社の賃金設計を確かめる目安になります(特定技能の雇用契約)。
費用の目安
宿泊固有の費目は次の3点で、いずれも公表された確定額です。総額の考え方(初期費用+月額の支援委託費)と採用ルート別のモデルは分野共通なので、特定技能の採用費用・相場で確認してください。
- 協議会の入会金・年会費は不要(観光庁の案内)。[16]
- 合格証明書の発行手数料は12,100円(企業・本人のどちらからでも振込可)。[13]
- 評価試験の受験料は、日本国内で受験する場合 1号 7,700円・2号 15,000円(プロメトリックの国別受験料金・2026年8月7日確認時点。2号はセンターが税込と明記)。[21][18]受験料は受験する国で異なります(同ページに開催国別の額が載っています)。
これ以外(人材紹介手数料・在留資格の申請費用・渡航費・登録支援機関への支援委託費)は分野共通です。委託費の相場は出入国在留管理庁の集計値をもとに特定技能の採用費用・相場で、紹介手数料は人材紹介手数料の相場で整理しています。
宿泊で働く特定技能外国人の実像
出入国在留管理庁が半年ごとに公表する「特定技能在留外国人数」の分野別クロス表(2025年12月末時点・宿泊の1号1,968人)をトモハタで集計すると、2023年6月末の293人から+572%(約6.7倍)に増えています。国籍別ではミャンマーが33.2%で最多、都道府県別では北海道が最も多くなっています。[22]
データで見る:宿泊で働く特定技能外国人
2025年12月末時点
全国で就労中
1,968人
直近2.5年の伸び
+572%
2025年12月末時点で全国1,968人(2023年6月末の293人から+572%)。国籍はミャンマーが33.2%で最多、都道府県は北海道が185人で最多です。
どの国から来ているか
- ミャンマー653人(33.2%)
- インドネシア450人(22.9%)
- ベトナム229人(11.6%)
- ネパール228人(11.6%)
- フィリピン101人(5.1%)
- その他307人(15.6%)
直近はミャンマーが急増(2年半で+1206%)
どこで働いているか
- 北海道185人
- 神奈川県141人
- 群馬県113人
- 兵庫県104人
- 沖縄県100人
年齢層
- 18-29歳80%
- 30-39歳18.4%
- 40+歳1.6%
男女比
- 男性38.7%
- 女性61.3%
出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数」(令和7年12月末)をトモハタが集計。数値はすでに就労している人の分布で、地域の人材供給・採用競合をつかむ目安です。募集のしやすさを保証するものではありません。
⚠️ この1,968人と、前の節の2,207人は別の公表系統の数字です。分野別の在留者数と充足率は四半期ごとに公表される速報値(2026年3月末)、国籍別・都道府県別の内訳は半年ごとに公表される詳細な集計(2025年12月末)で、時点が3か月ずれています。分野をまたいだ全体像は特定技能の統計データにまとめています。
まとめ
特定技能「宿泊」で受け入れられるのは旅館・ホテル営業の許可を受けた施設に限られ、簡易宿所営業・下宿営業は対象外です。任せられるのはフロント・企画広報・接客・レストランサービス等の宿泊サービスで、客室清掃・ベッドメイキング・館内販売は付随的な関連業務としてなら可・専らは不可、接待は不可です。手続きは協議会への加入が在留諸申請の前で、審査は登録支援機関の申請がそろってから始まるため、登録支援機関の選定から逆算して動くのが現実的です。枠は1万4,800人に対して充足率14.9%と余裕がある一方、有効求人倍率4.71倍で、在留者数に対して年6割に当たる増加が続く分野でもあります。
制度の全体像は特定技能採用の完全ガイド、対象分野の一覧は特定技能の対象分野一覧、よくある失敗は特定技能採用でよくある失敗と注意点をご覧ください。
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よくあるご質問
- 宿泊で特定技能の外国人を採用するには何が必要ですか?
- 採用する外国人が、宿泊分野特定技能1号評価試験に合格し、「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上の日本語力を持つことが基本です(宿泊職種・接客・衛生管理作業の技能実習2号を良好に修了した人は技能試験が免除され、職種を問わず技能実習2号を良好に修了した人は日本語試験が免除されます)。企業側は、旅館業法の「旅館・ホテル営業」の許可を受けていること、宿泊分野特定技能協議会の構成員であること(在留諸申請の前)が必要で、雇用形態は直接雇用に限られます。
- 簡易宿所営業や民泊でも特定技能「宿泊」で受け入れられますか?
- 受け入れられません。法務省・国土交通省の運用要領は、簡易宿所営業・下宿営業を対象外と明記しています。要件は旅館業法第3条第1項の「旅館・ホテル営業」の許可を受けていることなので、住宅宿泊事業(民泊)の届出だけで運営している施設も、この許可を別に受けていない限り対象になりません。まず営業許可証に記載された営業の種別を確認してください。
- 宿泊の特定技能で任せられる仕事は何ですか?
