特定技能「資源循環」とは|受け入れはいつから?対象業務・企業の要件と今できる準備
目次
「処理施設の現場が高齢化して、若手の採用が続かない」「資源循環でも特定技能が使えるようになると聞いたが、いつから・うちの許可で対象になるのか」——廃棄物処理・リサイクル業界のそんな疑問に答えるページです。結論から言うと、資源循環分野は2026年1月23日の閣議決定で特定技能の対象分野に追加され、環境省は「令和9年(2027年)4月頃の受け入れ開始」を予定として公表しました(確定した開始日ではありません。2026年8月2日時点)。受け入れそのものはまだ始まっていませんが、事業者向けの公的な相談窓口はすでに開設されています。このページでは、現時点で確定していることと、開始に備えて企業が今できる準備を、一次資料に当たって整理します。
この記事の要点
- 開始の目標時期が示され、上乗せ基準の告示は公布済み — 環境省の資料の工程表に「令和9年4月頃 資源循環分野受入れ開始(予定)」と記載。工程表が挙げた準備のうち上乗せ要件の告示は2026年7月30日に公布・適用され(環境省告示第36号)、協議会の立ち上げ・特定技能1号評価試験の実施が残っています。
- 「許可があれば対象」ではない — 受け入れできるのは方針の別添に列挙された12の類型で、処分業者について別添は優良認定(許可の有効期間7年)またはこれに相当する水準を求める書き方です。加えて受け入れ企業には7つの条件が課され、2026年7月30日公布の告示では協議会による優良機関認証が明文の基準に加わりました。
- 安全衛生の体制が実質の関門 — 協議会の確認は入会時だけでなく受け入れ後も定期的に行われ、書面と立入検査の両方が基本とされています。見られるのは安全管理体制・安全衛生の取組・労災発生状況です。
資源循環分野は特定技能としての受け入れ開始前です。本記事は2026年1月23日閣議決定の分野別運用方針(別紙19)、2026年7月30日公布の上乗せ基準告示、環境省の公表情報に基づきます。開始時期は「目指す」「予定」として示されたものであり、試験の詳細と運用要領別冊は今後確定します。この記事の内容だけで採用計画を確定せず、必ず出入国在留管理庁・環境省の最新情報を確認してください。
資源循環分野が特定技能の対象に追加された
2026年1月23日の閣議決定で、特定技能の対象分野に物流倉庫・リネンサプライ・資源循環の3分野が追加され、制度上の対象は19分野になりました。資源循環分野の所管は環境省です。対象分野全体の一覧と各分野の要件は特定技能の対象分野 一覧で整理しています。
背景には廃棄物処理業の構造的な人手不足があります。分野別運用方針では、2028年度(令和10年度)に必要な就業者数12万2,000人に対して1万7,000人の人手不足が見込まれ、有効求人倍率は5.35倍(2024年度)と高い水準です。同じ閣議決定で育成就労制度(技能実習に代わる新制度)でも資源循環分野の受け入れが規定されています(育成就労の対象分野)。
受け入れはいつから始まる?——環境省は「令和9年4月頃」を予定として公表
受け入れはまだ始まっていませんが、開始の目標時期は示されています。 環境省の資料「(概要)資源循環分野の受入れについて」は、令和9年の受入れ開始を目指して協議会の立ち上げや試験実施等の準備を進める予定であるとし、あわせて掲載された工程表に「令和9年 4月頃 資源循環分野受入れ開始(予定)」と記載しています(2026年7月30日閲覧)。[1]
⚠️ これは確定した開始日ではなく目標時期です。2026年7月30日に、資源循環分野の上乗せ基準の告示が公布されました(特定技能=環境省告示第36号・公布の日から適用/育成就労=同第37号・適用は2027年4月1日から〔制度施行に合わせた附則の定め〕)。[2]ただし2026年8月2日時点で、運用要領別冊は制定されておらず、特定技能1号評価試験も未実施(環境省のページはいずれも「詳細決まり次第お知らせします」と表示)、受け入れの条件である協議会も入会の受付が始まっていません。告示は受け入れ企業に課される要件が確定したという意味であって、申請受付の開始ではありません。 在留資格の申請受付はまだ始まっていません。
同じ工程表は、開始までに残っている作業も示しています。
| 時期 | 段階 | 内容 |
|---|---|---|
| 令和7年3月・5月 | 基本方針の決定・有識者会議 | 受入れ対象分野、上乗せ要件、分野ごとの転籍制限期間、受入れ見込数等を議論 |
| 令和8年1月23日 | 分野別運用方針の閣議決定 | 資源循環分野(廃棄物処分業(中間処理))が新たな対象分野に |
| 令和8年 | 受入れ準備 | 上乗せ要件の告示/資源循環分野協議会の立ち上げ/特定技能1号評価試験の実施 等 |
| 令和9年4月頃 | 受入れ開始(予定) | 資源循環分野の受け入れ開始 |
出典=環境省「(概要)資源循環分野の受入れについて」(2026年7月30日閲覧)。工程表は「等」で結ばれており、掲げられた3項目で準備が尽きるとは限りません。「予定」「目指す」として示された時期であり、確定日ではありません。
なお、育成就労制度の施行日は令和9年(2027年)4月1日で確定しています。こちらは目標時期ではなく、2025年10月1日に公布された令和7年政令第340号が施行期日を「令和九年四月一日」と定めたものです。[3][4]特定技能側の目標時期も同じ令和9年4月頃であるため、両制度がほぼ同時期に立ち上がる見通しです(ただし確からしさは同じではありません=育成就労側は政令で確定した日、特定技能側は環境省が示した目標時期です)。
確定した日付・残っている手続き(当サイト追跡・2026年8月2日時点)
開始目標の令和9年(2027年)4月頃から逆算すると、すでに確定した日付と、時期未公表のまま残っている手続きは次のとおりです。「予定」「未公表」の行は確定日ではありません。
| 日付 | 出来事 | 状況 |
|---|---|---|
| 2026年1月23日 | 分野別運用方針の閣議決定(資源循環を特定技能・育成就労の対象分野に追加) | 実施済み |
| 2026年4月15日 | 育成就労:監理支援機関の許可の施行日前申請の受付開始(外国人技能実習機構) | 実施済み |
| 2026年6月30日 | 環境省委託の支援サイト開設(事業者向け相談窓口も開設済み) | 実施済み |
| 2026年7月30日 | 上乗せ基準告示の公布(特定技能=環境省告示第36号・公布の日から適用/育成就労=同第37号・適用は2027年4月1日から) | 実施済み(第37号の適用開始は2027年4月1日) |
| 2026年9月1日 | 育成就労:育成就労計画の認定の施行日前申請の受付開始(外国人技能実習機構) | 予定(出入国在留管理庁の告知) |
| 2026年9月30日 | 育成就労:施行日から監理支援事業を行いたい場合の許可申請の推奨期限(外国人技能実習機構) | 目安 |
| 時期未公表 | 特定技能:協議会の立ち上げ・入会受付/特定技能1号評価試験の実施 | 未公表 |
| 2027年4月1日 | 育成就労制度の施行日 | 確定(令和7年政令第340号) |
| 令和9年(2027年)4月頃 | 特定技能:資源循環分野の受入れ開始 | 予定(確定日ではない) |
育成就労側の施行日前申請はすでに動いています。監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から外国人技能実習機構で受付が始まっており、同機構は施行日(2027年4月1日)から監理支援事業を行うことを希望する場合は2026年9月30日までの申請を求めています。[5]育成就労計画の認定についても、2026年9月1日から外国人技能実習機構で施行日前申請の受付を始める予定であることを出入国在留管理庁が告知しています(申請手続きの具体的な案内は同機構が「近日中に掲載予定」としている段階です。2026年8月2日時点)。[6]
同じ日に決まった3分野はどこまで進んだか(当サイト追跡・2026年8月1日時点)
資源循環と同じ2026年1月23日の閣議決定で追加された3分野は、その後の進み方に差があります。当サイトで公表を追跡した現在地は次のとおりです。
| 分野 | 受入れ開始の状況(2026年8月1日時点) | 技能試験 | 特定技能1号の受入見込数(3年間) |
|---|---|---|---|
| リネンサプライ | 受入れ可能(運用要領別冊が2026年6月1日に制定=閣議決定から約4ヶ月) | 未公表 | 4,300人 |
| 物流倉庫 | 準備中(上乗せ基準告示は2026年6月26日公布済み=令和8年国土交通省告示第787号・運用要領別冊は未制定) | 開始時期「調整中・未定」(国土交通省) | 11,400人 |
| 資源循環(本記事) | 準備中(上乗せ基準告示は2026年7月30日公布・適用済み=環境省告示第36号・運用要領別冊は未制定)。開始目標=令和9年4月頃(予定)/環境省委託の支援サイトは2026年6月30日開設 | 実施機関は「準備中」(環境省委託の支援サイト表示) | 900人 |
出典=受入見込数は分野別運用方針および出入国在留管理庁の受入れ見込数資料、各分野の進捗は当サイトが各記事で追跡した公表情報(2026年8月1日時点)。
先行したリネンサプライは、閣議決定(1月23日)から約4ヶ月で運用要領別冊の制定に至りました。資源循環が同じ経過をたどるかは公表されていませんが、「閣議決定から数ヶ月単位の準備期間があった」という先行分野の実績は、準備スケジュールを考えるうえでの参考になります。公式発表が出たら、本記事と特定技能の受け入れ停止と分野別の充足率を更新します。
対象業務は「中間処理」——収集・運搬は業務区分に含まれない
任せられるのは中間処理の業務で、収集・運搬そのものは業務区分に入っていません。 分野別運用方針(別紙19)で確定している対象業務は次のとおりです。[7]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業務区分 | 「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分 |
| 従事する業務 | 家庭からの排出および事業活動に伴って排出される廃棄物の中間処理(減量化・減容化・安定化・安全化)を行う業務 |
| 関連業務 | 破砕・中和・焼却等の設備操作、燃え殻の集約作業などに付随的に従事することは可 |
| 雇用形態 | 直接雇用のみ |
出典=分野別運用方針(別紙19)第二2(2026年7月30日閲覧)。
「中間処理」には、閣議決定された方針の文言と、実務に寄せた説明の2通りが公表されています。自社の工程が当てはまるかを見るときは、後者のほうが判断しやすいはずです。
| 出典 | 「廃棄物処分業(中間処理)」の説明 |
|---|---|
| 分野別運用方針(別紙19)=閣議決定された方針の文言 | 廃棄物の減量化・減容化・安定化・安全化を行う業務 |
| 環境省委託の支援サイト=実務に寄せた説明 | 廃棄物の減量化・再資源化・再商品化・有価物化等のために、選別・破砕・圧縮・解体・焼却等の処理を施し、次工程に適した形態へ変換する行為 |
出典=分野別運用方針(別紙19)/環境省委託「資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト」(2026年7月30日閲覧)。2つは表現が異なる別々の出典です(本記事では並べて示すにとどめ、統合した独自の定義は作りません)。制度上の正は別紙19です。
注意したいのは、廃棄物の収集・運搬そのものは業務区分に含まれていないことです。解説情報のなかには収集・運搬を対象業務に含めて紹介しているものも見られますが、閣議決定された運用方針の業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分です。したがって、収集運搬車の運転のように中間処理そのものではない仕事を主たる業務として担わせる形は、現在の業務区分では想定されていません。最終処分(埋立て)も中間処理とは別の工程です。