- フロント、企画・広報、接客、レストランサービスなど、宿泊サービスの提供に関わる業務が主たる業務です。客室清掃・ベッドメイキング・館内販売は、その業務に従事する日本人が通常行う関連業務として付随的にであれば任せられますが、専ら関連業務に従事させることは認められません。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律上の「接待」にあたる業務には従事させられず、2026年5月22日施行の基準改正で、接待を行わせないための必要な措置を講じることも受け入れ企業の条件になりました。
- 宿泊分野の合格証明書は、選考の段階で候補者に出してもらえますか?
- 出してもらえません。宿泊業技能試験センターの合格証明書は、内定後に企業と本人の双方が申請し、発行手数料12,100円の入金が確認されてから5営業日以内を目途にPDFで企業宛てに発行されます。同センターは、プロメトリックのマイページに表示される合格通知書は試験合格の証明には使えないとしています。選考では受験結果の共有を求めるにとどめ、証明書は内定後に手配する前提でスケジュールを組んでください。
- 宿泊分野に特定技能2号はありますか?
- あります。宿泊分野特定技能2号評価試験の合格に加えて、宿泊施設で複数の従業員を指導しながらフロント・企画広報・接客・レストランサービス等に2年以上従事した実務経験と、「日本語教育の参照枠」のB1相当以上の日本語力が求められます。2号は在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族の帯同も可能になります(1号との制度上の違いは「特定技能1号と2号の違い」で解説しています)。ただし試験は実施要領で「実務経験7年以上の者が3割合格できる水準」と設計されており、2025年度の合格者は全国で52人(受験134人・合格率38.8%)でした。
出典・参考(一次情報)
- 特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領-宿泊分野の基準について-(令和6年2月15日一部改正)(法務省・国土交通省)
- 旅館業法(第2条=旅館・ホテル営業/簡易宿所営業/下宿営業の定義・第3条=許可)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 旅館業法について(民泊制度ポータルサイト・旅館業の種別と例)(観光庁)
- ホテル・旅館等において外国人が就労する場合の在留資格について(在留資格別に従事できる業務の一覧)(出入国在留管理庁)
- 飲食店において外国人が就労する場合の在留資格について(調理業務=厨房内での食材仕込み・調理・盛付け 等)(出入国在留管理庁)
- 宿泊分野の基準を定める告示の改正(令和8年国土交通省告示第577号・2026年5月22日施行)(出入国在留管理庁)
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(第2条第3項=「接待」の定義)(e-Gov法令検索(デジタル庁))
- 特定技能評価試験について(出題範囲・出題形式・学習用テキスト)(一般社団法人宿泊業技能試験センター)
- 宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙9・令和8年1月23日閣議決定)(出入国在留管理庁)
- 自動車運送業分野の特定技能制度の説明資料(令和8年3月6日・参照枠A2.2相当=JLPT N4/JFT-Basic の対応づけ)(国土交通省 関東運輸局)
- 宿泊分野特定技能1号評価試験実施要領(令和6年1月一部改正)(国土交通省観光庁観光産業課)
- 宿泊分野特定技能1号評価試験(試験情報・開催国・予約規定)(プロメトリック株式会社)
- 受験から合格証明書発行までの流れ【宿泊分野特定技能1号評価試験】(発行手数料12,100円・入金確認後5営業日以内)(一般社団法人宿泊業技能試験センター)
- 2026年4月30日の受験分から合格証明書の有効期限が変更となります(10年→5年)(一般社団法人宿泊業技能試験センター)
- 【2025年度】宿泊分野特定技能評価試験 受験者・合格者・合格率発表(一般社団法人宿泊業技能試験センター)
- 宿泊分野における外国人材の受入れ(協議会の入会申請・関連資料)(観光庁)
- 宿泊施設における外国人材の受入れ状況に関する実態調査事業 報告書(概要版・2025年2〜3月調査/宿泊事業者366件・外国人従業員98件・試験合格者963件)(観光庁)
- 宿泊分野特定技能2号評価試験(受験資格・受験料・申込手順)(一般社団法人宿泊業技能試験センター)
- 宿泊分野特定技能2号評価試験実施要領(令和6年2月)(国土交通省観光庁観光産業課)
- 特定技能1号の受入れ見込数及び在留者数について(令和8年3月末時点・速報値)=宿泊2,207人・充足率14.9%(出入国在留管理庁)
- 国別受験料金(宿泊分野特定技能1号評価試験=日本 JPY 7,700/2号=JPY 15,000)(プロメトリック株式会社)
- 特定技能在留外国人数の公表等(分野別クロス表=国籍×分野・都道府県×分野・分野×年齢/男女。公表は半年ごと)(出入国在留管理庁)