一方で、破砕・中和・焼却等の設備操作や燃え殻の集約作業のような関連業務に付随的に従事することは方針上認められています。どこまでが「付随的」かの具体的な線引きは今後の運用要領で確定していく部分があるため、収集・運搬や最終処分の現場を想定している場合は特に公式情報の確認をおすすめします。
「収集運搬」は業務区分への追加が検討され始めた——ただし決定ではない
環境省は「収集運搬」を業務区分に加えるかどうかの検討に着手しています。 令和8年度の委託業務仕様書に、実施すべき業務のひとつとして「『収集運搬』の業務区分追加に向けた基礎資料作成」が掲げられ、「廃棄物処理業における『収集運搬』業務について情報収集・整理を行い、資源循環分野への業務区分追加を検討するための基礎資料を作成すること」と記載されています。[8]
⚠️ これは基礎資料をつくる段階であり、追加が決まった事実はありません。時期の見通しも公表されていません。ただし収集運搬を主体とする事業者にとっては、「対象外なので終わり」ではなく公表を追う価値がある論点になったといえます。
なお、収集運搬を主体とする事業者が中間処理(処分業)の許可を自社で取得して受け入れ対象の類型に入るという選択肢も、制度上は考えられます。ただし処分業の許可取得は要件・手続きとも専門的な領域であるうえ、後述のとおり方針の別添は処分業者に優良認定またはこれに相当する水準まで求める書き方をしているため、この道を検討する場合は行政書士などの専門家と連携してください。
受け入れできる企業——12の類型に該当し、7つの条件を満たすこと
自社が対象かどうかは、①別添の12類型に入るか ②受け入れ企業に課される7条件を満たせるか、の2段階で確認します。 廃棄物処理業の許可を持っているだけでは足りない点が、この分野の特徴です。
① 受け入れできる事業者の12類型
分野別運用方針の別添は、受け入れできる事業者を次の12の類型に限定しています。
| # | 根拠となる法律 | 類型 |
|---|---|---|
| 1 | 廃棄物処理法 | 一般廃棄物処分業者(市町村の委託を受けて一般廃棄物の処分を行う者・市町村長の指定を受けた再生利用業者を含む)・産業廃棄物処分業者・特別管理産業廃棄物処分業者であって、優良認定またはこれに相当する者 |
| 2 | 廃棄物処理法 | 再生利用認定業者 |
| 3 | 廃棄物処理法 | 広域的処理認定業者(およびその委託を受けて処分を業として実施する者) |
| 4 | 廃棄物処理法 | 無害化処理認定業者 |
| 5 | 容器包装リサイクル法 | 認定特定事業者・指定法人(およびその委託を受けて再商品化を実施する者) |
| 6 | 家電リサイクル法 | 認定を受けた製造業者等・指定法人(およびその委託を受けて再商品化等を実施する者) |
| 7 | 小型家電リサイクル法 | 認定事業者(およびその委託を受けて再資源化を実施する者) |
| 8 | プラスチック資源循環促進法 | 市町村の委託を受けて分別収集物の再商品化を実施する指定法人(およびその再委託を受けて実施する者) |
| 9 | プラスチック資源循環促進法 | 認定再商品化計画に従って再商品化を実施する者 |
| 10 | プラスチック資源循環促進法 | 認定自主回収・再資源化事業者(およびその委託を受けて再資源化を実施する者) |
| 11 | プラスチック資源循環促進法 | 認定再資源化事業者(およびその委託を受けてプラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化を実施する者) |
| 12 | 再資源化事業等高度化法 | 認定高度再資源化事業者(およびその委託を受けて再資源化を実施する者)・認定高度分離・回収事業者 |
出典=分野別運用方針(別紙19)別添(2026年7月30日閲覧)。各類型には条文で定められた細かい限定があるため、正確な範囲は原文で確認してください。
1番目の類型については、押さえておきたい点が2つあります。
(a)処分業者は「許可を持っている」だけでは足りません。 別添1は、一般廃棄物処分業者・産業廃棄物処分業者・特別管理産業廃棄物処分業者「であって、廃棄物処理法施行令第6条の11第2号または第6条の14第2号に掲げる者またはこれに相当する者」と定めています。この2つの条項は産業廃棄物処分業・特別管理産業廃棄物処分業の許可の更新期間を定めるもので、その第2号は「従前の許可の有効期間において法第14条の3の規定による命令(事業の停止)を受けていないことその他の当該許可に係る事業の実施に関し優れた能力及び実績を有する者として環境省令で定める基準に適合すると認められたもの」=許可の有効期間が7年になる、いわゆる優良認定を受けた事業者を指します。環境省も受け入れ可能な事業者の要件を「優良な事業者(法令を遵守し、労働安全衛生対策等に適切に取り組む事業者)」と説明しており、方向は一致しています。
⚠️ この第2号は条文上「許可の更新を受けた者」に係る区分です(新たに許可を受けた者は第1号=5年)。新規許可を受けたばかりの事業者が形式的に第2号に当てはまることはなく、「これに相当する者」としてどう扱われるかは今後の運用要領・告示を待つことになります。優良認定は許可の更新のタイミングで判断されるため、次回更新までの期間が長い会社ほど早めの確認が要ります。
では、その優良認定は何を満たせば受けられるのか。産業廃棄物処分業の場合、施行令第6条の11第2号がいう「環境省令で定める基準」は廃棄物処理法施行規則第10条の4の2に置かれており、主な柱は次のとおりです(特別管理産業廃棄物処分業は同規則第10条の16の2に同趣旨の基準)。
| # | 基準(通称) | 条文が求めていること |
|---|---|---|
| 1 | 遵法性 | 従前の許可の有効期間(または連続する5年間のいずれか長い期間)に特定不利益処分を受けていないこと |
| 2 | 事業の透明性 | 法人情報・事業計画・許可証の写し・処理施設・処理工程図・処理実績・財務諸表・料金の提示方法などを、更新申請の日前6か月間インターネットで公表し、所定の頻度で更新していること |
| 3 | 環境配慮の取組 | ISO14001、または一般財団法人持続性推進機構による認証(エコアクション21)を受けていること |
| 4 | 電子マニフェスト | 使用する入出力装置が情報処理センターの電子計算機と電気通信回線で接続されていること |
| 5 | 財務体質の健全性 | 法人の場合、直前3年の各事業年度における自己資本比率が0以上であること |
出典=廃棄物処理法施行規則第10条の4の2(2026年7月30日時点の条文)。このほか第6号から第9号までの基準(法人に追加で課される財務指標、法人税等を滞納していないこと、最終処分場の維持管理積立金など)もあります。詳細は原文で確認してください。
ここで実務的に効いてくるのが2と3です。情報公表は「更新申請の日前6か月間」の継続が要件で、思い立ってすぐ満たせるものではありません。環境マネジメントの認証も取得に期間がかかります。受け入れ開始が令和9年4月頃という目標であることを踏まえると、次回の許可更新がそれ以降になる会社ほど、いま着手しておく意味が大きいということになります。
(b)処分業の許可が不要な立場でも、対象から外れるとは限りません。 別添1は、一般廃棄物処分業者について、廃棄物処理法施行規則第2条の3第1号・第2号で定める者を含むとしています(この括弧書きが係るのは一般廃棄物処分業者です)。同条は「一般廃棄物処分業の許可を要しない者」を定めた条文で、第1号は市町村の委託を受けて一般廃棄物の処分を業として行う者、第2号は再生利用されることが確実であると市町村長が認めた一般廃棄物のみの処分を業として行う者であって市町村長の指定を受けたものです。自治体の委託で中間処理を担っている事業者が「うちは許可がないから対象外」と早合点する必要はありません。逆に、別添に挙がっていない許可だけでは対象になりません。例えば浄化槽の保守点検業や浄化槽清掃業の許可のみでは、この12類型には入りません(別添に浄化槽関係の類型はありません)。ただし上記(a)の「優良認定またはこれに相当する者」という限定は、この括弧書きを含む1番目の類型全体に係る書き方になっています。
② 受け入れ企業に特に課される7つの条件
分野別運用方針は、特定技能所属機関(受け入れ企業)に対して次の条件を課しています。
- 別添のいずれかの類型に該当する者であること
- 環境大臣が設置する特定技能の協議会の構成員であること
- 協議会において協議が調った事項に関する措置を講じること
- 協議会が行う情報の提供、意見の聴取、調査その他の活動に対し、必要な協力を行うこと
- 環境省が行う調査、指導その他の活動に対し、必要な協力を行うこと
- 登録支援機関に1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を委託する場合は、上記4・5の協力を行う登録支援機関に委託していること
- 特定技能外国人を資源循環分野の実務に従事させたときは、本人の求めに応じ、実務経験を証明する書面を交付すること
6番は支援体制の選び方に直結します。支援計画を丸ごと外部に委託するなら、その登録支援機関自身が協議会・環境省への協力を行う者である必要があるということです(登録支援機関とは)。委託する支援業務の中身は義務的支援の10項目、委託費用の相場は採用費用・相場で整理しています。
なお、2026年7月30日公布の上乗せ基準告示(環境省告示第36号)は、この7条件にほぼ対応する基準に「協議会による優良機関認証を受けた者であること」を明文で加えた8項目構成になっています。一方で告示の条文は、処分業者の類型を「許可を受けた者」と規定しており、別添の「優良認定またはこれに相当する者」という限定は告示の文言には現れていません。方針と告示のこの書き方の違いが実務上どう扱われるか(優良認定が協議会の認証・審査でどう位置づくか)は、今後の運用要領・協議会の規定で確定します。環境省が受け入れ可能な事業者を「優良な事業者」と説明している点は変わらないため、優良認定の確認や情報公表の先行着手は引き続き有効な備えです。
これらは分野固有の上乗せ条件で、別に特定技能に共通する受け入れ機関の要件(雇用契約・企業自体の適格性・支援体制)も満たす必要があります(特定技能の受け入れ要件)。自社の許可・認定が対象類型に該当するかの確認や、在留資格の申請手続き・申請書類の作成は、行政書士などの専門家の領域です。判断に迷う場合は専門家と連携して進めてください(当サイトは在留資格の申請代行・書類作成は行いません)。
なぜ「2年に1回の立入検査」があるのか——安全衛生が実質の関門
この分野では、協議会の確認が入会時の一度きりではありません。 環境省は、資源循環分野では協議会が、加入を希望する機関に対して書面および実地による確認(優良機関認証)を実施すること、この確認を受け入れ前だけでなく受け入れ後も定期的に行うこと、認証されなかった場合は受け入れ要件を満たさないことを公表しています。この優良機関認証は、2026年7月30日公布の上乗せ基準告示(環境省告示第36号)でも明文の基準になりました。さらに令和8年度の業務仕様書では、その体制を次のように具体化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 特定技能・育成就労の全受入れ機関 |
| 頻度 | 協議会への入会時、および外国人材の受け入れ後も2年に1回 |
| 方法 | 書面および立入検査の両方を行うことを基本とする |
| 主な確認事項 | ①安全管理体制(安全衛生委員会の設置や安全管理者の選任状況等) ②安全衛生の取組状況 ③労災発生状況や自治体による指導状況(コンプライアンス面) |
出典=環境省「令和8年度資源循環分野における外国人材受入れ支援等業務」仕様書骨子、および環境省委託の支援サイト(2026年7月30日閲覧)。確認事項は「環境省担当官と調整の上決定する」とされており、最終的な内容は協議会の規定で確定します。
なお同じ仕様書によれば、協議会への入会申請は、環境省委託のポータルサイト内に設ける申請フォームで受け付け、審査・確認を経て環境省担当官の了解後に入会を許可する流れが想定されています。申請の受付体制自体がこれから整備される段階です。なお同じ仕様書では、協議会は特定技能と育成就労を分けず、「資源循環分野特定技能・育成就労協議会(仮称)」として一本で設計されており、規定類などの準備が整い次第、第1回をオンラインで開催するとされています。
なぜここまで手厚いのか。 仕様書はその理由を「資源循環分野の労災発生状況を踏まえ」と明記しています。分野別運用方針にも、業界の安全衛生の取組により労災発生率が令和元年の7.25から令和5年には5.76に低下した(厚生労働省「労働災害動向調査」)という記述があります。改善は進んでいるものの、安全が分野の中心課題であることが制度側の設計にそのまま表れています。育成就労の転籍制限を2年とした理由の説明でも、「廃棄物の危険性に関する知識を身に付け、かつ体系立てて一連の業務に習熟し、ある程度一人で安全に作業が行えるようになるまでには2年程度を要する」と述べられています。
この水準を、同じ調査の中で他産業と並べるとこうなります。最新の令和7年調査(結果の概況・事業所規模100人以上)では、一般・産業廃棄物処理業の度数率(100万延べ実労働時間当たりの労働災害による死傷者数)は7.65。同じ資料・同じ規模区分の調査産業計(調査対象となった産業全体の計)は2.01で、約3.8倍の水準です(編集部算出)。[9]なお運用方針が引いた「7.25→5.76」は、この調査の統計表では事業所規模30人以上の「一般・産業廃棄物処理業」の度数率に一致します(編集部確認)。[10]規模区分が異なるため2つの系列の数値を直接つなげることはできませんが、どちらの系列でもこの分野の労災水準が調査対象産業の平均を大きく上回ることに変わりはありません。なお、これらの値の産業分類「一般・産業廃棄物処理業」は、中間処理に限らず収集運搬業を含む廃棄物処理業全体の区分です。制度が安全衛生の確認を関門に据えた背景が、数字からも読み取れます。
実務上の含意ははっきりしています。協議会への入会は書類を出せば通る手続きではなく、安全衛生の体制が実際にあるかを見られる関門だということです。開始前にできる準備の中身も、ここから決まります。
廃棄物処理業では、不法就労が本業の許可に跳ね返る
外国人雇用の法令違反が、廃棄物処理業の許可の欠格事由につながる——これは他業種にはない、この分野固有のリスクです。ただし経路には条件があるので、正確に押さえておく必要があります。
出入国管理及び難民認定法第73条の2は、事業活動に関し外国人に不法就労活動をさせた者などを「3年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています(不法就労助長罪)。⚠️ この罰則は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(併科可)へ引き上げられることが決まっており、施行は公布の日から原則3年以内とされています(出入国在留管理庁「改正法の概要(育成就労制度の創設等)」)。
一方、廃棄物処理法は許可の欠格事由として、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者(第7条第5項第4号ハ)を挙げています。一般廃棄物処分業の許可はこの欠格事由を第7条第10項第4号で、産業廃棄物処分業の許可は第14条第10項第2号(第14条第5項第2号イ)で引いており、いずれも該当者には許可をしてはならないとされています。
法人の場合の経路はこうです。 不法就労助長罪は両罰規定(入管法第76条の2)により、行為者を罰するほか法人にも科されますが、法人に科されるのは罰金刑のみです。したがって法人自身が拘禁刑を受けて上のハに当たることはありません。法人が欠格に至るのは、その役員または政令で定める使用人が拘禁刑に処せられた場合です(一般廃棄物=第7条第5項第4号ヌ、産業廃棄物=第14条第5項第2号ニ)。そしてこの状態に至ったとき、市町村長・都道府県知事はその許可を「取り消さなければならない」とされています(第7条の4第1項・第14条の3の2第1項)。裁量的な処分ではありません。
なお、欠格事由のうち罰金刑を理由とするもの(同号ニ)は、廃棄物処理法・浄化槽法など生活環境の保全を目的とする法令等への違反を対象としており、入管法違反による罰金刑はこの列挙に含まれていません(2026年7月30日時点の条文)。⚠️ ただし同号チは「その業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」を欠格事由としており、こちらは刑の種類を問いません。「罰金で済めば本業に影響しない」と整理できるものではないということです。
在留資格・就労可否の確認を人事部門だけの問題として扱わないこと。これがこの分野の体制面での最重要事項になります。
受入見込数は3年間で900人——政府の設計は「育成就労で育てる」
特定技能1号の枠は3年間で900人。ただしこの分野の主軸は特定技能ではありません。 分野別運用方針は、2026年度からの3年間の1号特定技能外国人の受入見込数を900人、2027年度からの2年間の育成就労外国人の受入見込数を3,600人、分野全体で4,500人としています。
900人がどれくらい「狭い」かは、同じ資料の数値から確認できます。
- 特定技能1号の枠900人は、資源循環分野(廃棄物処分業=中間処理)の就業者数の見込み(2028年度・約10万5,000人)の1%未満(約0.9%・編集部算出)
- 受入見込数は、政府が公表している算出式 受入れ見込数=令和10年度末の人手不足数−(生産性向上による人材確保相当数+国内人材確保数) で算出されています。資源循環分野では、人手不足1万7,000人に対し、生産性向上で8,500人程度・国内人材の確保で4,000人程度を見込み、それでもなお不足する4,500人程度が分野全体の受入見込数とされました。つまり4,500人は「不足の一部だけを埋める数」ではなく、取組を尽くしたあとの残りをちょうど埋める数として設計されています。
見落とされやすいのが、900人と3,600人の比率です。同じ資料で19分野を並べると、次のようになります。
| 育成就労/特定技能の比率 | 分野 |
|---|---|
| 4.0倍 | 資源循環(特定技能900人・育成就労3,600人) |
| 約1.6倍 | 建設(76,000人・123,500人) |
| 約1.05倍 | 自動車整備(9,400人・9,900人) |
| 1倍未満 | 上記以外の分野(介護・飲食料品製造業・工業製品製造業・リネンサプライ・物流倉庫ほか) |
出典=出入国在留管理庁「特定技能制度及び育成就労制度の受入れ見込数について」の分野別表から編集部算出(2026年7月30日閲覧・育成就労の設定がない航空・自動車運送業を除く)。[11]
この分野は「即戦力を特定技能で採る」より「育成就労で3年かけて育てる」ことを前提に設計されている——これが数字の読み方です。特定技能1号の900人は19分野で最小の水準でもあります(林業と同数)。なお受入見込数を超えることが見込まれる場合など、必要とされる人材が確保されたと認められる場合には、環境大臣は法務大臣に対して在留資格認定証明書の交付の停止を求めることとされており、900人は上限として運用されます。なお、分野別運用方針・告示には企業ごとの人数上限の定めはありません(今後の運用要領などで定められる可能性はあります)。
育成就労で入れる場合に、特定技能と何が違うか
主軸が育成就労なら、その入口の条件も先に知っておく必要があります。分野別運用方針が定める資源循環分野の育成就労の水準は次のとおりです。
- 就労開始まで=「日本語教育の参照枠」のA1相当以上、または認定日本語教育機関等での相当する日本語講習の受講
- 開始後1年経過時まで=資源循環分野育成就労評価試験(初級)に合格+A1相当以上
- 育成就労を終了するまで=資源循環分野特定技能1号評価試験に合格+A2.2相当以上(=特定技能1号と同じ水準)
- 本人の意向による転籍=初級試験の合格+A2.1相当以上。転籍制限期間は2年
コスト面で見落とされやすいのが昇給の義務です。1年を超える転籍制限期間を設ける育成就労実施者は、育成就労の協議会が毎年設定・公表する昇給率によって、在籍する育成就労外国人の所定内賃金を1年目から2年目にかけて昇給させることとされています。転籍制限2年はそのまま「2年目に定められた率で昇給させる」義務とセットです。昇給率そのものは協議会が毎年設定・公表する仕組みのため、現時点では何%になるか分かりません(協議会は未設置)。人件費の見積もりが具体化するのは、その公表後になります。
⚠️ 支援体制の枠組みも特定技能とは別です。特定技能の支援を外部委託する相手は登録支援機関ですが、育成就労では監理支援機関の許可制が設けられており、外国人技能実習機構が施行日前の許可申請を受け付けています。委託先の種別を取り違えないよう注意してください。育成就労側の制度全体は育成就労の対象分野で整理しています。
採用候補者に求められる水準——資源循環分野特定技能1号評価試験
技能・日本語の2つの試験が要件ですが、技能試験はまだ始まっていません。 分野別運用方針では、技能水準は「資源循環分野特定技能1号評価試験」、日本語能力水準は「日本語教育の参照枠」のA2.2相当以上とされています。技能試験については、環境省委託の支援サイトで試験実施機関が「準備中」と表示されています(2026年8月1日時点)。実施団体・日程はまだ公表されていません。試験教材の面では、環境省の令和8年度委託業務の仕様書が、特定技能1号試験の受験を目指す外国人材向けの学習用テキストの骨子作成を委託事項に含めています(テキスト本体は2か年程度での作成を想定と記載)。試験の実施体制が整うまでの時間感覚を測る材料になります。
参照枠の水準と実際に受験する試験(JLPT・JFT-Basic)の対応は分野をまたいで共通のため、特定技能の日本語試験・技能試験で整理しています。
また、資源循環分野は現状特定技能1号のみが対象で、2号の規定はありません。
技能実習からの移行で先行することは、この分野では期待しにくい
試験の開始を待たずに人を確保する道は、資源循環にはほとんど残されていません。 先行したリネンサプライでは、技能試験が未公表でも技能実習からの移行が当面の中心になると見込まれています。同じことが資源循環で起きにくいのは、移行元になる技能実習の職種がほぼ存在しないためです。
外国人技能実習機構が公表している「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(94職種171作業)」(令和8年4月10日時点)を全件確認すると、廃棄物処理・リサイクルに対応する職種は「RPF製造」(RPF製造作業)の1職種1作業のみです。「廃棄物」「中間処理」「選別」「破砕」「リサイクル」を名称に含む職種・作業は、この一覧に他にありません。
⚠️ 技能実習修了者が試験免除で特定技能へ移行できるかどうかは、従事した業務と業務区分の関連性の判断によります。資源循環分野についての取扱いは今後の運用要領で確定するため、現時点で移行の可否を断定することはできません。それでも、移行元となる母集団そのものが極めて小さいことは一覧から読み取れます。実務上は、評価試験の実施要領の公表を待つ前提で計画を立てるのが現実的です。
開始前でも使える窓口——環境省委託の支援サイト
公的な相談先はすでにあります。 環境省から業務を受託した一般財団法人日本環境衛生センターが「資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト」を2026年6月30日に開設し、事業者向けの相談窓口(平日9:00〜17:00・12:00〜13:00および土日祝・年末年始を除く・日本語対応)を運営しています。窓口の連絡先は環境省のページにも掲載されています。
環境省の業務仕様書は、この窓口を設けた理由として「登録支援機関等は必ずしも廃棄物業に詳しいとは限らないため、そうした事業者から資源循環分野に関する問合せも想定される」ことを挙げています。分野固有の論点については、公的窓口のほうが早く確定情報を持つ場面があるということです。
同サイトは、企業が受け入れまでにたどる道筋を4つの段階で示しています。
| 段階 | 内容 | 押さえる点 |
|---|---|---|
| 1 | 制度・要件の確認 | 制度概要と受入れ機関に求められる要件を確認する |
| 2 | 協議会への入会 | 入会前に検査・確認(優良機関認証)が行われる。受け入れ前に加入していることが必要 |
| 3 | 外国人材の採用 | 技能評価試験の合格者、または育成就労制度を活用して採用する |
| 4 | 受入れ後のサポート | 母国文化・人権・待遇への配慮と安全・適正な就労環境の確保。協議会による定期的な検査・確認が行われる |
出典=環境省委託「資源循環分野 外国人材受入れ支援サイト」(2026年7月30日閲覧)。
同サイトでは、協議会・試験実施機関(特定技能/育成就労の各評価試験)・外国人向け相談窓口が「準備中」と表示されています。2026年8月1日時点で企業が実際に使えるのは、制度情報と事業者向け相談窓口までです。
なお環境省は同じ委託業務のなかで、受け入れを検討する事業者向けのセミナー開催と、海外での試験実施候補地の提案(資源循環分野に人材の送り出しが見込まれる国の調査・検討)も委託事項に含めています。試験が国内に限らず実施される可能性を含んだ設計であり、採用ルート(国内在住者か新規入国か)を考えるうえでの材料になります。
開始に備えて企業が今できる準備
受け入れ開始を待たなくても、安全衛生の体制・自社の該当性・教育の教材は今日から動かせます。 次の準備は各節で確認した内容に対応しています。
- 安全衛生の体制を点検する — 協議会の確認事項は安全管理体制(安全衛生委員会の設置・安全管理者の選任状況等)・安全衛生の取組状況・労災発生状況です。入会時にも受け入れ後にも見られるため、書類を整える作業ではなく体制そのものの点検になります。なお安全衛生委員会には設置義務の規模基準があります(衛生委員会=業種を問わず常時50人以上/安全委員会=清掃業など所定の業種で常時50人以上=労働安全衛生法施行令第8条・第9条)。あわせて、在留資格・就労可否の確認を社内の仕組みとして用意しておきます。
- 安全衛生教育の教材と法定教育を確認する — 厚生労働省の「未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル」には産業廃棄物処理業編があり(収集運搬業・処分業のいずれでも活用できると明記。破砕・選別・圧縮・焼却の実際の災害事例を収録)、教育用スライドには英語・ベトナム語・インドネシア語など13言語の外国語版が公開されています。[12]外国人材への受け入れ前教育にそのまま使えます。また、ダイオキシン類対策特別措置法施行令の要件に該当する廃棄物焼却施設でばいじん・焼却灰等の取扱いや設備の保守点検等に従事させる場合は、法定の特別教育が必要です(労働安全衛生規則第36条第34〜36号)。産業廃棄物処理業に関係しうる法定特別教育の一覧は、同マニュアルの巻末にも整理されています。
- 自社が12類型のどれに当たるかを確認する — 処分業者なら優良認定の有無と次回の許可更新時期、市町村委託や市町村長の指定で処理を担っているならその根拠を確認します。優良認定をまだ受けていないなら、情報公表(更新申請の日前6か月間の継続が要件)と環境マネジメント認証の取得は先行して着手できます。判断に迷う部分は行政書士などの専門家と連携してください。
- 特定技能で待つのか、育成就労で組むのかを決める — 枠の比率は1対4で、技能実習からの移行元もほぼありません。育成就労で組むなら支援体制の委託先の種別(監理支援機関)が特定技能とは異なる点に注意します。
- 公的な相談窓口と公式発表を使う — 事業者向け相談窓口はすでに開設されています。工程表に挙げられた発表のうち上乗せ要件の告示は2026年7月30日に公布・適用済みで、残るのは協議会の立ち上げ・評価試験の実施要領などです。
- 制度共通の部分を先に理解する — 特定技能の仕組み・企業側の義務・費用構造・段取りは分野共通です。特定技能採用の完全ガイド、採用の流れ、採用費用・相場、支援体制の選び方は登録支援機関の選び方が参考になります。
まとめ
資源循環分野は2026年1月23日の閣議決定で特定技能の対象分野に追加され、環境省は令和9年(2027年)4月頃の受け入れ開始を「予定」として公表しています(確定日ではありません。2026年8月2日時点で受け入れは未開始)。確定しているのは、対象業務が廃棄物処分業(中間処理)の1区分で収集・運搬を含まないこと(ただし収集運搬の追加は検討が始まりました)、受け入れできる企業が別添の12類型に限定されること(処分業者について別添は優良認定またはこれに相当する水準を求める書き方)、受け入れ企業に7つの条件(2026年7月30日公布の告示では優良機関認証を含む8項目の基準)が課されること、そして受入見込数が特定技能1号900人・育成就労3,600人で、育成就労に4倍の重みが置かれた分野であることです。
枠が小さく、確認が厳格な分野だからこそ、公式発表を待つ間に安全衛生の体制と自社の該当性を固めておくことが、開始後の速さに直結します。受け入れ停止の動きと全19分野の充足率は特定技能の受け入れ停止と分野別の充足率で確認できます。
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よくあるご質問
- 資源循環分野の特定技能はいつから受け入れできますか?
- まだ受け入れは始まっていません(2026年8月2日時点)。ただし環境省は資料の工程表に「令和9年4月頃 資源循環分野受入れ開始(予定)」と示し、本文でも令和9年の受入れ開始を目指して協議会の立ち上げや試験実施等の準備を進める予定としています。確定した開始日ではなく目標時期である点に注意してください。同じ資源循環分野で、育成就労制度は令和9年(2027年)4月から運用開始とされています。
- 資源循環分野ではどんな業務を任せられますか?収集・運搬は含まれますか?
- 業務区分は「廃棄物処分業(中間処理)」の1区分で、一般廃棄物・産業廃棄物の中間処理(減量化・減容化・安定化・安全化)を行う業務が対象です。破砕・中和・焼却等の設備操作などの関連業務に付随的に従事することはできますが、分野別運用方針(別紙19)の業務区分の定義に、廃棄物の収集・運搬そのものは含まれていません。なお環境省は令和8年度の委託業務に「『収集運搬』の業務区分追加に向けた基礎資料作成」を含めており、追加の検討が始まっています(検討段階であり、追加が決まった事実はありません)。
- 廃棄物処理業の許可があれば受け入れできますか?
- 許可があるだけでは足りません。分野別運用方針の別添は受け入れできる事業者を12の類型に限定したうえで、その1番目については「一般廃棄物処分業者(市町村の委託を受けて一般廃棄物の処分を行う者、市町村長の指定を受けた再生利用業者を含む)・産業廃棄物処分業者・特別管理産業廃棄物処分業者であって、廃棄物処理法施行令第6条の11第2号・第6条の14第2号に掲げる者またはこれに相当する者」としています。同条項の第2号は許可の有効期間が7年となる、いわゆる優良認定を受けた者を指し、環境省も受け入れ可能な事業者の要件を「優良な事業者(法令を遵守し、労働安全衛生対策等に適切に取り組む事業者)」と説明しています。自社が該当するかは別添の原文確認と、必要に応じて行政書士などの専門家との連携をおすすめします。
- 協議会の検査(優良機関認証)では何を確認されますか?
- 資源循環分野では協議会が、加入を希望する機関に対して書面および実地による確認(優良機関認証)を行い、認証されなかった場合は受け入れ要件を満たさないとされています。環境省の令和8年度業務仕様書では、この確認を入会時だけでなく受け入れ後も2年に1回行い、書面および立入検査の両方を基本とすること、主な確認事項を「安全管理体制(安全衛生委員会の設置や安全管理者の選任状況等)」「安全衛生の取組状況」「労災発生状況や自治体による指導状況」とすることが示されています。確認事項の最終的な内容は協議会の規定で決まるため、公式の公表を確認してください。
- 資源循環分野の受入見込数と、特定技能2号の有無を教えてください。
- 特定技能1号の受入見込数は2026年度からの3年間で900人が上限、育成就労は2027年度からの2年間で3,600人、分野全体で4,500人とされています。特定技能900人は同時に追加された3分野で最小です(物流倉庫11,400人・リネンサプライ4,300人)。一方で育成就労が特定技能の4倍という比率は19分野のなかで最も大きく、この分野は「特定技能で採る」より「育成就労で育てる」設計になっています。資源循環分野は現状、特定技能1号のみが対象で、2号の規定はありません。
出典・参考(一次情報)
- (概要)資源循環分野の受入れについて(環境省)
- 資源循環分野に特有の事情に鑑みて定める基準(環境省告示第36号・令和8年7月30日公布・公布の日から適用/確認日2026年8月1日)(出入国在留管理庁・環境省)
- 出入国管理及び難民認定法及び外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和7年政令第340号)(出入国在留管理庁)
- 育成就労制度の概要(令和8年7月改訂・施行までのスケジュール・技能実習に関する経過措置)(出入国在留管理庁・厚生労働省)
- 監理支援機関許可施行日前申請(外国人技能実習機構)
- 育成就労制度に係る施行日前申請(出入国在留管理庁)
- 資源循環分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(別紙19)(出入国在留管理庁)
- 令和8年度資源循環分野における外国人材受入れ支援等業務の概要及び企画書作成事項(環境省)
- 労働災害動向調査 令和7年 結果の概況(厚生労働省)
- 労働災害動向調査 統計表一覧(第7表〔事業所規模30人以上〕を含む)(厚生労働省(e-Stat))
- 特定技能制度及び育成就労制度の受入れ見込数について(出入国在留管理庁)
- 未熟練労働者に対する安全衛生教育マニュアル(厚生労働省)